宙組『カジノ・ロワイヤル』初日観劇感想
こんにちは、くららです。
宙組『カジノ・ロワイヤル』初日を観劇してきました。
2回目を見て、間違っていたところを修正しました。

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『カジノ・ロワイヤル』雑感

原作(イアン・フレミング「007/カジノ・ロワイヤル」)の原型はほとんどなく、お話のスケールが大きくて、ワチャワチャとしていて、コメディタッチな部分も多い「楽しければいいや」というエンターティメント性の高い爽快感のある作品でした。深く考えてはダメ

宙組で見たことのあるような舞台の数々、「神々の土地」「アナスタシア」「オーシャンズ11」「Hotel Svizra House 」「シャーロックホームズ」etcや小池作品の「薔薇の封印」「アデュー・マルセイユ」etc 、彷彿するシーンがいろいろと詰め込まれているようにも感じました。

7名の退団者(真風涼帆、潤花、寿つかさ、秋音光、紫藤りゅう、澄風なぎ、湖風珀)がいらっしゃいます。真風さん、潤花さん中心に、退団者へのはなむけに終始していて、お芝居の終盤からフィナーレにかけて、涙が…。ファンにはたまらない作品になっていると思いました。

初日だったので、いろいろと唐突感があったりしましたが、そのあたりはこれから深まっていくと思います。

ネタバレしないように書いていたら、訳がわからなくなってしまったので、ネタバレしています。それでも良い方だけ読み進めてください。

格好良い真風さんがギッシリ

何と言っても真風さんの、「宝塚のボンド」として、男役17年間の集大成がたっぷり味わえます。
黒スーツをはじめ英国紳士の格好良いスーツだけでなく、トレンチコート、革ジャケット等、どの衣装も素敵に着こなされていて、ダンディで、バッチリ決まっていました。

タバコを吸うシーンが何か所もありました。銀橋で吸うシーンも。
拳銃を構えたり、数々の立ち回り、どれもこれも最高に様になっていて、色気があふれていて、スタイリッシュで、やはり究極の男役さん像を見せてくださいます。

そしてボンドは、女性に積極的にアプローチするタイプです。お馴染みの映画でもそうですね。
軟派なチャラ男としては、真風さんの演じこられた中では一番かも。
誠実な男役を演じられることが多かったので、このチャラ男的な設定はまだ馴染んでいない感じがしました。こちらが馴れていないだけかも?

デルフィーヌ(潤花)とは、キスで始まりキスで終わる

ふたりの出会いは、追っ手からかくまうための「キス」から。しかも2回も。

そしてラスト、二人のそれぞれの旅立ちでは、かなり長いキスで終わりました。デルフィーヌ(潤花)が「呼吸が止まるかも」と言うほどに。

デュエットダンスでも、キスシーンがありました。

以前にも「小池先生はキスがお好き?」と書いたことがありましたが、今回のふたりの集大成の舞台でのキスの多さに、「小池先生のキスへのこだわり」を感じました。

雪組の『BONNIE & CLYDE』でも、本当にキスが多かったですが、この公演も負けていません。

春乃さくらさん演じるヴェスパーは、イギリス外務省の職員でボンド(真風)の妻に扮しているだけなのですが、ボンド(真風)がヴェスパー(春乃)にキスしていました。ヴェスパーは、フランス情報局のスパイの瑠風さんと恋仲です。
金髪に華やかなメイクで、美人なヴェスパーでした。スチール写真は地味目でしたが、舞台の上では華やかで、次期トップ娘役としてキラキラされていました。

天彩峰里さん演じるアナベルが、桜木みなとさん演じるミシェルに強引にキスするシーンもありました。
アナベルはル・シッフル(芹香斗亜)の元愛人で、表向きは彼のクラブの歌手。地下の秘密基地にも関わっていて、ムチを打つような悪女の面も。

ミシェル(桜木)と関わるようになって、情にほだされていき、最後は悪女で終わりませんでした。桜木さんと共にコミカル面も担っていて、良い味を出されています。痩せて更に可愛くなられた印象をもちました。

デルフィーヌも潤花さんの集大成の役

天真爛漫で芯が強い潤花さんには、ロマノフ家の末裔の公女でありながらも、社会を良くしたい、貢献したいと強い意志をもって貫いて行くデルフィーヌがピッタリでした。脚が綺麗なのでミニスカートもよくお似合いです。はじめは懐かしいヒッピー衣装で、これも良くお似合いでした。(古くてこの表現がわからない方も多いかも)

ボンドとデルフィーヌは住む世界が全く違うため、それぞれの道を進んでいきます。
ふたりのデュエットソングがとても良かったです。
「決して忘れはしない、君と共に過ごした、短くも濃い時間を」
ストーリーの中だけでなく、実際のふたりの関係性にリンクしているようにファンには思えてしまいます。

今までの作品の中で一番潤花さんの持ち味が活かされていて、出番も多かったです。
公演プログラムも潤花さんのプロフィールページが真風さんと同じ2ページ。
今まで、潤花さんの扱いは良い方ではなかったので、サヨナラ公演ではなむけが沢山用意されていて、良かったなと思いました。

公演ブログラムには、おふたりとも白い衣装を中心に掲載されていて、そこでも「サヨナラ公演」だなと実感します。表紙も真風さんの白ジャケットでした。
この白ジャケットは、バカラのシーンで着ていらっしゃいます。
白の真風さんに黒の芹香さん。二人の対決も見ものです。(後ろに詳しく書いています)

気になっていた「イルカの歌」
「イルカ」と言うとかわいいというイメージがあったので、大人のボンドが1曲「イルカの歌」を歌うの?と気になっていましたが、全く意味合いが違いました。
イルカは人を守る高等な生物。イルカが人を愛するように、人間同士が許し合えば、世界が平和になるという歌でした。

芝居ラスト

最後は、真風さんが銀橋を渡りながら1曲歌われて、下手花道を去っていかれて終わります。
トレンチコート姿に哀愁が漂っていて、このシーンもファンの嗚咽シーンになりそう。

見せ場と思うシーン

プロローグが格好良すぎ

東西冷戦時代の説明から始まります。とてもわかりやすい。
そのシーンが終わったら、テンポの良い曲と共に、黒スーツに銃を手にした真風さんが舞台のセンター奥から登場。
メチャメチャ格好良い!(ポスターの黒スーツです!映画でお馴染みのテーマ曲は使われていません)

スーツの男役さんたちが銃を手にして、次々に登場して来て、アクション&ダンス。(振り付けKAORIalive先生)
ワクワク感で、胸が高鳴ります。
はじめのつかみとしては、最高でした。

真風×芹香対決

敵役のル・シッフルを演じるのは芹香斗亜さん。
敵役を演じたら芹香さんの右に出る人はいません。ワルくてクセがあって、一際光る存在。

バカラのカードゲーム対決をダンスで表現
振り付けは『グレート・ギャツビー』のアイス・キャッスルのダンスで初めて宝塚の振り付けを担当されたAKIHITO先生
今回も斬新な振付で見応えがありました。
高身長の真風さんと芹香さんが並んで踊ると絵になります。

ふたりの一騎打ち
『シャーロックホームズ』の時のような、真風×芹香の一騎打ちが今回もありました。
こちらも見応えがありました。

豪華な衣装の戴冠式

2幕の冒頭は、ロマノフの末裔たちが集まって、デルフィーヌへの戴冠式が行われました。ロマノフ朝時代の豪華絢爛な衣装の数々に驚きました。

この豪華絢爛なシーンに、ラスプーチンが登場してきます。
「えっ、愛月ひかるさん?」と思わず思ってしまいましたが、愛月さんがいらっしゃるわけがない。ル・シッフル役の芹香さんでした。
腰の曲げぐわいなど、愛月さんとそっくりでした。

パラシュートで脱出

古城から・ボンド(真風涼帆)とデルフィーヌ(潤花)は、パラシュートで脱出して、空を飛行します。(パラシュートの飛行時間が、そんなに長いか?と突っ込みたくなりますが)
舞台の中央で、浮いているふたりは、客席に向かって「下は一面のキャベツ畑」と言っていました。
この会話、客席にとても受けていました。
これからも「キャベツ畑」は、ずっと一緒なのかな。

フィナーレナンバー

歌唱指導は芹香さん
ル・シッフル役はニコリともしないので、満面の笑顔の芹香さんがとても新鮮で嬉しかったです。
この時の歌は、先に説明した「イルカの歌」でした。

若さはちきれるロケットダンス

真風さんと娘役さんたち(KAORIalive先生振付)
真風さんがカードを持っていて、そのまわりを娘役さんたちが四角く囲んでいました。

男役群舞(KAORIalive先生振付)
大階段に男役さんたちが開脚して座っているところから始まりました。
センターの芹香さんは大開脚でした。
それぞれの振りが格好良すぎて、素敵過ぎて、この男役群舞とプロローグのスーツと銃のダンスだけで、十分通えます。
KAORIalive先生は、男役を格好良く魅せてファンを悩殺する天才ですね。

寿組長さんが一番後ろのセンターで踊っていらっしゃいました。
途中前に出てきてお一人で少し踊られ、芹香さんの肩に触れて、目を合わせて後、お一人だけはけていかれました。
芹香さんに「後はまかしたよ」という思いを込められていたような印象。
格好良さにワクワクしている中で、「退団公演だった」とシンミリします。

この時の寿組長さんへの拍手は、とりわけ大きかったです。
宙組が好きな方は、寿組長さんのことも大好きですよね。

最後のデュエットダンス(KAORIalive先生振付)
お二人とも真っ白な衣装で、思いを込めて踊っていらっしゃいました。
終わりの方で、高いリフトが長時間ありました。
凄い拍手でした。

ふたりでご挨拶後、潤さんだけはけて、一人残った真風さんは、思いをこめて客席と舞台をゆっくり見渡され、ソロダンスをはじめられました。
途中舞台に手をついて、万感の思いをこめられているシーンもありました。

このシーンも真風さんの思いが伝わって来て、ファンの嗚咽シーンになると思います。

宙組の番手

番手にそって、男役さんと娘役さんも活躍されていました。
2番手の芹香さん3番手の桜木さんは今まで通り手堅く活躍されていますが、4番手の瑠風さんの出番が今まで以上に多かったです。

瑠風さんはフランスのスパイ、紫藤さんはアメリカのスパイ、後半はヴェスパー役の春乃さん三人で活躍されますが、この作品はフランスが舞台なので、前半はフランスのスパイの瑠風さんだけ出番が多くあります。
真風さんと2人で並んでいるシーンなど、ベスト姿の瑠風さんのスタイルの良さがひと際輝いていて、格好良さで真風さんに負けていないなと思いました。

鷹翔さんはソ連のSMERSHの一員で、冷酷な怖さに満ちていて、出番が少ないながらも、インパクトがありました。鷹翔さんも真風さんと対決するシーンがあって、長身のスタイルの良さは負けていませんでした。こうして舞台に真風さんと2人だけで立った経験は、今後にとても役立つだろうと思います。

訓練隊長のジャン役の優希しおんさんの高いジャンプとしなやかなダンスには、目を見張るものがありました。

フィナーレパレード

エトワール:葉咲うらら(106期)

亜音有星(103期)・山吹ひばり(105期)・風色日向(102期)

紫藤りゅう(96期)・天彩峰里(100期)・鷹翔千空(101期)

瑠風輝(98期)、春乃さくら(102期)

桜木みなと(95期)(白肩羽根ロング、特別衣装)

芹香斗亜(93期)(白大羽根、特別衣装)

潤花(102期)(白大羽根、裾ヒラヒラ特別衣装)

真風涼帆(92期)(トップ大羽根、裾ヒラヒラ特別衣装)

シャンシャンは男役さんは、真ん中の模様が黒のスペード、娘役さんは赤のハートでした。

【並び】山吹・亜音・副組長・鷹翔・天彩・瑠風・芹香・真風・桜木・春乃組長・紫藤・風色・花宮

【Wトリオ】
大路りせ(105期)、鳳城のあん(106期)、風翔夕(107期)、志凪咲杜(108期)
花咲美玖(106期)、愛城美紗(108期)

次期トップ娘役の春乃さくらさんは、階段降りでは今回天彩峰里さんの後になりました。役ではどちらが上という感じではなく、それぞれの持ち味が活かされていたと思います。

驚いたのは、101期の水音志保さんの並びの位置。下手の一番端でした。新人公演のヒロイン経験が無いと、なかなか並びが真ん中近くにならないようです。

102期の風色さんと103期の亜音さん、公演プログラムのスチールの位置は、今まで通り亜音さんの方が先でした。

とっても長くなってしまいました。明日も観劇予定なので、次は配役別に感想を書きたいと思います。

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