ポーの一族観劇 外部と宝塚
こんにちは、くららです。
12日の午後5時30分の「ポーの一族」を観劇してきました。
この日だけ「午後5時30分」の開演でしたが、それ以降「午後5時」公演に変更になります。ご注意を。
宝塚と同じ、休憩を含めて3時間の公演でした。

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小池先生の作品なので、あらすじも台詞も歌もほとんど3年前の宝塚のものと変わりませんでした。但し空中を漂うゴンドラはありません。それとマーゴットは一人っ子になっていました。変更点はそれぐらいかな?もちろんフィナーレはありません。

「生オケ」演奏でした。時にラッパが耳障りでしたが、やはり生オケは良いですね。

暁千星くんの言う通りの舞台

昨日のスカステの「タカラヅカニュース」の「ときめきモーメントスペシャルトーク」のおまけで、月城かなとさん、暁千星さん、夢奈瑠音さんが、ときめきポイントを語るシーンがありました。

暁:「花組のポーの一族。ポーの一族の全体が好きなんですよ。宝塚でしか出来ない明日海さんにしか出来ない役だなあと思うんですけど、最後の現代に戻って」
そこで月城さんが大きく首をたてにふって拍手。
暁:「エドガーとアランが二人で目を見合って、アソコ、本当に胸がときめきます」
月城:「いつのまにそんなに見つめ合ってわかるような仲になったの」
暁:「そう、そう、それ」
月城:「もうね。しゃべらなくてもわかるの。」
暁:「二人にしか無い世界が、そこにあるっていうのが、たまらない」
月城:「アランがエドガーに頼った目をしているの」

ふたりの会話を聞いてから、実際に舞台を観たのですが、ありちゃんの言う通りでした。

宝塚でしかできない「ポーの一族」

3年前の花組の「ポーの一族」は、宝塚でしかできないものだったな、と改めて思いました。
しかし「梅田芸術劇場」の主催の外部公演も、豪華すぎる重厚な「極上の美」の舞台で、男女の共演だからこそのリアルさ迫力が加わり、宝塚とは別物の素晴らしさでした。

しかし、宝塚の「夢夢しさ」「儚さ」「耽美」は、宝塚ならではの虚構の世界でこそのもので、外部の舞台では表現できないことを実感しました。
私が以前に「ポーの一族」を明日海さん主演でやるという噂を聞いて書いたことと、同じ感想を持ちました。

「ポーの一族」配役

・エドガー…………明日海 りお
OG
・シーラ ………夢咲ねね 仙名彩世
・メリーベル……綺咲愛里 華優希
・レイチェル……純矢ちとせ 花野じゅりあ
・老ハンナ/ブラヴァツキー……涼風真世 高翔みず希/芽吹幸奈

・アラン …………千葉雄大 柚香光
・フランク・ポーツネル男爵……小西 遼生 瀬戸かずや
・ジャン・クリフォード……中村橋之助 鳳月杏
・大老ポー/オルコット大佐……福井 晶一 一樹千尋/羽立光来

・ジェイン……能條愛未(元乃木坂46) 桜咲彩花

シーラ夢咲ねねさんメリーベル綺咲愛里さんと、宝塚の元トップ娘役が演じて、二人だけ宝塚っぽい華やかな色合いのドレスで、他の方のドレスは抑えた色合いでした。
夢咲ねねさんは、衣装替えも多くとても華やかで美しく、メリーベルの綺咲愛里ちゃんは、可憐な儚さがピッタリで、フリフリの衣装が良く似合い、「メリーベルは華優希ちゃんしかできない」という説を軽く飛び越えていました。
この二人の「宝塚らしさ」が、男女のリアルな舞台に「宝塚」の味わいを添えていたように感じました。

明日海さんにしか出来ないエドガー

明日海さんにしか出来ないエドガーこれもその通りだと思いました。
エドガーは3年前のエドガーと全く同じエドガーでした。
いや宝塚の濃い舞台化粧から薄化粧になって、より透明感のある少年らしさ、バンパネラになっての人外さが増したように感じました。
上を向いたキュンとした鼻と小さなお尻が、エドガーの少年らしさの特徴です。
そのらしさを表現するために、明日海さんはトコトン体型を絞られたのではないかと思います。
キュンとした鼻は、ガリガリに痩せないと表現できません。少年そのものの体型も。

明日海さんが宝塚を卒業されて1年2か月。メディアで披露されるお姿は、すっかり綺麗なお姉さんになっていらっしゃいますが、「ポーの一族」を演じるために、その背後にストイックな日々があったのではないかなと思いました。明日海さんの中では様々な「闘い」であり「挑戦」だったのでは?

そのストイックさをも楽しむのが明日海さんですが、「明日海エドガー」に出会えるのも、今回限り?とリアル男子の中での「完璧なエドガー」を観ながら感じました。
そういう完成度に満ちていました。声も歌も仕草も、リアル男子の中でも、全く違和感がありません。

明日海さんの外部の舞台での第二章は「女優」だと思うので、そのためエドガーとは決別してしまいそうな気がするのです。

素晴らしい外部の舞台でしたが、「明日海エドガー」がいなかったら、舞台は成立していなかったと思います。
宝塚での再演も希望される声を聴きますが、私は「明日海エドガー」の印象が残っている間は、誰も演じることはできないように思っています。
ここまで「明日海さんにしか出来ない当たり役」であることが、宝塚でも外部でも証明されてしまうと、次に続くのが難しくなってしまいますね。

以前のブログで、明日海エドガーが完璧すぎて、他のエドガーが考えられない、という成功しすぎの失敗に陥ったように思うと私は書いていましたが、さらに外部の公演で更にその証明がされたように思っています。

この貴重な公演、1回も欠けることなく、東京を経て、名古屋の千秋楽まで無事に駆け抜けられることを願わずにはいられません。

重厚な脇役とコーラス

涼風真世さんの老ハンナとブラヴァツキーが絶品

涼風真世さんの役づくりと空気を制する圧倒的な存在感と歌唱力は、脇役を越えています。
宝塚の高翔みず希さん演じる「老ハンナ」は、エドガーへの愛情が感じられましたが、涼風「老ハンナ」は、バンパネラの使命に燃えた冷酷さが感じられる、老女を低い声で演じられていました。

ブラヴァツキーの登場シーンでは、口を巧みにゆがめながら歌われていて、怪しい胡散臭さ、薄気味の悪さに迫力がありました。降霊術のところでは高い声で、声も自在に変えられる特技をお持ちです。
私の年代では、「美しいオスカル=涼風真世さん」というイメージで、とてもお綺麗な方なのに、役に徹して演じられる「役者魂」には、毎回感動します。

福井晶一さんの「大老ポー」と「オルコット大佐」の迫力と歌唱力も舞台に凄みを加えていました。
劇団四季を経て、その後『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役をはじめ、ミュージカル界で活躍されているので、歌唱力と迫力は素晴らしいです。

涼風真世さんと福井晶一さんに、2役ずつ重要な脇役をかためてもらうことで、舞台がとても重厚になっていたように思いました。
歌唱力に定評のある七瀬りりこさんはじめ、他にも多くのOGさんが出演されていて、男女のコーラスも重厚で素晴らしかったです。

エドガーの心象表現をするエドガーダンサーたち
宝塚版と違う所は、エドガーの心象を表現する「ダンサーたち」の踊りがあるところです。
「フェイスマスク」のようなものを付けて、お顔がはっきり見えず、キレッキレのダンスを踊っています。
ミステリアスな雰囲気があります。

宝塚の時は、エドガーの衣装の鬘、衣装で、沢山のエドガーが出てきて踊っているシーンがありましたが、今回のこのダンサーたちの方が印象的です。

ミュージカル経験の無い二人の男優さん

アラン役の千葉雄大くん

千葉雄大くんは、ドラマ『高嶺の花』で、新興流派『宇都宮龍彗会』を率いる宇都宮龍一役で、カリスマ性のあるセクシーでドSな役を演じていました。その時の印象が強かったので、「無垢な少年アラン役」と聞いた時は不思議でした。

今回ミュージカルに初挑戦だそうです。
ミュージカルに初挑戦の慣れていない初々しさとナチュラルさ、元来持っている小動物系の守ってあげたいキャラが、アランに適していたと思いますが、「すべてに完璧な明日海エドガー」と対峙する役としては、未完成すぎるような気がしました。
その未完成なリアルな男子がチャレンジしていく部分が、明日海エドガーに合うと小池先生が思われたのなら、「そういう面でピッタリ」なのかな?とも思います。
日々、進化していくことでしょう。。

カーテンコールで明日海さんから「アラン」と呼ばれて、雄大くんが初々しく出てきます。
ふたりのふわーんとした会話を明日海さんも楽しんでいるよう。

ジャン・クリフォード役の中村橋之助さん

橋之助さんと言うと、「宝塚ファン」として有名です。
今年のお正月のNHKの「新春け宝塚スぺシャル」での宝塚オタクトークも、楽しくて良く観察されているなと思いました。
ジャン・クリフォードの口づけシーンなどさまになっていて、宝塚から学ばれたのかな?と思いました。
しかし歌の方は、まだ慣れていらっしゃらないよう。こちらも回数を重ねるほど進化されていくことでしょう。

今回外部の「ポーの一族」を観て、宝塚版を外部版に上手に作り変えることのできる小池先生は天才だな、と思いました。舞台の装置は3階仕立てになっていて、宝塚とは違う目を見張るような舞台転換も見事でした。美術は松井るみさん。

私は勝手に、「ポーの一族」の上演は、今回かぎりでは無いかな?と思ってしまいましたが、大好評なので再演はあるのかもしれません。
こればかりは、明日海さんのお気持ち一つでしょう。

1月16日(土)17:00 公演と、1月23日(土)12:00公演のライブ配信が予定されていて、別冊舞台写真付きのDVDが発売される案内を会場でもらいました。

まずは、ライブ配信を見てみようかなと思っています。

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