宝塚の尊いライバルの存在
こんにちは、くららです。
昨日は池田市のマグノリアホールの「加茂さくら・高汐巴」逸翁コンサートに行ってきました。

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コロナ禍でのコンサート

昨年の3月21日から6月27日に延期され、さらに再延期でやっと2月27日、28日に実現しました。
普段なら130名程収容できる会場ですが、前後左右の間隔をあけるために客席は約50名程。
収容人員が半分以下になったため、1日2回の開催予定が、2日間にわたって4回行われました。
しかも舞台と客席の間にはアクリル板の仕切りがありました。

「逸翁コンサート」は、スカイステージで後日放送されますが、アクリル板の仕切りがあったために、撮影できたのかどうか、わかりません。
私の見た回にカメラは設置されていませんでしたが、素晴らしいコンサートだったので、映像として残っていたら良いなと思っています。

加茂さくらさんについて


「宝塚のプリマドンナ」加茂さくらさんの歌声は、現役時代と変わらない美しさと響きでした。
2月15日に放送されたラジオ番組『ビバ!タカラジェンヌ』で、このコンサートのことについて
コンサートが終わるまでは死ねない。食事管理もしている。」と強い意気込みを語っていらっしゃいました。

背筋がピンと伸びて、お身体もスッキリされていて、素敵なドレスを着こなして、ラストは打掛をはおって、お歳を全く感じない、スター然とした加茂さんでした。
タカラジェンヌの「プロ根性」を感じました!

高汐巴さんについて

高汐巴さんは、今回は加茂さんのエスコート役なので、終始「男装の麗人」姿で素敵でした。

「いつまでも男装をできるものでは無いと言いながら、やっている自分がいて、言っていることとやっていることが違う、そんな自分が大好き!」と、いつもの軽妙なトークで笑わせてくれました。
アクリル板を挟んでの舞台は「水族館の中で歌っているよう」とも。
相変わらずユニークな発想が楽しいペイさんです。

昨年の年末には「黒蜥蜴」で、明智小五郎と緑川夫人の2役を演じられ、その構想は現役時代からあったそうです。
2007年に花組で『明智小五郎の事件簿 -黒蜥蜴-』が春野寿美礼さん主演で上演されましたね。その時は2役ではなく、「黒蜥蜴」は桜乃彩音さんでした。

加茂さくらさんと高汐巴さんの組み合わせは、どんな関係?と思っていましたが、2019年の「入江薫 生誕100年記念 サロンコンサート」で、「花のオランダ坂」を加茂さんと高汐さんがデュエットされました。
再び「花のオランダ坂」で二人でデュエットを、ということでコンサートの開催に繋がったそうです。

菊田一夫氏の名作の再演を希望

「花のオランダ坂」は、昨年逝去された真帆しぶきさんと加茂さくらさんコンビの名作です。

そして月城かなとさん主演で話題の「ダル・レークの恋」と同じ、菊田一夫氏の作品
オペラ『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」に相当するのが、「私は桃の花が好き」です。『蝶々夫人』とストーリーは違いますが、趣は似ています。
コンサートのラストに歌われましたが、迫力があって感動的なデュエットでした。

宝塚の伝統的な作品が似合う月城さんには、「花のオランダ坂」もピッタリだと思います。
歌える娘役さんとの「私は桃の花が好き」を、宝塚でも聞いてみたいなと思いました。
「ジャワの踊り子」も良いですね。菊田先生の脚本は年月が経っても色あせないので、オーソドックスな男役がキラリと光る月城さんで、いろいろと観てみたいなと思いました。

峰さを理さんとの思い出

ペイさんのトークの中に、1月30日に逝去された峰さを理さんのお話がありました。
突然のことで、まだ実感が無いそうです。

ペイさんが下級生の頃は、関西テレビで毎週「宝塚の番組」があって、入団1年目の選抜メンバーが「バンビーズ」として舞台を離れてテレビ出演していました。
それを終えて研2の4月から峰さを理さん、寿ひずるさんと共に、3人が同期生トリオとして星組に配属になりました。
9月の『この恋は雲の涯まで』の新人公演では、この3人が主役。
3人で銀橋に出るシーンがあったそうです。

何も出来ないのに売り出されて、自称「三ばかトリオ」と呼んでいたと、懐かしそうに話されていました。
その思い出を語られた後に「心の翼」を歌われました。

「心の翼」について
高汐さん主演の『テンダー・グリーン』の主題歌で、高汐さんも大浦みずきさんもサヨナラショーでこの歌を歌われました。
阪神大震災のチャリティーイベントでも、大浦さんが歌って、被災者を励ましてくださいました。
2009年11月14日に大浦さんが肺がんでご逝去された時、元花組生たちが「心の翼」を歌って送られたそうです。

歌詞の中に帰らぬ人への思いがこめられたような部分があります。
峰さを理さんへの思いも重なって、この曲を聞きながら心がジーンとなりました。

「命が限りあることを教えられ、一瞬一瞬を大事にしたい」と、ペイさんは話されていました。

「一生の好敵手」記事

27日の朝日新聞の関西版夕刊には、峰さを理さんの追悼特集が掲載されていました。
高汐さんと、寿ひずるさん、湖月わたるさん、霧矢大夢さんが思い出を語られています。
高汐さんの記事のタイトルは、『一生の好敵手、懐深かった』でした。

お二人がトップスターに就任したお披露目公演は、1983年の秋で、ほぼ同じ頃でした。高汐さんは宝塚大劇場で、峰さんは東京宝塚劇場で。
宝塚をご卒業されたのは、峰さんが1987年11月29日、高汐さんが1987年12月30日と、またほぼ同じ時期でした。

峰さんは、研2の新人公演主演をはじめとして、鳳蘭さんの下で新人公演の主演を数多く重ねられ、はやくからトップスター候補でしたが、高汐さんは雪組に組替後、トップスターの汀夏子さんがタイプが違うスターさんだったので、なかなか新人公演の主演が巡ってきませんでした。
峰さんと、高汐さんは、トップスターまでの道のりが、だいぶ違っていました。

しかし、トップスターになってからは「良き同期」であり、良き「好敵手(ライバル)」のように思えました。
高汐さんがトップスターを目指されたのも、峰さんの影響があるのかもしれません。

お亡くなりになるまで、峰さんの存在はペイさんにとって「好敵手」だったのですね。

宝塚でのライバルの存在は、とても大切だと最近思っています。
「良き仲間」であると同時に「良きライバル」の存在が、スターとしての成長や輝きの助けになっているように感じます。

現役生徒のライバル関係

宝塚には、5組あって、5人いるトップスター同士も、「好敵手」と言えばそうです。
以前は、同じ作品を組を変えて競演することもありましたが、最近は無いですね。

最近は、トップスター 一人ひとりの「売り」や「魅力」が全く違ってきています。
その違いがある幅広さが、現在の宝塚の大きな魅力の一つだとも思います。

スターの多い「89期」と「95期」
同期のスターが多いからこそ、自分も頑張ろう、と余計に前向きになれたり、お互いにアドバイスしあったり、自己プロデュース力が長けたり…、
刺激が多い中で、より研鑽しあっていけるように思えます。
そしてそういう同期を誇り思っているところも、宝塚の同期の素晴らしさです。
「同期愛」の上に「ライバル心」があるところが、よりスターとしての「売り」が明確になって、人気を集めやすいような。

「95期」に続くのは、「100期」でしょうか?

各組の「好敵手」について

星組 愛月ひかるさん×瀬央ゆりあさん
新公主演4回という路線コースを歩みながらも、少し停滞期を通って、再び躍進中の愛ちゃん。
最後の新人公演の初主演から大器晩成コースを驀進中であり95期人気を備え持つせおっち。

2期違いの全く持ち味の違う二人の今後の活躍が楽しみです。

月組 暁千星さん×風間柚乃さん
「ダル・レークの恋」の2番手ペペル役を東京と大阪で競演します。既に暁千星さんの出番は終わりました。
早期抜擢コースだった華とスタイルとダンス力が売りの暁千星さんと芝居力が売りの風間柚乃さん。
ふたりとも歌唱力は抜群で、「売り」ポイントが真逆なところが面白いです。
ありちゃんは一時壁にぶつかった時もあるようですが、苦手な部分では無く、得意な部分で攻めていくことに転換して一皮むけたように思います。
おだちんのペペルも楽しみにしています。ありちゃんのペペルと全く違うものになるでしょうね。

宝塚の中では、同期間でも、組内でも、「良きライバル関係」は、この他にも沢山あるのでしょうね。
『LOCK ON!-スター徹底検証「礼真琴」』でも、朝美絢さんのメッセージが同期愛にあふれていて感動しました。

宝塚の良きライバル関係は、これからもますます素晴らしい結果に繋がり、楽しませてくださるだろうと期待しています。

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