星組新人公演の感想を駆け足で書きましたが、その追加の感想を書きたいと思います。
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生駒怜子先生について
『GOD OF STARS-食聖-』の「見事なあてがき」の本公演のコメディを観る限り、果たして新人公演は成立するのだろうかと勝手に心配していましたが、「新人公演担当演出:生駒怜子」の手腕によって、私の心配は杞憂に終わりました。
本公演をなぞりながらも、それぞれの役作りを、新人公演の役者に合わせていたので、誰一人本公演の真似にならず、自分の個性を輝かせていきいきと演じていました。
生駒怜子先生について検索してみると、今まで下記の4作品の演出助手をされていました。
2017年 星組 「阿弖流為―ATERUI―」
2018年 宙組 「シトラスの風-Sunrise-」
2018年 宙組 「白鷺の城」
2019年 宙組 「群盗」
学生時代から演劇に携わっていらっしゃたようで、宝塚の在団年数は短いですが、経験はお持ちのようです。
女性演出家に多くの期待が寄せられ、今年は町田菜花先生が『PR×PRince』で演出家デビューされ、11月に指田珠子先生が、星組『龍の宮(たつのみや)物語』で演出家デビュー予定です。それらの先生に続いての生駒怜子先生の演出家デビューも楽しみです。
宝塚では小柳先生をはじめとする「女性演出家」の先生が男性演出家と並んで活躍されるようになってきました。
私の偏見かもしれませんが、女性演出家の作品の方が、女性の感性に合っていると感じています。
星組の娘役さんについて
星組には上級生の個性的な娘役さんが沢山いらっしゃって、役の比重も大きいです。新人公演を観てあらためてそのことを実感しました。
夢妃杏瑠さんが演じているキティの役を、二條華ちゃんがキューティーで爽やかなお色気で好演して、とても華やかでした。
役のインパクトとしては、「次期娘役としてのクリスティーナの役」を除いたら、娘役2番手のように新人公演では見えました。
音波みのりさんが演じているエレノア・チョウの役は、桜庭 舞ちゃんが好演し、芝居も上手だとあらためて思いました。
有沙瞳ちゃんが演じているタン・ヤンの役は、芝居が上手な小桜ほのかちゃんが好演していました。しかし本役で有沙瞳ちゃんが演じるからこそ、娘役2番手として存在感をとても感じましたが、新人公演を通してみると、キティの方がインパクトがありました。
前回も書きましたが、本役有沙瞳ちゃんが星組で「宝の持ち腐れ」になっていることをとても感じます。
上級生の娘役を重用して、有沙瞳ちゃんに主要な活躍の場が無いのであれば、花組で華やかに活躍して欲しいと思います。
桜庭舞ちゃんは、雪組で歌える踊れる娘役として、バウホールでの公演などで活躍するホープでした。組替え後、やっと今年5月の全国ツアーで活躍しましたが、これからも活躍して欲しい実力者です。
小桜ほのかちゃんも、歌えて芝居のできる実力者です。新公の主演経験があるので、桜庭舞ちゃんより格上になります。
実力を重視するなら、この二人にもっと活躍して欲しいと思いますし、有沙瞳ちゃんに対しては、もっともっと重用しなければ、本当に勿体ないと思っています。
有沙瞳ちゃんで「はいからさんが通る」の環を見たいです。城妃美伶ちゃんに匹敵する華があって実力があって経験のある娘役さんは、有沙瞳ちゃんを除いてはなかなかいません。
102期の首席、次席、3番が星組に在籍
102期の首席、次席の舞空瞳ちゃんと天飛華音くんは、トップコンビの役をとても上手に演じて、高い評価をえました。
入団時の成績が3番の咲城けいくんは、湊璃飛くんの道場十三郎くんの役で、本公演とはセリフも違って、笑いがヒットしていましたが、出番が非常に短かったです。(入団後の試験で星組内での成績は下がったようです)
「鎌足」では、不比等を演じて、とても好評だったのに、今回の新人公演では同期の二人が大活躍の中、残念な思いをしたのでは無いかと思います。
102期ではドラゴンボートの歌手で、迫力ある美声を聴かせてくれた都優奈ちゃん、麻央侑希くん演じるマオ役を演じた奏碧タケルくんは、本公演のショーでも目立っています。
水乃ゆりちゃんは抜擢され続けていますが、歌がとても残念。現在トップ娘役の綺咲愛里ちゃんも、新人公演時代の歌はとても残念だったので、上達を期待されているのでしょうか?チャンスが与えられているうちに、頑張って欲しいと思います。
103期の次席の瑠璃花夏ちゃんは、歌もダンスも上手で、全国ツアーから抜擢されているので、多分これから新公の主演娘役がまわってくるのでしょう。
クリスティーナの水乃ゆりちゃんと一緒にアイドル4名が歌う中の一人に瑠璃花夏ちゃんは入っていましたが、歌が全般ににひどかったです。
東京公演までには上達するといいですね。
星蘭ひとみちゃんも、華やかで美しくて可愛いだけに、少しでも歌が上達できたら、鬼に金棒だと思いますが、難しいのかな。
本公演の芸達者ぶり
本公演にはまっている私には、新人公演は全く違うものに見えました。
星組の新人さんたちの情熱は熱かったですが、上級生の「芸の厚み」と比べるとが全然違っていて、「フルコース」と言えるのは、本公演のみだと思います。
新公の客席で上級生が見守っていましたが、紅ゆずるさんはじめ、上級生が大受けして笑っていたのは、舞台の上の新人さんたちにはとても励みになったでしょう。
こういう態勢が星組のあたたかさ、絆だと感じました。
小林寺のシーンの後ろで、天路そら君の演技が大うけして、舞台が一時止まってしまうハプニングがありましたが、本公演では、あの程度の演技は至るところで演じられていると思います。
真ん中でセリフを言っている人たちが、それ以上に観客を惹きつけているので、脇の演技に客席の注目が集まらないだけだと思います。
「フリーダムにランダムに」、星組生の個性は強力で熱いのです。
花組で舞台上でハシにいても目立っていた舞空瞳ちゃんが、星組ではそれほど目立たないのも、星組の熱さだと以前から感じていました。
芸達者な99期生
老人のよぼよぼ演技が舞台を止めてしまう程だった天路そら君をはじめ、新人公演の長の99期生は、個性的でかつ実力派です。
老虎(美稀 千種) …天路 そら
タン・ヤン (有沙 瞳) …小桜 ほのか
牛魔王(汝鳥 伶) …遥斗 勇帆
鉄扇公主(万里 柚美) …七星 美妃
ヴィミー(白妙 なつ) …桜里 まお
ミッキー・チョウ(天寿 光希)…蒼舞 咲歩
小林寺管長(大輝 真琴)レオ(輝咲 玲央)…隼 玲央
この99期生が脇でしめ支えたからこそ、コメディが楽しく仕上がったのだと思います。
明日は、星組の本公演レストランに行きます。
新公後の公演は、また新鮮になっているので、楽しみです♪
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