星組全国ツアー2日目観劇感想 フィナーレの真相
こんにちは、くららです。
本日の午前11時半の星組全国ツアー『バレンシアの熱い花』『パッション・ダムール・アゲイン!』を観劇して来ました。
初日と比べて、既にしっとり馴染んでいました。日々進化、変化していきそうで、それも楽しみです。

星組公演なのに、今のところお芝居、ショーともにアドリブは一切ありません。カーテンコールのご当地紹介も、前に出てお辞儀をされるだけでした。このあたりも今後変化していくかな?

大阪府出身は、4名。綾音美蘭(104期)、青風希央(105期)、樹澄せいや(106期)、珀亜れい(108期)。若手さんばかり、「初々しい活躍を見守ってください」と凪七さんが仰っていました。

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史上最高の「愛している」連呼公演

初日のご挨拶で凪七さんが「愛している」を数え切れないほど言い続けているので、「どなたか数えて教えてください」と仰っていました。
お芝居『バレンシアの熱い花』の名曲「瞳の中の宝石」では、「♪愛している」を8回連呼します。主な出演者たちが、その時々の心情でこの歌を歌い続けています。

ショー『パッション・ダムール』の主題歌は、「愛している」を3回連呼して「君を あぁ」というもの。プロローグとフィナーレで「これでもか!」と言うぐらいこの主題歌も歌い続けられています。

全ての出演者の「愛している」の数を数え上げたら、いったいどんな数になるのでしょうか?宝塚史上最高数であることは間違いないと思います。

この2作品とも、伝統的な「これぞ宝塚!」という作品ですが、愛を歌いあげるのが宝塚なのだなぁと改めて思いました。

『パッション・ダムール・アゲイン!』について

2020年に凪七瑠海コンサート『パッション・ダムール -愛の夢-』として上演された作品を全国ツアーバージョンに再構成されています。この時の主題歌『パッション・ダムール』はそのまま使われ、凪七さん以外の男役さんたちが真紅のターバンと衣裳をまとったプロローグもほぼ3年前と同じでした。

当時は縣千さん眞ノ宮るいさんたち雪組生が出演されていました。衣装も3年前と同じでしたが、2番手で出演している瀬央さんだけ瀬央さんの初舞台『Amour それは…』の「夢・アモール」のものでした。一人だけ格上です。

フィナーレが「黒燕尾」と「白燕尾」に別れている訳

3年前の『パッション・ダムール』を見て、フィナーレが「凪七・舞空中心の黒燕尾」と「瀬央中心の白燕尾」に別れている理由がわかりました。3年前は2部に別れて休憩時間がありました。1幕ラストが白燕尾の「All By Myself」、2幕ラストが黒燕尾の「愛の歌(ボレロ)」だったのです。

瀬央さんのフィナーレシーンは3年前と同じ

瀬央さんの白燕尾の胸元に青薔薇がついていたのが話題になっています。

瀬央さんは飾り白燕尾の胸に水色の薔薇をつけていらっしゃいました。3年前の映像でも、凪七さんが胸に水色の薔薇をつけていらっしゃるので、この薔薇に意味は無いと思います。

この「All By Myself」の初演は、『ナルシス・ノアール』(’91年星組)で日向薫さんのシーンでした。自分しか信じず、愛さなかった1人のナルシストが過去を振り返り、傷付けた人々のことを回想しつつ歌ったものでした。

歌詞を聞いていると、まるで惜別の歌のように感じてしまいますが、元々こういう歌詞のシーンだったようです。3年前に凪七さんはこの歌を同じ状態で歌っていらっしゃいましたが、現在も活躍されています。

フィナーレに瀬央さん中心のシーンがあるということに意味があると思います。

そしてロマンチックレビューの中でも再演の回数が多くてみんなに愛されている「愛の誘惑」の主役・ジゴロ(現代のアダム)は、瀬央さんでした。3年前は凪七さんでした。

また、今回加わった新シーンは「ノスタルジア」は、「凪七・舞空・瀬央」の三角関係のシーンです。

ショーの主演は凪七さんであるものの、瀬央さんも準主演、1.5番手ぐらいの扱いだったと私は思いました。

プロローグは、真紅の衣裳でのスパニッシュで、凪七さん一人のセンターから始まりましたが、次に奥の舞台の中央に、舞空さんと瀬央さん。

ショーは、その3人が中心で、それに極美慎さん、天飛華音さんが加わるという形でした。

簡単にショーの流れを追っていきたいと思います。

「夢・アモール」

瀬央さんの初舞台公演『Amour それは…』の「夢・アモール」を、瀬央さんが真ん中で、その両隣が極美さんと天飛さん。この選曲からも、瀬央さんに配慮されているなと思いました。

アディオス・パンパミーア

『パッション・ダムール -愛の夢-』の時と同じ凪七さん中心のガウチョスタイルの男女のシーン。(星組『ネオ・ダンディズム!』の再現)

凪七さんのソロのタンゴからはじまり、夕渚りょうさん天希ほまれさんが加わって3人のダンスに。男役さんたちが加わり、次に娘役さんたちも加わり賑やかに。

凪七さんの相手役は水乃ゆりさん。ダンスでリフトも。

男役さんたちがムチを手にして踊るシーンも。最後は男女ペア全員がリフト。

最後、凪七さんは「アディオス・パンパミーア」を歌って去っていきます。

ロマンス

つばの大きいお花がいっぱいついたフリフリの帽子のうす紫の可愛いドレス姿で、舞空さんが愛らしく歌い、両手に白居手羽根をもった水色の衣裳の可愛い娘役さんたち。(澪乃、七星、綾音、乙華)。

そこにうす紫の衣裳でキラキラの「おでこバンド」をつけた、天飛王子様登場。舞空・天飛の同期コンビで、夢夢しく歌いあげる、ロマンチックレビューならではのパステルカラーの柔らかいシーン。

愛の誘惑

初演は『ル・ポァゾン-愛の媚薬-』(1990年・月組初演)。何度も何度も再演され続けている名シーンです。

緑のキラキラの衣裳に赤手袋、ロング鬘極美さんが、青い林檎を持って妖しく歌います。超絶カッコイイ!

投げられた青林檎を受け取ったのは茶色のスーツの瀬央さん。瀬央さんがアダムです。

男役さんたちが男くさく踊る、BAD POEWR!組長さんの踊りが決まっていました。
男役の極みのダンスで高揚感があるので、初日から客席も手拍子でノリノリに。

「Hello ダーリン」という電話の声から、スリットが入ったキラッキラのドレスのアダルトな舞空瞳さん登場。
禁断の木の実の林檎を受け取った現代のアダム(瀬央)は、「ジゴロ」になって愛の誘惑の中でイヴの舞空さんや娘役さんと歌い踊ります。

瀬央さんも舞空さんもセクシーすぎて、まさに禁断の愛の誘惑。
歌は音咲さん。パワフルで色っぽい歌声!

ラスト、極美さんがキラキラのジャケットで歌手として登場。
4人の男役さん(朝水、天路、颯香、奏碧)も。

そこへ5人のショートカットの娘役さん。
真ん中の娘役さんがたくましいなと思ったら、天飛さん
ロングヘアーだけど、ショートカット風。天飛さんだけ髪飾りつき。

よく見たら、御剣さん飛翠さんもその中の娘役でした。

極美さんの相手役はもちろん天飛さん。
とても妖しく色っぽく絡んでいました。見所です!

ノスタルジア

宙組発足時の「シトラスの風」が初演で、2018年の『シトラスの風-Sunrise-』でも再演されました。

社交界の華マチルド(舞空)パトロン(瀬央)、青軍服のヴィットリオ(凪七)の三角関係。
舞空さんのオペラ歌手のような綺麗なソプラノ歌唱から始まります。本当に歌が上達されました。

極美さん、天飛さんをはじめ、他の男役さんたちの白軍服も格好良かったです。
三角関係がいろいろと表現されていきます。凪七さん瀬央さんのシャツ姿のダンスも見どころ。
マチルドとヴィットリオは一目惚れするのではなく、「ナウオン」では以前思い合っていた仲だったと話されていました。
最後は凪七さんの歌。舞台で表現されていない部分は、パトロンがヴィットリオに決闘を申し込み、ヴィットリオが勝って、パトロンは死んでしまい、ヴィットリオはマチルドと別れるという悲恋だそう。

ロケット(フィナーレ1)

情熱的な鳥になった気分で、沢山踊って飛んでいるそう。

ロケットのセンターが、はじめは奏碧さん、その後高くリフトされた水乃さんが前に出て来て、水乃さんに。足上げは中高。(真ん中が長身のこと)

奏碧さんは「稽古場情報」にも出演されていましたが、今回お芝居、ショーともに目立つ活躍をされています。

愛の歌(ボレロ)(フィナーレ2)

飾り黒燕尾の凪七さんが「愛の歌」を歌われます。

「愛の歌」は1962年の雪組『皇帝と魔女』で吉崎先生が作曲された曲で、長い間歌い継がれています。「古き良き宝塚」の名曲。

男役さんは黒燕尾、娘役さんは黒と白のスパニッシュ風ドレス。黒燕尾の男役さんが次々に階段に登場されて格好良かったです。

舞空さん一人で登場されてソロダンス。そして舞空さんと凪七さんのデュエットダンスもありました。

最後は全員で踊って終わりました。

この次が、はじめに紹介した瀬央さん中心の「All By Myself」となり、その後舞空さんのエトワールからパレードになります。

ロマンチックレビューというとカラフルな色も使われますが、今回は色目が赤とか黒とか白とかパステルカラーに統一されていて、落ち着いたシックなイメージでした。

オールドファンには受けること間違い無しでしょう。若いファンの方々も古き良き宝塚を知る良い機会になると思います。

バレンシアの熱い花について

昨日も書きましたが、凪七さんのスタイルの良さに圧倒されました。その凪七さんの横に並ぶ、極美さんの更に長身でスラッとしたスタイリッシュさにもさらに驚きました。極美さんの歌声が力強く伸びやかになっていて、番手が上がると、それにこたえて成長されている頼もしさを感じました。

天飛さんの「ドンファン・カルデロ」役も魅せ所のある役で、3拍子揃った天飛さんもとても頼もしく活躍されていました。

前回の本公演を休演していた108期の茉莉那ふみさん、お元気に復帰されていました。お芝居では一人だけ赤いショールをつけていたり、歌のシーンがあったり、目立つ活躍をされていました。

まだまだ書きたいことがありますが長くなったので、このへんで終わります。

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