花組『元禄バロックロック』感想
こんにちは、くららです。
日曜日に花組の2回目を観劇して来ました。
昨日は人事に関しての思いが長文になってしまったので、初日の感想は省略していました。

スポンサーリンク



今回の花組公演、初日から完成度がとっても高いです。
初日はやや緊張めでしたが、初日ならではの笑いが起ったりというシーンはありませんでした。
2日めにして、既にお芝居は深まり、ショーはスムーズな流れになったように感じました。
初日のご挨拶で「千秋楽まで進化してまいります」と柚香さんが話されていましたが、進化もとっても楽しみです。

「元禄バロックロック」について

元禄バロックロック開演前の舞台
開演前に幕があがると、舞台上には豪華なバロック調の3台の時計があり、背景の映像にも時計が散りばめられています。更に右上方の漢字は時を刻んで変化しています。
「元禄バロックロック」の世界観に開演前から浸れます。このバロックとロックが融合したような幻想的な雰囲気の中で、お話は展開していきます。

谷貴矢先生独特の非現実的なトンチキ満載なのですが、そのトンチキの世界に今回は何の抵抗もなく、すっと入り込んでいけました。

大衆的な大劇場公演ということで、トンチキ度を手加減されたのでしょう。

舞台装置、衣装、照明、音楽などによる、バロックロックな「エド」の世界観が、理解の助けになったように思います。

そして登場人物たちの演技力が、とってもこの世界観に惹き込んでくれました。

特に時計職人のクロノスケを演じる柚香光くんは、お芝居に説得力があるので、「トンチキ」が、当たり前に思えてきます。

元禄時代の設定ですが、時代劇という感覚は無く、現代もののように楽しめました。

主演の2人の衣裳はポスターの通りの、着物であって着物で無い、斬新で洒落ていて、加藤真美先生のセンスは抜群です。
まどかちゃんにはお洒落なボブの髪型もとっても似合っていました。とにかく可愛い。
れいちゃんも、どんな衣装も素敵に着こなしていて、とにかく格好良い。メガネ姿がおがめるシーンも。

トップコンビのビジュアルだけでも、十分楽しめます。

今回お披露目の柚香光・星風まどかコンビがとってもラブラブで、その二人を軸に物語が進んでいきます。

濃厚なラブシーンにドッキリ
プログラムの解説には、「爛れた愛を紡ぐ」とありました。

デジャブ
まどかちゃん演じるキラが『デジャブ』という単語を2回ほど普通に話して、私には理解できなかったので、調べてみました。
デジャブとは?
「前にもどこかで一度これと同じものを見たような気がする」という感覚。

このデジャブが、このストーリーの伏せんになっていて、見事に回収されていきます。

この作品の成功は一人の役者にかかっている

最高の芝居力
何と言っても、少年の将軍ツナヨシ役の音くり寿ちゃんの演技力があっぱれ
トンデモどんでん返しを納得させるだけのパワーがあるのです!

パワーの無い将軍ツナヨシだったら、受け止め方は違っていたと思います。

全ての登場人物が、どハッピーエンド(柚香光さんの造語)に導かれます。
桜の咲き誇る花組らしい風景の中、大団円で楽しく盛り上がって、多幸感にあふれていて、歌に合わせての手拍子もとっても楽しいものでした。

さらにラストの花道
幕が降りようとしている時、下手花道にいるクロノスケが、銀橋にいるキラに、おいでっと手を広げて、キラは腕の中に飛び込みます。この親密度が初日より2日目は進化していました。これからさらに親密になっていくのか?
とってもラブラブで幸せそうな二人は、花道をはけていきます。

幕が降りる時に、下手花道をはけていくのは、今年の本公演の特徴のような気がします。

ラスト下手花道をはけていく作品

星組『柳生忍法帖』
礼真琴くん演じる十兵衛は、下手花道を歩きながら旅に出て行きました。

雪組の『CITY HUNTER』
彩風咲奈さん演じる冴羽獠は、下手花道を歩きながらはけていきました

月組『桜嵐記』
珠城りょうさん演じる楠木正行は、下手花道を歩きながら出陣していきました。

月組『川霧の橋』博多座
幸次郎(月城かなと)とお光(海乃美月)は、仲良く二人で下手花道を歩きながらはけていきました。

「元禄バロックロック」の見どころ

見せ場は殺陣!
一番は柚香・水美の一騎打ち
銀橋から迫力のある高速殺陣がはじまります。
はやくて、観てる方がヒヤヒヤするくらいです。
ふたりの運動神経は、並外れています。

銀橋では狭くて危険すぎるので、舞台の方へ移っていきますが、最後まで怪我がないようにと思います。

その他にも、多くの殺陣があって、刀の「キーン」という音が爽快です。
誰も死にません。それが『柳生忍法帖』と違うところです。

「銀ちゃんの恋」の2人の愛は続いていた?
お芝居のはじめ、コウズケノスケの水美舞斗さんくノ一のツバキ役の星空美咲ちゃんを膝枕にして、センターからせり上がってきます。
脱力して寝そべっている状態で、その手が美咲ちゃんの膝を指先だけでいやらしく触り続けています。妙に色っぽくて、スケベ爺感があふれていて、はっとしました。
美咲ちゃんもとっても艶っぽくて、まだ研3なんて決して思えません。姉御感満載。

ショーになりますが、水美さんがセンターの『酒とバラの日々』。
一輪の赤薔薇を手にしたスーツに黒ハットの男役さんたちが踊る中、後ろに控えている娘役さんたちのセンター美咲ちゃんがいました。まだ研3なので見間違えたかと思いました。
水美さんとダンスを踊り始めたのは、やはり美咲ちゃんでした。
最後はワイングラスをもった美咲ちゃんと薔薇をもった水美さんのなまめかしいポーズで終わりました。

星空美咲ちゃんが、水美舞斗くんの女であることは、今回の作品でも継続しているようです。
ふたりが組むと、とってもアダルト!

他の主な出演者について
たくさんの人たちに出番やセリフがあるのですが、主要な役は少ないです。

タクミノカミ……聖乃あすか
冒頭で死んでしまうので、亡霊のような形で、「語り部」として登場します。
この世の人では無い設定のグレー・ブルー系の衣装と鬘がとてもお似合い。でも死人メイクでは無い。
出番は一番多かったかも。

江戸幕府側のコウズノスケ……水美舞斗
銀髪でヒゲのイケおじ姿がお似合いでした。野心家というのも伝わってきました。
表情と台詞に説得力があって、芝居力がぐんぐんついているよう。

赤穂側・クラノスケ……永久輝せあ 
赤穂藩の家老として仇討ちに心を燃やしている顔とボンクラを装って飄々としている顔との使い分けが上手でした。
ボンクラの時の「困ったなあ〜」というセリフの言い回しが面白かったです。

クラノスケがボンクラを装っている時の奥さんのリク役の華雅りりかさんがお笑いどころを担当されていました。クラノスケのボンクラ度でも笑いをとっていけると思います。ひとこちゃんの芝居力の見せ所でしょう。

雪組育ちなので、殺陣の時の腰の落とし方がとても低いのが流石です。

くノ一……カエデ(美羽愛)、ツバキ(星空美咲)
まどかちゃんに続く娘役としては、この二人のようです。殺陣にもチャレンジしていました。まだ大劇場の大きな役は荷が重いようで、これからメキメキ良くなっていくでしょう。

瓦版売りヨミウリ……希波らいと
何度も登場する上、177cmのすらりとした長身で小顔で華があるので、目が惹かれます。やはりホープ筆頭だと思います。

新人公演では、希波らいとくんが主演、美羽愛ちゃんがヒロインです。

演出補には、「夢千鳥」で演出家デビューされた栗田優香先生のお名前がありました。新人公演の担当をされるのでしょうか?

制作発表まである公演の作品を大劇場デビューの谷貴矢先生が担当されて大丈夫かな?と内心勝手に心配していました。しかしそんな心配をする必要はありませんでした。才能があると確信されているから、任せられるのですね。

この作品は、単に楽しい、幸せというだけでなく、前向きになれるエールも送ってくれたような気がしました。
「時を戻さなくても、今からやり戻せばよい」
とても励まされました。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
ランキングに参加しています。ポチッとバナーをクリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村
いつも応援してくださってありがとうございます。

twitter


スポンサーリンク