こんにちは、くららです。
18日に「宝塚音楽学校記念式典」が開かれました。創始者小林一三の生誕150年にもあたり、大地真央さんや黒木瞳さんなど、卒業生ら約1200人が出席されたそうです。(音楽学校を羽ばたいていった卒業生は約4800人)
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宝塚音楽学校に危機感?
「音楽学校110周年記念式典」があった18日に、朝日新聞webに「タカラジェンヌへの狭き門、細る受験者数 地方CMににじむ危機感」という記事が上がっていました。
下がる音楽学校の合格倍率
少子化 + 大学進学志向の高まり + コロナ禍によって、宝塚音楽学校の受験倍率はドンドン下がっていっています。
2013年(101期) 22.02倍
2014年(102期) 26.62倍
2015年(103期) 26.57倍
2016年(104期) 26.97倍
2017年(105期) 26.05倍
2018年(106期) 24.12倍
2019年(107期) 22.87倍
2020年(108期) 21.3倍←コロナ禍
2021年(109期) 17.4倍←コロナ禍
2022年(110期) 17.3倍←コロナ禍
2023年(111期) 15.3倍←コロナ禍
2023年は、今世紀最少の15.3倍でした。
宝塚100周年の年から受験倍率が上がっていました。前年の2013年には本公演で「ベルサイユのばら」が2組で上演されました。2014年は全国ツアーでも「ベルサイユのばら」が2組で上演されました。そして宝塚100周年でマスコミでも大きく取り上げられ、大いに盛り上がり、ブームは続いていきました。
蘭寿とむさんや壮一帆さんの受験された1994年は1930人が受験し、倍率は史上最高の48.25倍でした。当時も平成の「ベルサイユのばら」が上演された後の宝塚ブーム中でした。
その時に比べて、今年の倍率は3分の1に下がっています。宝塚ブームが起きると、受験倍率は上がっていました。110周年にそのブームを起こせるか?
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音楽学校の新たな対策
更にコロナによる公演中止が相次いで、地方の少女たちが宝塚歌劇に触れることのできる全国ツアーも中止になる場合が多かったです。
宝塚音楽学校の受験者減少に対しての対策
・21年から、地方での音楽学校のテレビCMを放映。
・21年から、授業の内容や受験方法のリーフレットを、女子生徒のいる全国の約5千の高校に10部ほどずつ配布。
今まであまり受験者のいなかった地域からの受験者も出たそうで、CMの効果を感じられたとか。今後も、放映する地域を増やしていく予定だそうです。
渡辺奈津子先生(紫苑ゆう)のコメント
元星組トップスターの紫苑ゆうさんは退団後、宝塚音楽学校で30年近く演劇の指導に携わっていらっしゃいます。授業を通して1千人以上の生徒たちと関わってこられたとのこと。
「倍率が下がっても、実質の競争率は昔とそれほど変わらないのでは」と分析されていました。
さらに「本気で受験する子の数はそう変わらないはず」と。
宝塚ファンの間では「記念受験」という言葉があります。記念にミーハーな気持ちで音楽学校を受験する人たち。コロナ禍でそういう受験者の数が減ったのでしょう。
紫苑さんは、いつの時代も、宝塚に入ってくるのは、宝塚が好きな人たちなので、芸能界の選択肢も増えた今の方が、宝塚を本当に好きな人が入ってきていると思っていらっしゃるそうです。
そう捉えると、宝塚は危機的状況を迎えているわけでは無いのでしょうか。
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勝手に危機的に感じる面も
しかし、SNSの発達で、簡単にさまざまな情報を見聞きできる時代になりました。個人、団体、また文春をはじめ様々なメディアも、宝塚についての負の情報も提供しています。
「宝塚が好き」になって、宝塚に憧れている少女が、宝塚を純粋に好きでい続けることのハードルが、以前より高くなっているように思います。
受験をするには、まわりの家族の応援も必要です。先行きが不透明な時代になってきているので、宝塚を志すことを反対する家族も以前よりも増えているかも。
宝塚に入るには、経済的に裕福でなければならないとも聞きます。経済的な面でもハードルが高くなる傾向にあるような気がします。
宝塚受験・原石発掘受験と言うけれど
宝塚の受験スクールが急増して受験競争が過熱したため、2009年に初の宝塚音楽学校の入試改革が実施されました。97期の受験の時からです。
従来は1次試験から歌唱と舞踊の実技試験がありましたが、2009年から1次試験は「面接重視」になりました。
1次試験はひとりたった30秒!
面接では1列に並び、受験番号、出身地、年齢、身長・体重など決められた項目を発声するだけ。
受験番号を言い、右見て後ろ見て左、前!たった30秒で、あっと言う間に終わるそうです。
技術は入学後でも学べるので、「“原石”を探そう」という思いからの面接重視だそうです。
30秒ほどの面接では、「容姿、口跡、動作、態度、華やかさなど舞台人としての適性を審査するとのこと。オーラや華、立ち姿や立ち居振る舞いが大切なのでしょう。
新しい受験制度
入学するまでには、1次から3次までの試験があります。
そのなかで、実技試験を課すのは2次のみ。
3次試験は面接と健康診断。
どれだけダンスや声楽の実技を受験スクールで練習していても、1次試験の面接を突破しなければ、その成果を見せることが出来ません。
2009年の入試改革によって、その年は入学志望者が増えました。
2008年(96期) 21.35倍
2009年(97期) 27.65倍
2010年(98期) 25.7倍
2011年(99期) 23.5倍
2012年(100期) 23.1倍
新しい受験制度の結果
新しい試験制度で入学した97期生は、音楽学校在学中に6名が退学し、入団1年目に2名が、2年目に3名が退団という結果になりました。
将来性のある原石を発掘しようとしたのでしょうが、ある程度の技術が磨かれていないと、ついていけなかったのでしょう。
入試改革をした翌年から、2次試験の実技が重要視されるようになったのでは?と勝手に思っています。
毎年音楽学校の文化祭を見ていますが、ダンスの技術力の高さに感動します。ダンスやバレエの経験がなくて、2年間であのレベルまで持っていくのは大変です。
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過熱している受験スクール
2009年の音楽学校の入試改革は、過熱した受験スクールの競争を回避することが目的だったようですが、結局その状態は今なお続いているように私は思います。
また、受験シーズンにはテレビで、受験スクールの生徒の宝塚受験に密着する番組が放送されます。それを見ると、誰もが「受験スクール」で準備をしなければ、宝塚の合格は難しいのかな?と思ってしまいそう。
受験スクールを回避するための一次試験の「30秒の面接」だったようですが、受験スクールでは、一次試験対策に重きをおいているようです。
ほとんどの受験スクールには、宝塚のOGが関わっていらっしゃいます。「餅は餅屋」では無いですが、宝塚の卒業生が一番、宝塚が必要としている人材について理解されているからでしょう。
これからの宝塚
宝塚は在籍期間が有限で、スターが入れ替わって新陳代謝していく所です。毎年40名の優秀なタカラジェンヌのたまごが入学してこなければ、そのサイクルが成り立ちません。
15倍の倍率でも、じゅうぶん「狭き門」だと思いますが、宝塚の高いクオリティを維持するためには、高い受験倍率を維持することが必要なのでしょう。
宝塚音楽学校の記念式典が宝塚大劇場で卒業生を招いて、大々的に行われたのは100周年の2013年が初めてでした。その10年後の今年には、創始者小林一三の生誕150年ということもあって、同じように開催されました。
それは著名なOGさんたちも集まって、大きく報道してもらって、「宝塚音楽学校」という名前を、世間に知らしめる目的もあったのかなと思っています。
スカイステージの特番「SKY STAGE SUMMER SCHOOL~スターが集う夢の学園~」でも、トップスターたちが音楽学校時代のことについて語り合っていました。
音楽学校の受験者を増やすために努力されているように思います。
宝塚ファンの一人としては、1度観るだけで、宝塚が大好きになってしまうような、宝塚の魅力満載の素敵な良作を次々に上演していって欲しいです。
素敵なスターさんがいて、やはり作品力があってこそ、宝塚を愛し続けていけるでしょう。
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