OSKの爆笑大千秋楽と若い番手
こんにちは、くららです。
OSKの京都・南座『レビュー in Kyoto(陰陽師/INFINITY)』の千秋楽には、3名の方が退団されることが昨年から発表されていました。

退団者のいるOSKの大千秋楽ってどんなんかな?」と観劇してきました。

とってもアットホームで、温かく楽しくて、大爆笑しました

宝塚の千秋楽には宝塚の良さがあり、OSKの千秋楽にはOSKの良さがあります。

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OSKの退団者のスケジュール

OSKでも宝塚と同じように、「卒業」と言う言葉を使われていました。
今回は中堅の3名の方が退団されました。
虹架路万(2006年初舞台 男役82期 宝塚では92期と同じ)
愛瀬光(2008年初舞台 男役84期 宝塚では94期と同じ)
遥花ここ(2011年初舞台 娘役87期 宝塚では97期と同じ)

2021年12月10日に、公式ホームページに、本日付け(2022年7月18日)での退団のお知らせが掲載されました。
各スターさんの功績と魅力が愛情込めてたっぷり記されていて、とっても劇団の愛を感じました。手厚い温かさだと思いました。

退団発表から7か月後の退団です。

卒業公演は、2月に大阪松竹座で、3月に新橋演舞場で『春のおどり』が、そして今月京都・南座で『レビューin Kyoto』として上演されました。

来週の23日、24日(土、日)にOSKのBrooklyn Parlorで、それぞれの退団者の「フェアウェル」が開かれて、それで最後になるようです。

OSKでは各スターさん公式ブログでご自分のペースで発信していらっしゃいます。誰でも読むことができます。
退団者の心境も知ることができました。

このあたり宝塚と違うところです。

OSKの在籍人数は、50人+α
宝塚の在籍人数は、400人+α

人数の差があるので、宝塚でスターさん一人ひとりが公式ブログを持つことは難しいかもしれませんね。

千秋楽公演の様子

お芝居、ショーともに、退団者3名へのはなむけたっぷりありました。

公演の最後に、退団者3名は大きなコサージュをつけていらっしゃいました。
宝塚と同じだなと思いました。

ショーでは、退団される方、また周りの方々が、終盤に近付くほど感極まって涙を流している方が多かったです。これにはちょっとビックリしました。

OSKでは、公演が終了すると一度幕が降りて、再び幕が上がります。(出演者全員が桜色のパラソルをもって『桜咲く国』を歌うため)

再び幕が上がって、トップスターの楊琳さんのご挨拶がありました。
そして、初舞台生(98期生)3人を紹介されました。
「退団者のご挨拶になるのかな?」と思ったら、そのまま『桜咲く国』の歌になって、幕がおりました。

「もしかしてOSKでは退団者のご挨拶は無いの?」と思ったら、再び幕が上がって楊琳さんから退団者のご挨拶の紹介がありました。

退団者のご挨拶

OSKも袴が正装ですが、着替えることなくフィナーレの衣裳のまま、出演者たちがズラリと居並ぶ中、一歩前に出てご挨拶をされました。花束などはありません。

他の出演者たちは宝塚のように直立不動で聞いているわけではなく、自由に動き発言もされていました。普通に舞台に並ばれているので、しっかりと様子が見えます。

退団者のご挨拶を他の出演者たちが舞台上で涙を流しながら見守っている中、その時々に起こる舞台上のリアクションで、大爆笑が起きて、舞台上も客席も笑って泣いて笑って忙しい状態が続きました。

遥花ここさんのご挨拶(87期)
ショーの歌が歌えなくなるほど泣くとは思っていなかったと話され、その歌えなかった歌詞の部分を噛みしめながら話そうとされていました。
するとトップ娘役の舞美りらさんが、歌詞が出てこないのかと思われたようで、サラッとその歌詞を口にされました。
ちょっと気の早かったお節介に、周りがズッコケてしまって、舞台上の出演者たちのそれぞれのリアクションが大きな笑いになっていました。

日頃の和気あいあいとした雰囲気を垣間見ることができました。
関西の劇団らしい面白さです。関西出身の方々が多いのもあるのかな。

愛瀬光さんのご挨拶(84期)
同じ退団者の2期上の虹架路万さんは、ショーの後半から涙に暮れていらっしゃいました。

そんな中、愛瀬さんはずっと笑顔で、「最高の笑顔で最後までと思っていたので、だから泣きません。涙は幕が閉まった後にみんなと流したいと思います」と話されると、泣き崩れ状態だった虹架さんがその言葉に大きく反応されて、爆笑の渦に。
愛瀬さんは、もう一度ご挨拶をやり直され、満席の南座に立てて幸せと話されていました。

虹架路万さんのご挨拶(82期)
「しみました」と涙を流しながら、ご挨拶をはじめられました。
90周年の時に客席に沢山のOGさんがいらっしゃって嬉しかったので、100周年を目指してがんばって来て、この日を見ることができたと真面目なお話をされていました。

しかしそのあと、突然
「約束したので言います!一個上は蒼音さんです!」

舞台上も客席も大爆笑。
虹架さんの隣は、特別専科の桐生麻耶さんで、大きな身体で感情表現が豊かな方なので、涙を流しながら大受けされていました。

湿っぽくなりそうな中での面白発言に会場は沸きに沸きました。

「一個上は〇〇さんです!」は、この後トップの楊琳さんを始め、他の出演者たちも使って楽しまれていました。楊琳さんの一個上が虹架さんです。
宝塚でも、「一個上さん」という言葉をよく聞きます。

しかし宝塚の退団のご挨拶で、退団に関係のない「一個上は〇〇さんです」という話は決してしないでしょう。ここがOSKの大らかさで、しかもみんなに受け容れられるのですから。

次のカーテンコール楊琳さんのご挨拶
トップスターの楊琳さんも涙を流したり、大爆笑したり大忙しでした。楊琳さんは、取り繕ったりしないで心のうちを素直にお話されることが特徴で魅力です。

「今日の温かい気持ちをお家にまでお持ち帰りください。このひとときは何にも代えがたい宝物です。一緒に共有できたことが喜びです」

次のカーテンコールでの楊琳さんの爆弾発言
「このひとときは今日で終わりますが、DVDという文明の利器がございまして、さみしくなったら是非みてください」

この発言には、「残ってしまうよ~」という意味まで込められているように感じられました。DVDのことまで考えていなかったのか、出演者たちはワサワサと盛り上がっていました。

退団する娘役さんは「泣いてブサイクが残ってしまう」という発言も。

みんな心のままを話されることが本当に面白かったです。

こんなに出演者たちが、ざっくばらんに舞台上で話すことは、宝塚ではありませんね。このざっくばらんさがOSKの良さだと思います。

終演予定が午後5時35分だったところ、ちょうど午後6時に終了しました。
千穐楽のDVDはカット無しに収録されたものが販売されるのでしょうか?

今回の大千秋楽、半分以上は虹架路万さん感性にもっていかれた感じでした。
お芝居の「陰陽師」では、文殊菩薩の使いの維摩役で、キックボードに乗って舞台上をウロチョロしていて、ムードメーカーのような形で舞台を引っ張っていく役でした。
大千秋楽ということで、楊琳さん演じる安倍晴明と昔を懐かしみながら特別あつい抱擁のアドリブをされていました。1期違いの2人にはリアルな心の交換があったのでしょう。

心の内をそのまま表現できる虹架路万さんの人間らしさも、またそれを受け容れあえるみんなの関係性も良いなと思いました。

400人を超える劇団員を統率する宝塚には、厳しい関係性が無いと難しい部分もあるでしょう。

(ご挨拶の内容については都度メモに書き留めましたが、読解不能状態が多いのでニュアンスです)

レビュー in Kyoto公演について

第二部のショーの『INFINITY』は2月の大阪・松竹座と3月の東京・新橋演舞場で『春のおどり』として上演されたものと同じでした。
元宝塚の荻田浩一氏作・演出。

2月に観劇した時より、大千秋楽で熱さが倍増しているように思いました。
特別専科の桐生麻耶さんはわずかな出番ですが、迫力ある歌声と圧倒的な存在感でした。桐生さんの陽のエネルギーに、とっても癒される思いがします。

第一部は、『陰陽師 闇の貴公子☆安倍晴明』というお芝居でした。OSKはレビュー劇団なので、お芝居といっても、ダンスシーンがとても多いミュージカルです。

原作は夢枕獏の『陰陽師』。作・演出は北林佐和子氏。

『闇の貴公子』は、2002年、親会社の近鉄が「支援を打ち切る」と決定したため、「解散」になった時に、当時のOSKファンたちが「『闇の貴公子』を見てもらえば、OSKは解散しないですむのに…」と無念に思ったほど、OSKの魅力と独自性が満載の傑作のミュージカルだったそうです。

現在、陰陽師モノ、安倍晴明モノのは、ドラマ、マンガ、映画、舞台であふれかえっていますが、2001年に上演されたOSKの『闇の貴公子』が一番早く、先駆的なものだったとか。

新聞でそういう解説がされていたので楽しみにして見ました。

初演が二幕で2時間以上あったものを、一幕1時間ものに圧縮しているので、登場人物が多すぎて、さらにダンスシーンも多くて、詰め込み過ぎのため、1度でサラリと理解するには難しく思いました。

どんなに傑作でも、2時間以上の作品を1時間に短くするには、思い切った取捨選択が必要なのでしょう。

スターの序列

OSK Star Keisho』というリレー形式のインタビュー連載企画から、OSKの序列がなんとなくわかりました。

男役スター

トップスター:楊琳(83期。宝塚では93期と同じ初舞台)
2番手:翼和希(89期。宝塚では99期と同じ初舞台)
3番手:椿りょう(92期。宝塚では102期と同じ初舞台)
4番手:登堂結斗、天輝レオ(90期。宝塚では100期と同じ初舞台)

OSKに番手は無いかもしれません。『OSK Star Keisho』の掲載順から勝手に判断したものです。

現在宝塚には楊琳さんと同じ初舞台のトップスター彩風咲奈さんがいらっしゃいます。
そして2番手は、92期~95期までが占めています。

OSKでは、2番手が宝塚の99期に相当する翼和希くんです。
そしてその下は102期宝塚より随分若返っています。

今回退団された虹架路万さん、愛瀬光さんは、宝塚の92期、94期と同じ初舞台でした。

3番手の椿りょうさんは、上級生の登堂結斗さん天輝レオさんを抜いた形になっています。

はやい段階からスターの位置を決定している感じがします。
(この根拠は、OSK Star Keishoの記事だけです。)

人気でスターの位置を決めているのでしょうか?

娘役スター

トップ娘役:舞美りら(86期。宝塚では96期と同じ初舞台)
トップ娘役:千咲えみ(89期。宝塚では99期と同じ初舞台)

ホープ娘役:実花もも(9088期宝塚では10098期と同じ初舞台)
ホープ娘役:唯城ありす(92期。宝塚では102期と同じ初舞台)
『陰陽師』では、藤の式神 密虫を二人がWキャスト。

唯城ありすちゃんは舞空瞳ちゃんに似た雰囲気で、とってもダンスがお上手。
「INFINITY」でもソロダンスを踊るシーンがありました。
初舞台が2016年で同じ年です。
舞台の活躍を見る度に、トップ娘役に就任するだろうなと思います。

宝塚ブログを書いているので、OSKを見る時もついつい宝塚と比較しながら見てしまいますが、大千秋楽の様子を見て、根本から全然違うことを感じました。

それは、全ての点で言えます。どちらにもそれぞれの良さがあります。
これからも、それぞれの良さを味わっていきたいと思います。

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