深くて新しい宝塚魂タカラヅカスピリット
こんにちは、くららです。
「宝塚魂‐タカラヅカスピリット」が、昨年の9月から放送されていました。

今月放送の『宝塚魂‐タカラヅカスピリット‐#12「宝塚歌劇の精神」』がこのシリーズの最終回です。
最終回の「宝塚歌劇の精神」は、とっても奥深くて、とっても濃い内容でした。
出演は雪組・千風カレンさん朝美絢さんでした。

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宝塚歌劇の精神の根底は深い「宝塚愛」

「宝塚愛」について

千風:「恋をして愛するだけでなく、家族の愛、お互いを思いやる愛がすごく素敵だなと思っている」

朝美:「劇団の中での愛もですけど、お客様からの愛、お客様の宝塚に向ける愛とかも毎日感じていて、愛があってからこその劇団の在り方だなというのは常々感じることがあります」

朝美:「音楽学校の時に、渡辺先生(紫苑ゆう)が、『もう宝塚は愛すねんでぇ』と常々仰っていて、それをすごく思い出す」

千風:「そこに埋め込まれたタカラジェンヌDNA

朝美:「まさにDNAですね」

宝塚音楽学校の2年間は、本当に貴重な期間なのですね。

「宝塚歌劇の象徴」といえばこの人!というスターは?

朝美:「音楽学校で出会った紫苑ゆうさんですね。偉大だったなと。『いつも心に太陽を』と教えて下さったことが、今でも息づいています」

千風:春日野八千代先生、松本悠里先生がみんなに教えて下さって、ここまで来たのだなぁと」

朝美:松本悠里先生と100周年の時にご一緒させていただいたんですけど、常に清く正しく美しく舞台上でもお稽古場でも楽屋でも、どこでもいらして、こういうことを言うのだなと」

そしてあーさの中では、創設者の小林一三先生が宝塚を象徴する一番の方!だそう。

紅ゆずるさんが退団公演の大千穐楽の日に「小林せんせーい、宝塚歌劇団をつくって下さって本当にありがとうございました!」と叫ばれました。あーさは、そのことにとても感動したそうです。(紅ゆずるさんの袴姿のそのスピーチ映像が流れました。)
あーさも、いつも「本当にありがとうございます」とお稲荷さんの横の小林先生の写真に向かって、心を込めて感謝しているそうです。

真彩希帆ちゃんも千秋楽の時に感謝の言葉を仰っていましたが、タカラジェンヌはみんな同じ思いなのでしょうね。

常にタカラジェンヌとして気をつけていること

あーさは、この状況下で舞台に立てることの感謝を今まで以上に感じていて、学年が上がるにつれて感謝の思いも強くなっているそうです。

カレンさんは、あーさから組む女役さんに対しての温かさをとっても感じているそうです。「20世紀号に乗って」のフィナーレナンバーで、あーさと組んだ時に毎日幸せだったそう。(なんと「20世紀号に乗って」のフィナーレナンバーの時の静止画が映されました!貴重な画像です)

カレンさんは、「豊かな人間でありたい」と思っているそうですが、忙しい時に、目の前のことでいっぱいになる時もあるけれど、「宝塚の舞台に立ちたかった」という初心と新鮮さと愛を忘れてはならないと思っているそうです。

演出家・中村一徳先生のインタビュー

上級生を尊敬していく、憧れていく気持ちが、ずっと変わらず生徒の中にあることが宝塚の伝統であり、生徒の精神であり、宝塚に対するあこがれが舞台のパフォーマンスに繋がっている。
宝塚愛」をそれぞれの生徒が深くもっていることが、宝塚の精神の特徴の一つかなと仰っていました。

春日野先生が舞台稽古の時に、人という字を手のひらに書いて飲み込んで舞台に出ていらしたことが印象的で、何十年と舞台に立っていて実績のある方でも、舞台稽古で緊張していらっしゃることに感銘を受け、それが先生の偉大さであると思われたそうです。

そして宝塚は、春日野先生、松本先生、轟さんらの空気を皆が感じて受け継いでいることが素晴らしいと話されていました。

「清く正しく美しく」を礎とする宝塚には、先輩、後輩感でも、人との調和がある。

時代で感覚は変わっていくけれど、他のエンターテインメントと違う宝塚でしか感じられないものがあり、それらをお客様と共感し、さらにお客様からのものを感じて、今の時代にあった部分と宝塚でしか無い部分を両方調和していくことが大切。

元月組トップスター・真琴つばささんのインタビュー

「清く、正しく、美しく」の語呂は、ホップ、ステップ、ジャンプといった感じで、この言葉の重みがあって、この礎の上に悪役や酔っぱらいもあれば悪女もあるというところが宝塚の素晴らしいところ。

3分の2の歴史と3分の1の冒険・挑戦」、歴史は守らなければならないけど、新しい何かをすることが今までの宝塚の歴史に繋がってきている。

ホームグラウンドの強さがあり、宝塚は必ず帰る所があり、故郷である。

宝塚は「生徒」と「スタッフ」と「応援してくれる方々」の三位一体の総合芸術だと思う。だから100年以上続いてきた。

宝塚は駅伝にたとえることができる。トップの人が走り去っても、最後の人が来るまで沿道の人たちは応援している。目当てのランナーが来ると一緒に走り、どこに行っても応援してくれる人がいる。
そしてトップを走る人もいれば、その他一生懸命自分の区間を走りきっていて、掛けていたタスキは必ず誰かに渡され、その精神は繋がっている。

「宝塚 我が心のふるさと」の歌は、入る前、入ってから、やめた後、そして応援している方々、全ての人たちに当てはまる歌で、美しい園は他にも沢山あるけれど、宝塚が憧れの場所であることがひめられている。

今でからこそ出来ない宝塚の魅力を「生徒」と「スタッフ」と「応援してくれる方々」の三位一体でつくりあげていって欲しい。

宝塚歌劇の精神(伝統、モットー)の魅力

上級生になったあーさは、教わって来たものを下級生に伝えていく中で、伝えることは難しい面も感じているそうです。その人のことを怒ったり叱ってくれている「愛」は伝わるとカレンさん。

お客さんに舞台を楽しんでもらうために、真矢みきさんの武道館コンサートのように、新しいことにチャレンジして、宝塚は先輩たちの努力で新しく切り開かれてきた積み重ねの部分もある。
古典も大切にしながらも、これからも今の時代にそぐった新たな宝塚歌劇を切り開いていけるのではないかなと感じていると、あーさ。
朝美絢くんは今までの宝塚のトップスターにいなかったタイプです。こういう番組に出演すると、華やかな容姿の印象から想像つかない、誠実で真面目な性格のギャップを感じます。そういう所も魅力的です。ぜひ新たな宝塚歌劇を切り開いていくスターになっていただきたいです!

視聴者からのメッセージが次々と紹介されましたが、どの方も宝塚のことを的確にとらえられていて、その根底には「宝塚愛」があふれていました。共感するものばかりでした。
メッセージを読んだ最後に「宝塚愛は不変だなと感じました」とカレンさんが仰っていました。

中村一徳先生のインタビューも、真琴つばささんのインタビューも宝塚愛にあふれた深い内容でした。

「宝塚歌劇の精神」はとても深いけれど、結局「愛に戻る」とカレンさん。その通りだと思いました。

宝塚を愛する人たちが宝塚を語ると、話は尽きません。限りなく幅広く深いからです。
そして全て「宝塚愛」に帰結します。

「宝塚の象徴」として挙げられていた春日野さん、松本さん、轟さん。
松本さん、轟さんが2021年に退団されて、象徴のような方がいなくなってしまうのは、宝塚の歴史の中でも初めてのことです。
そして「コロナ禍」という先が見えない長期間の危機の真っただ中です。その収束がいつかは誰にもわかりません。

こんな中での舵取りはとても大変だと思います。
しかし多くの人々の宝塚愛で繋がっている「宝塚歌劇団」に存続の危機は無いように思っています。
但し宝塚愛を根底から裏切るようなことがあったら、その反動は余計に大きいかもしれません。
コロナ禍で、「嫌な時を忘れさせてくれる」宝塚の舞台への愛は、今まで以上に深まっているような気がします。

創設者である小林一三翁の遺した「清く、正しく、美しく」の理念と精神が今も脈々と宝塚に息づいていて、全ての作品創りの礎となり、生徒さんと様々なスタッフの方々の精進と努力によって、素晴らしい舞台を見せていただけていることは、感謝でしかありません。

「3分の2の歴史と、3分の1の挑戦」という真琴さんの言葉は、とても的確でした。
厳しい精神で伝統を守りながらも、、常に時代に即した様々な改革や挑戦を続けるタカラヅカスピリットで、予測できない社会変化の中で、時代の波に乗っていって欲しいです。

今までの「宝塚魂‐タカラヅカスピリット」番組について

昨年の9月から、1か月に1番組放送されてきました。
1.「黒燕尾」 高翔みず希、水美舞斗(2020年9月)
・黒燕尾の振付でお馴染みの羽山紀代美先生のインタビュー。
・元花組トップスター・安寿ミラさんのコメントも。

2.「宝塚メロディ」 月城かなと、晴音アキ(2020年10月)
・宝塚の名曲の数々を生み出して来た吉田優子先生のコメント出演。
・圧倒的な歌唱力で人気だった元花組トップスター・春野寿美礼さんのコメントも。

3.「宝塚の日本物」透真かずき、彩凪翔(2020年11月)
・日本物の数々で殺陣を担当した清家三彦先生のコメント出演。
・日本物と言えばこの方、元星組トップスターで日本物の振付も担当される峰さを理さんのコメントも。

この初回放送は昨年11月でした。峰さを理さんは、今年の1月30日に逝去されました。

4.「宝塚歌劇で上演された海外ミュージカル」鳳月杏、海乃美月(2020年12月)
・『エリザベート』『ロミオとジュリエット』など、数多くの海外ミュージカルを手がけてき演出家・小池修一郎先生のコメント出演。
・数多くの海外ミュージカルに出演して来た、元月組トップスター霧矢大夢さんのコメントも。

5.「宝塚の劇場」瀬央ゆりあ、小桜ほのか(2021年1月)
「宝塚大劇場」「東京宝塚劇場」「宝塚バウホール」
・演出家・石田昌也先生のコメント出演。
・元雪組トップスター・杜けあきからさんのコメントも。

6.「宝塚のフィナーレナンバー、パレード」桜木みなと、和希そら(2021年2月)
「宝塚のフィナーレナンバー、パレード」
・振付の御織ゆみ乃先生のコメント出演。
・元宙組トップスター・朝夏まなとさんのコメントも。

7.「宝塚のスーツ」 真那春人、諏訪さき(2021年3月)
・振付の若央りさ先生のコメント出演。
・元月組トップスター・瀬奈じゅんさんのコメントも。

8.「宝塚レビュー」 寿つかさ、瑠風輝(2021年4月)
・演出家・岡田敬二先生のコメント出演。
・元宙組トップスター・姿月あさとさんのインタビューも。

9.「宝塚の男役、娘役」天寿光希、有沙瞳(2021年5月)
・有沙瞳さんが大好きだったという元月組トップ娘役、彩乃かなみさんのコメント。
・天寿光希さんと関係深い元星組トップスター、紅ゆずるさんからのコメントも。

彩乃さん紅さんのコメントに大感激の二人でした。この番組の後、有沙瞳さんは「マノン」で憧れの彩乃かなみさんが演じたヒロインを再演されました。

10.「宝塚の軍服」紫門ゆりや、佳城葵(2021年6月)
・星組元トップスター・紫苑ゆうさん、湖月わたるさんが、軍服の着こなしで気を付けていたこと、こだわりなどを熱く語られました。

11.「漫画原作の宝塚作品」永久輝せあ、聖乃あすか(2021年7月)
「漫画原作作品」を多く手掛けている、演出家・小柳奈穂子先生のコメント出演。
「ルパン三世」「るろうに剣心」など「漫画原作作品」の主演をした元雪組トップスター・早霧せいなさんのコメントも。

8月16日から、1回ずつ再放送されます。過去に見逃がしていた方には必見です。

「宝塚魂‐タカラヅカスピリット」は12回の番組で終了しました。
しかし宝塚の魅力は幅広くて奥深いので、「宝塚魂‐タカラヅカスピリット」は視点を変えれば、まだまだいろんな切り口で限りなく続けていけそうな気がします。

7日に初日を迎える『CITY HUNTER』は、3分の1の挑戦に入るものでしょう。
この時代に即した作品になるのか?
初日を観劇できることになりました。
とても楽しみにしています。

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