宝塚歌劇団会見と報告書と雑感
こんにちは、くららです。
午後4時より宝塚ホテルで会見が行われました。
登壇者は、木場健之理事長(60)、村上浩爾専務理事(56)、井塲睦之(いば・のぶゆき、52)理事・制作部長。

記者会見でも報告書でも、現役生徒を守ることに終始されていました。公式ページにアップされている調査報告書(概要版)を読むと、しっかり伝わってきます。

劇団に現役の生徒さんたちを守って欲しいと願っていましたが、「詳細は公表せず、穏便に謝罪・補償」という私の勝手な思惑とは大きく違っていました。宝塚とご遺族の双方の会見を見てから、私の心はちょっとハラハラ状態。多分大方のファンの方がそうでしょうか?

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宝塚側の会見について

先日のご遺族側の代理弁護士の川人さんが「心」に訴える会見をされたのに比べて、劇団の3人は場慣れしていないので言葉では伝わりにくかったです。でも調査報告書(概要版)を読んで、「川人弁護士の主張+文春報道」を否定することに終始して、生徒さんたちのイジメとパワハラを否定されていました。

もう少し話の持って行き方を工夫すれば、「生徒を守ろうとする宝塚」が伝わったかもと思いますが、残念ながら「いじめ・ハラスメントは無かった」という責任感の無い言い分しか一般人には印象が残らなかったと思います。
配布資料(公式ページ)を読めば、それが伝わってくるのですが、膨大なこの資料をしっかり読む人はそんなにいらっしゃらないと思います。

「世間の心に訴える遺族側」×「世間を無視の宝塚側」という構図で、前者の大勝利のような。明日の新聞、テレビ報道などがそれを物語ってくれると思います。

劇団は、労務面では非を認められたものの、「いじめ・ハラスメントは認められなかった」と主張して、故人やご遺族のお気持ちを逆なでするような話もされ、ご遺族は到底納得されないし、さらに傷つかれたのではと心配になりました。こういうやり方はいくら現役生徒さんたちを守るためとは言え、得策では無いと思いました。

10日のご遺族側の会見から、世論はそちら側についているので、宝塚歌劇団に対する目が厳しくなっていくような気がします。

でも裏を返せば、生徒さんたちを守ることに徹した劇団の主張が通れば、生徒さんたちはお咎めなし。それは嬉しい思いもあります。

しかし社会に目を向けたら、ファンとしてこの状況をどう受け止めれば良いのか正直複雑です。

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調査報告書について

調査の外部弁護士チームは、大江橋法律事務所所属の弁護士9名。のべ1500時間のヒアリング。(宙組の4名はヒアリングを拒否)

安全配慮義務違反は認める

過密スケジュールが心の余裕のない状況をつくっていた。事件が起きるまで、安全配慮義務の認識が不足していた。

歌劇団としての責任である。

健康面により配慮するべきだった。健康管理の面で見直していかなければならない。

イジメ・ハラスメントは無かった

過密なスケジュールのため、心の余裕がなくなったり、指導が厳しくなる場面もあった。厳しい責もあったり、重なったが、一つひとつ不適切とは確認されなかった。そのため、加害責任は問わない。ご遺族には、劇団として謝罪したい。

ご遺族とは会えていない。拒否ではなく時が至っていない。故人に長時間の活動でかなりの負荷をかけたことをきちんと謝罪したい。
ご遺族の気持ちを聞きながら真摯に対応していきたい。

宙組の分断のきっかけ?

今年2月の文春報道後、落ち着いて稽古が出来ない状況だったため、演出家の提案により、宙組組長が宙組生たちだけでの話し合いの時が設けられました。

その前日に、ヘアアイロンの件についてAさんは発言したくない旨を幹部に伝えていたので、その話し合いでAさんに話しが振られませんでした。そのことで下級生たちはAさんが無視されたと思うようになり、この件を機に下級生と上級生の間に溝が生まれた、と書かれていました。

文春で報道された内容を否定しているような記述が何か所もあったように感じました。

私は何が正しくて、何が正しくないのかは、わかりません。

ただ、「報告書」の内容が、上級生を正当化しているような印象をもったのは確かです。

そして宙組では、上級生と下級生の間に溝があること、分断していることは、こうして「報告書」に記述されているので、確かなようです。

これ以上の言及はやめます。

ご遺族側の弁護士の思い

ご遺族側の川人弁護士はこの報告書に対して、

「ハラスメントでかなりの部分否定されているわけですけれども、劇団の問題といいますかその体質といいますか、こういったところに今回の問題があるというふうに」と語られていました。

週刊文春で報道されていた部分です。劇団が公に否定したことで、文春が黙っているか?そのことが心配です。

悲しい事実

報告書で現実を知って涙が出たのは、Aさんは初日(9月29日)の夜に劇団を退出してから、自宅に帰宅することなく、飛び降りて帰らぬ人になられた記述です。

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対処すべき課題・今後の改革

過密な公演スケジュールに対して

・年9公演体制から年8公演体制に(2024年は8公演でした)

・1週間あたりの公演回数 10回から9回に。

・東京公演の舞台稽古は、初日の前日に変更。

・自主稽古の在り方の改善。

・新人公演の有り方の見直し。

・組ルールの整理、合理化。

既に劇団の「働き方改革」は行われていましたが、さらに徹底されていくようです。

記者が質疑応答で、「スケジュールを変更することで、売り上げがマイナスになるので、何か検討していますか」とたずねると
「少なからず減少はあるが、まず目の前のやるべきことをやる」とこたえられていました。

記者さんは「チケットの値上げ」について聞きたかったのだと思います。そういうことも反映してくるでしょうね。でも存続の危機となれば値上げはできないかもしれません。

木場健之理事長12月1日付 引責辞任

大切なご家族の命を守ることができなかったことを心よりおわびします」と遺族に謝罪。

「ファンの皆様の信頼と期待を裏切ることになったことを心よりおわびします」

コロナ禍に就任され、さらに宙組問題が起きて、火中の栗を拾うような結果になってしまいました。

12月1日までよろしくお願いいたします。本当に大変な中、ありがとうございました。

トップの方たちの減給

角 和夫(阪急阪神ホールディングス代表取締役会長兼グループCEO)25%減給。その他幹部の方たちの減給について話されていました。阪急阪神グループの一員なので、管理責任を阪急が認めているということだそう。

角会長の思いをお聞きしたいです。

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宙組についての質疑応答

Q 宙組に退団希望者はどのくらいいるのか?

退団希望は聞いていない。
色々な意見がある。公演に繋げていけるような土壌をつくっていく。

Q 宙組に問題はあるのか?

宙組に問題があったとは認識していない。

Q 名前上がっている芹香さん、天彩さんがコメントを出す予定は?

コメントの予定は無い。

Q 宙組公演の東京公演の初日は?

安全に実施できる見込みがたったら実施予定。お客様にあらためてお知らせします。

Q 今後も芹香・春乃体制か?

芹香・春乃体制に変わらない。

宙組東京公演は上演されるのかもしれません。
ご遺族側や世間の反発がなければ良いと思います。

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川人遺族側弁護士の会見・調査報告書に対しての見解

「いじめ否定」会見に「再度検証し直すべき」

1 過密な公演スケジュールに対して

「Aさんが亡くなる前1か月間負担の重い118時間以上の時間外労働を行ったと認定し、強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定出来ない」と歌劇団の報告書は述べており、死亡が業務に起因するものと示唆していることは評価できる。(労働時間の認定は遺族側のものより相当少ないが)

2 上級生のパワハラに対して

ヘアアイロン事件の経過と上級生によるパワハラ(9月下旬)を否定。劇団のいじめ・パワハラを認定しない報告書の内容は失当であり、劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している。これらの部分については遺族側は納得することはできず、劇団側が調査報告書の内容の認定を前提とせずに、事実関係を再度検証し直すべきだ。

3 劇団への提言に対して

過密なスケジュールの提言に対しては適切な対応を含んでいるが、上級生のパワハラを否定したことにより、全体として適切とは言えない。

劇団は抜本的なハラスメント措置を講ずるべきである。

4 劇団とパワハラ行為者への謝罪、適切な被害補償

謝罪と補償点については報告書では一切言及してない。

ヒアリングを受けて、証拠となるLINEを提出したにもかかわらず報告書には書かれていない。「あまりにも遺族に対して失礼ではないか。落胆と同時に許せないという気持ちを持っている」と川人弁護士。

歌劇団側がいじめ・パワハラを否定したことについて「ご遺族はとても悔しく思っている」とも。

今後、ご遺族側は報告書を受けての意見書を歌劇団側に提出する予定。
併せて遺族と歌劇団・阪急側との面談交渉を今月末までに行う予定だそうです。

劇団がいじめ・パワハラを否定した上で、ご遺族側と面談交渉がうまく進んでいくのか?

川人弁護士は「劇団の体質批判」もされていました。劇団はもっとグサッと内部まで刺されて膿が出きってしまわないと変わっていけないのでしょうか?

この劇団の体質は世間を味方につけている川人弁護士の強烈な外圧がなければ、変えていけないのかもしれません。

今後どうなるかにハラハラするよりも、もう少し先に視点をあてて劇団が今回のことで時代に合わせた変革を行い再生できる!

ただただこの一つを信じて見守っていきたいと思います。

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