ご遺族側の記者会見と思うこと
こんにちは、くららです。
本日Aさんのご遺族側の代理人弁護士が東京都内で記者会見を開かれました。
死亡の原因は過度な長時間労働パワーハラスメント。歌劇団と運営する阪急電鉄に対して事実に基づく謝罪と適切な補償を求めていくことを明らかにされました。
夕方の全国ニュースで、この会見について報道されています。

私は今まで文春の報道を否定してきましたが、ご遺族側の言い分は文春報道に近いものでした。考え方をあらためなければならないと思いました。

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記者会見について 東京で午後3時より

ご遺族…ご両親と妹さん(本日雪組本公演の休演が発表されました)。

弁護士 川人博弁護士と井上耕史弁護士
【川人博弁護士について】
電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が、長時間労働を苦に自ら命を絶った事件の担当弁護士です。この事件は「働き方改革」のきっかけになりました。
甲南医療センターの医師過労自殺も担当されていました。労務問題にとても強い弁護士です。

記者会見で早速『PAGAD(パガド)』『Sky Fantasy!』のお稽古期間の勤務実態の表を記者会見で配布されたようでした。
(新人公演のお稽古は本公演が始まってからと認識していましたが、お稽古中から行われていたようでした)

今回の件を、川人弁護士に依頼されたことからも、ご遺族の本気度がわかります。マスコミも今回の件について、関心を寄せ積極的に報道されていくと思います。

世間は、この問題に対して厳しい目を向けてこられるでしょう。第二の電通事件になるかもしれません。

10月7日の歌劇団の記者会見に対して、ご遺族が不信感を抱かれて、川人弁護士に相談されたと会見で川人弁護士が語られていました。

歌劇団の安全配慮義務が問われています。
今までの例では、安全配慮義務違反で訴えられると営業停止もありました。

会見では労災被災者としても扱われていました。研6から阪急社員ではなく個人事業主になりますが、そのことは関係ないようです。労災認定されたら大変なことになります。

後手後手の宝塚歌劇団は、とても厳しい局面に立たされました。

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ご遺族のコメント

会見でご遺族のコメントが読まれていました。そのコメントが朝日のwebに掲載されていました。

今年の夏に退団する予定だったところ、同期2名の退団を知って、自分がやめたら、新人公演の長が1人になってしまうため、責任感から、来春に延期せざるを得なくなったそうです。

ご遺族は、あの時強く言って辞めさせるべきだったと、後悔してもしきれない程悔やまれるコメントを寄せていらっしゃいました。

最後は下記の文章で締めていらっしゃいました。

25歳の若さで、生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ、そして、あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです。私たちは、声を上げる事も出来ず、ひたすら耐え、堪え、頑張り続けてきた娘に代わって、常軌を逸した長時間労働により、娘を極度の過労状態におきながら、これを見て見ぬふりをしてきた劇団が、その責任を認め謝罪すること、そして指導などという言葉では言い逃れ出来ないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求めます。引用 朝日新聞web

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問題点

新人公演のお稽古は本公演の初日の翌日からだと思っていましたが、今回弁護士は本公演のお稽古期間から行っていると話されていました。今まで知らなかったことでした。

今年の8月16日のお稽古開始以降、過重労働に加えて上級生からのパワハラ演出家の労働時間への配慮がなかったことから、Aさんの健康状態が悪化したと指摘されていました。その頃は心療内科などの治療は受けられていなかったそうです。

膨大な仕事量

8月16日からのお稽古から、睡眠時間はわずか3時間程度。

休日はわずか6日間あったものの、公演のための化粧品・衣装などの買い物、美容院。演技のための筋トレ。新人公演のための書き物・演出加との連絡に費やされ、結局1か月半、休日はなかったようなものだったとか。

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上級生のパワハラ

いじめに値するパワハラがらあったと述べられていました。

9月に稽古中に頻繁に上級生から呼び出され、「下級生の失敗は、すべてあんたのせいや」「マインドが足りない。マインドがないのか!」「嘘つき野郎!」などの暴言を受けたそう。(週刊文春で見た言葉でした)

厚労省基準でもパワーハラスメントに該当する言葉です。

指導などという言葉では言い逃れ出来ないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求められているようです。

演出家がしっかりしたサポートをしなかった

新人公演の長が二人しかいなかったため、長の長のAさんに多大な負担がのしかかっていたようです。

シナリオの作成や配置設定なども新人公演の長が行っていたと説明されていました。

『PAGAD(パガド)』の公式ページのスタッフを見たら、演出助手の記載がありませんでした。通常は演出助手が新人公演を担当される場合が多いですが、もしかしたら人手不足で演出助手がいなくて、新人公演の長に負担がかかっていたのかな?と思いました。(憶測です)

新人公演の長が二人しかいないのに、運悪く負担が増える状況になっていたのでしょう。

アイロン事件

2021年8月14日、『シャーロック・ホームズ』東京公演に向けて稽古していた頃に起こったそうです。(初日8月21日)
診療室で塗り薬もらい、本人の家族宛のLINE等の証拠があるそう。

今年になって文春報道されて、その問題について、誰とどういう話をしたか等、LINEなどに経過などについて残っているそう。

この件で、プロデューサーからの聞き取りにAさんは事実を述べたのに、理事長が「事実無根声明」をして、詰問されたり追い詰められて精神的な負荷を受けたそう。

証拠がある

LINE、メールなど残っていて、様々な物証から劇団に責任があるのは明確とのこと。

終わりに

ご遺族のコメント

「どんな辛いことがあっても舞台に立っている時は忘れられる」と娘は言っていました。けれど、それを上回る辛さは、忘れられる量をはるかに超えていました。宝塚歌劇団に入ったこと、何より、宙組に配属された事がこの結果を招いたのです。引用 朝日新聞web

雪組にも妹さんが配属されていたので、「宙組に配属された事がこの結果を招いた」と思っていらっしゃるようです。

ファンとして宙組をみていても、次々に生徒が退団していっても、補充されることなく、組長さんが92期、副組長さんが97期とどの組よりも若い管理者でした。任された組長さんも副組長さんもトップスターさんたちも一生懸命頑張っていらしたと思いますが、宙組の積み重ねてきた構造的な問題が今回もっとも悲しい結果として出てきてしまったのだと思います。

宝塚歌劇団が、この問題をどう受け止めて、どう対処していくのか、厳しい世間の目が向けられることになりました。

本日まで、宙組東京公演について何も発表されていませんが、午後5時のテレビのニュースでは説明ボードに「中止」と出ていました。私の勘違いで宝塚大劇場の中止でした。大変申し訳ありません。

ファンは劇団を信頼して、東京公演の有無についての発表を待っています。先延ばしされる程、交通費や宿泊費のキャンセル料が高くなります。仕事のお休みも日にちがせまるほどややこしくなります。

ファンのことを思うなら、公式ホームページでファンに向けて1日でもはやくお知らせしてくれても良かったと思いました。

今回の全てのことをひっくるめて、劇団が隠蔽せず、もっと早く適切に対処すべきだったと思います。

今回の記者会見で、宙組だけでなく、全組の全生徒に様々な影響が出てくると思います。

現時点では、遺族側は謝罪と適切な処置を要求するということで、訴訟の話は出ていませんでした。
訴訟になると、被告の本人尋問があるので、遺族が加害者と指摘した上級生は出廷しないといけなくなります。

宝塚は調査報告をする予定でしたが、そんなことではらちが明かないから、本日遺族側の記者会見になったのだと思います。

今回はご遺族側の主張だけで、宝塚の調査報告はまだなので、一方の主張を全て真実と受け止めるのも時期尚早かもしれませんが、ご遺族側には大物の剛腕弁護士がついているので、そちら側の主張で動いていきそうだなと感じています。

まず謝罪を求められているようです。

ここで膿を出し切って、抜本的な改善策を取って、宝塚歌劇団を再生していかれることを心より願っています。

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