星組新人公演を観てきました。新公担当は生駒怜子先生。
本公演そのままの上演は難しいので、それぞれ役のアプローチの仕方を変えて、本公演とは別の公演として、それぞれが生き生きと演じていて、良かったと思います。
本公演と違う笑いの落としどころが、とても受けていました。(みんな本公演をよく理解しているのだなと逆にびっくりしました。)
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ホン役(紅 ゆずる)天飛 華音くんについて
開演アナウンスの高いかわいい女性の声に少し驚きましたが、幕が上がると堂々とした男役で、パワー全開でした。
冒頭の紅孩児のカツラは似合っていませんでしたが、ホン役になっての金髪はお似合いで、カッコよかったです。
以前に比べて、体型がドンドン絞られてきていますが、本役の紅さんのスタイルの良さに比べると差は大きく、さらに学年を重ねるとスマートに絞られていって、よりカッコよくなるのでしょう。
「紅ゆずる」さんとは喜劇のセンスも違うので、コメディも違うねらいどころにしていて、違う役作りにしていたことが良かったです。
「俺様」を全面に打ち出したホン役で、荒くれていて迫力があって、押し出しが強い。流石星組のエリートだと感じました。
セリフが聞き取りやすくて、ラップバトルも本役さんよりセリフが良く理解できました。
歌唱力も抜群で、礼真琴君に通じる歌の表現力があると思います。芝居心もあって、今回相手役が同期ということで、より芝居力を発揮できたのでしょう。
最後のご挨拶も、感極まって涙を流しながらもしっかり話せていて、流石の大器だと感じました。
本当に難しい新人公演初主演だったと思いますが、同期で同郷の同じ音楽スクールの先月の雪組の「彩海せら」の新人公演の成功に匹敵する出来だったと思います。
コメディならではの出来事
小林寺の場で、後ろで老人風の動きで反復横跳びをしている天路そら君が面白くて、次第に笑いと拍手が大きくなって、皆そちらに注目するようになりました。
その前で華音くんと蒼舞咲歩くんが芝居をしていましたが、できなくなって、アドリブで、
「ちょっと待ってくれる?」
と言って止めたことがスゴイ!と思いました。
お芝居を続けるためには、あの時そうするしかありませんでした。
天路そら君は99期、新人公演の長の期。舞台上とは言え、3年先輩にとっさに言える機転と度胸もスゴイと思いました。
アイリーン(綺咲 愛里)舞空 瞳ちゃんについて
綺咲愛里ちゃんの魅力にあふれたアイリーンなので、瞳ちゃん色のアイリーンを上手に演じていました。
歌も上手で芝居力もあり、トップ娘役になっても安泰だと思いました。
ホンと対決するシーンでは、強さだけが出ていて、可憐さも漂わせていた綺咲愛里ちゃんとの差も感じました。
娘役の可憐さ、儚さ、などを表現するのは、これからの娘役を重ねていく上での課題かな、と思いました。
丸顔なので、綺咲愛里ちゃんに似合っていたものが、ピッタリ似合っていたわけではありませんが、主演になったら自分にピッタリ合うものが選択されていくと思うので、ひっとんらしい娘役像がつくっていけるようになるでしょう。
「星組に来たばかりですが、朝から夜までずっと役に向き合い、組のみなさんとお芝居を作れてよかった」とホッとした様子。と新聞記事にありました。
新人公演という大きな重責を無事に終えて、ホッとしていることでしょう。しばらくは、ゆっくりできるのかな?
プレお披露目公演のポスター撮影とか、次期トップ娘役に向けても忙しくなるでしょうが、礼真琴くんと一緒に頑張っていって欲しいと思います。
リー・ロンロン(礼 真琴)朱紫令真くんについて
2017年度の年度賞の「奨励賞」をもらい、100期生で研鑽を続けて研5の最終試験では組内1位になった「努力の人」。
あかっしー君は好演していましたが、コメディ要素の大きいリー・ロンロンという役なので、礼真琴くんのように、リーの気弱なヘタレな部分と、ドラゴンの強気な部分を、緩急分けてメリハリをつけることができたらもっと面白かったかも。人柄の良さが役にあらわれていました。
ニコラス(瀬央 ゆりあ)極美 慎君(100期)
ご当地アイドル「パラダイスプリンス」のリーダーが、かっこよくないカツラながらも目立って生き生きとして、イケていました。
期待の100期でスタイル抜群のビジュアル派。新公で主演と思いきや3番手の瀬央ゆりあ君の役でしたが、存在感がとてもあって、新人公演の中では、キラキラとしたスター性がぬけていました。歌のシーンも上手では無いですが、雰囲気にのって良かったと思います。
本公演を観ても目を惹きますし、これから真ん中でがんばって欲しい人です。
クリスティーナ・チャン(舞空 瞳)水乃 ゆり(102期)
舞空 瞳ちゃんが演じるクリスティーナは、「スーパーアイドル」設定で、「雲の上の人」の雰囲気が漂っていましたが、ゆりちゃんにはそういう雰囲気がありませんでした。
瞳ちゃんは組替えしてきたので、星組にとって新鮮でそういうイメージが漂っていたのもあると思います。
スタイルが良くてお芝居は上手だったと思いますが、歌がなんとも残念。
ゆりちゃんがクリスティーナで、女性アイドルグループ「エクリプス」と一緒に歌うシーンは「騒音」というか「事故」でした。
本公演では、舞空瞳ちゃん、小桜 ほのかちゃん、桜庭 舞ちゃんと歌える娘役さんがいたところ、3人が抜け、星蘭ひとみちゃんが重要なパートを歌っていたのも原因かな。
新公の星蘭ひとみちゃんは素敵な髪形でとても華があって目を惹きますが、やはり歌唱力が残念すぎて、水乃 ゆりちゃんも。
「美しい」と「歌唱力」は、なかなか共存できないのですね。
歌唱力のある小桜ほのか(99期)ちゃんは、有沙 瞳ちゃんのタン・ヤン役でしたが、カツラがあまりに似合っていなくて、ビジュアルが今一歩でした。
彼女の歌声や芝居が好きなので、活躍して欲しいと願っていますが…。
本役の有沙 瞳ちゃんは、ビジュアルも歌唱力もあって、やはり貴重な娘役さんだな、と感じました。
星組では娘役が充実しているので、花組に組替えすると、「はいからさんが通る」の環役など、華やかな娘役が必要とされているので、ふさわしいかなと感じました。
その他の配役の感想
カメラマン(遥斗 勇帆)…稀惺かずとくん(105期)について
舞台上でカメラマンの撮影を仕事としているシーンがほとんどで、最後の全員集まるシーンでは、椅子に座っていました。
地味なニット帽をかぶっていて、セリフも無く、それほど目立つ役ではありませんが、気になってチラチラと観ていました。
端正な顔立ちで、いきいきと舞台にたっていました。
最後のシーン子ども役は105期生
中卒で出演できない大希颯くんとカメラマンの稀惺かずとくんを除いた本役の105期生がそのまま出演でした。
その子どもたちは、本公演と違って、一つ前のシーンにも全員少しだけ登場していました。
上に役を合わせていくのかと思ったら、子どもたちは105期生そのままで、最後のシーンは元気な子どもたちがいた方が舞台が盛り上がるからでしょうね。
星組生全員出演のシーンは、本公演と比べるとかなり人数が少ないですが、それなりに場が埋まっていました。
104期の碧音斗和(あおねとわ)くんは、男性アイドルグループ「パラダイスプリンス」の極美慎君のシン役で、やはりイケメンで素敵でした。
これからもますます活躍して欲しいと思います。
またまた長くなってしまったので、このあたりで終わりにします。
新公を観て、「星組」は、期待の新人さんが多くいて、これからの活躍を楽しみに見守っていきたいと思いました。
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