『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』観劇感想2
こんにちは、くららです。
昨日は『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』を2回観劇して、あまりに感動して興奮して頭が疲れてしまって、感想を書く前に寝てしまいました。
それぐらい密度の高い、星組らしいパッションのある素晴らしい作品でした。

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プロジェクトマッピングとライトを上手に活用

開演前に「パチリ」とカメラにおさめたものは、薔薇をモチーフに組み立てられた可動式の舞台装置に、プロジェクトマッピングで映し出されたものです。

今回プロジェクトマッピング「図書室」や「マチルド部屋」などを映し出して、シーンをリアルに魅せてくれていました。

そしてフレンチロックミュージカルというと、強烈な色の照明ですが、それも可動式の舞台装置にもついていて、印象強かったです。

今回舞台の進行はオンブルたちが担っていて、ルージュ(希沙)、ノワール(碧海)が礼さんに照明をあてるシーンもありました。

ルージュ(希沙)と、ノワール(碧海)は、随所で素晴らしいダンスを見せてくれます。『ロミオとジュリエット』の役替わりで共に「愛」を演じていたダンサーさん。お化粧も髪形も洒落ていました。
それだけでなく、2幕は二人のパントマイムから始まります。マチネとソワレで全く内容が違っていたので、毎回アドリブでやっていらっしゃるのですね。楽しいです。

男役5人、娘役5人のオンブルたちは、基本グレーの衣装で、その時々に様々な衣装をつけて、役になったり。進行役としてダンサーとして歌手としてコーラスとして大活躍されていました。
この公演で退団される朱紫令真さんは、執事として2幕冒頭のパーティーを取り仕切っていらっしゃいました。

結婚式で神父になっていたのは凰陽さや華さん(106期)。

夕陽真輝さん(101期)は、そのあと執事として最後は裁判官として重要な役を担っていらっしゃいました。とても芝居心がある方だなと思います。

娘役のオンブルでいつも目をひかれたのは、鳳花るりなさん。詩ちづるさんと同期ですが、彼女も歌がお上手です。

馳琉輝さん(108期)も頑張っていらっしゃいました。

娘役陣の活躍

星組は歌えて芝居ができる優秀な娘役さんが揃っています。

1幕のヒロインはルイーズの有沙瞳さんと言うことですが、全体を通してのヒロインは有沙さんだと思います。
歌ももちろん素晴らしく、現在礼さんと互角に歌えるのは有沙さんだけだと思います。

芝居にとても心打たれました。貞淑な妻でありたいと思いながらも、ジュリアンとの愛を知ってしまい、自分の立場をとりつくろうとするものの、動揺し葛藤し続け慈愛に富んだ母性あふれる有沙さんの演技が素晴らしかったです。

マチルド(詩ちづる)
2幕のヒロイン。詩さんの伸びやかな歌声も繊細な演技も素晴らしかったです。
105期には歌上手な娘役さんが多いですが、詩さんの声にクセがないので、とても聞きやいです。

自由奔放で自尊心が強い狂気を秘めたマチルドでしたが、ジュリアンとの愛に目覚めて変わっていきます。強い個性のある役を巧みに演じられていました。
容姿もとっても可憐ですが、純粋なヒロインより今回のようにクセのある強い役の方がはまるのかな?と思いました。
マチルドは、詩ちづるさんの代表作になるのでは?

礼・有沙・詩の「夢物語」
2幕中盤で3人で「夢物語」を聞かせてくれます。3人のハーモニーが鳥肌がたつほど素晴らしかったです。
礼さんが加わるだけで、圧巻の歌声となるのが「礼マジック」。

メイドのエリザ(瑠璃花夏)
ルイーズ(有沙)との娘役二人のナンバー「鏡」がとても良かったです。
可愛いメイドの衣装を着ていて、お芝居も歌もお上手。
でもヒロインというタイプではありませんが、これからますます活躍される娘役さんだと思います。

ヴァルノ夫人(小桜ほのか)
夫役のひろ香さんとの富の亡者の悪役ぶりが、とても良かったです。
小桜さんの歌声も最高に素晴らしかったです。
誰よりも透明感のある天使の歌声をもっていらっしゃると思っていますが、こういう役では少し濃い目に歌わなければならないので、美しい声をいかせないのは残念。こういうクセのある役の演技も本当にお上手。

光と影 暁さんと礼さん

「Now ON」では、2人の関係が「太陽と月」と表現されていましたが、舞台では「光と影」と表現されていました。

実際の持ち味は逆なのかもしれませんが、礼さんはジュリアンで影のある暗いキャラクターを、暁さんは道化師で歌手のジェロニモで屈託のない明るいキャラクターを対比するように演じていらっしゃいました。その二人が友だち関係になっていくことが面白い。どちらかと言うとジェロニモが一方的に友だちと思っているのですが。

二人のデュエットがあるということでしたが、意外に短く圧巻のハーモニーという感じではありませんでした。

暁さんは、劇中ほとんどシルクハットを被っているのですが、それを脱いだ時の髪の色は赤味がかっていました。黒髪の礼さんに対比して赤髪にされたのかな?

暁さんの歌唱力もかなり上達されていますが、特に星組でのフレンチロックは初挑戦だったので、礼さんのフワッとしたドラマチックな歌い方に比べると、まだまだという感じでした。(月組の『1789 -バスティーユの恋人たち-』では新人公演の主演もつとめられました)
でも伸び盛りで進化し続けている暁さん、ドンドン上達していかれることでしょう。
最高峰の技術の礼さんの下で学べるということは、暁さんにとって最高の環境だと思います。礼さんは「努力の方」だとも思います。そのあたりも暁さんにとって最高のお手本でしょう。

この作品、礼さんのフレンチロックを堪能させてもらうために選ばれたのだと思いますが、暁さんの学びの場という目的も、作品選びにあったのかな?と思えるほど。

暁さんの芝居にすごみが出てきています。全編ストーリーテラーとして芝居を引っ張っていくのも、グイグイと突っ込んでいく客席いじりも、とっても貴重な経験だと思います。

『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』、『1789 -バスティーユの恋人たち-』と公演が続くことで、暁千星さんも「フレンチロックの申し子」を継いでいけるかもしれません。

わちゃわちゃご挨拶の最後が楽しい

ミニフィナーレの後、礼さんが白に赤い薔薇と黒の薔薇がついた衣装でご挨拶されます。礼さんは、そのままはけられます。

次にルージュの希沙薫さんとノワールの碧海さりおさんが前に出てご挨拶。

その次にジェロニモの暁千星さん。

そしてオンブルの10人。

その後も、次々にご挨拶されていきますが、後ろの中央部分には、挨拶を終えた人たちが暁さん中心に集まってわちゃわちゃ。ソワレの時はみんなで仲良く腕組みをしていました。途中から礼さんが黒の衣装に着替えて、そのあたりをまわられ加わられます。

ご挨拶の最後は再び暁さん。みんなに押し出されるようにして前に出てご挨拶。

そして礼さんが真ん中で、みんながその周りを囲んでとってもハッピーな雰囲気で終わります。

とても幸せな公演でしたが、最後の「礼・有沙・詩」のトリプルダンスシーンに舞空瞳さんがいなかったことが、少し物足りなさを感じました。
やはり今の星組の礼さんの相手役は、舞空瞳さん。

前回も書きましたが、この公演は『1789 -バスティーユの恋人たち-』の前哨戦のようなものだと思いました。
本戦の『1789 -バスティーユの恋人たち-』では、礼さんと舞空さんは恋人同士。
『1789 -バスティーユの恋人たち-』への期待で胸が膨らみます。

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