月組をあたたかく見守っていきたい

美弥るりかさんの退団が発表され、鳳月杏が月組に組替えしてくるのが決定しています。

「月組で一番人気の美弥るりかさんが退団して、この先月組大丈夫?」と一番危惧感を持たれている組ではないでしょうか?

 

月組の現在

退団は体制の中で覆せない

今回の美弥るりかの退団は、2番手切りというものでは無く、はじめから決まっていたものだと思います。珠城りょう君のトップ就任前に美弥ちゃんにトップのバトンが渡っていたなら、当然美弥ちゃんがトップをつとめていたでしょう。しかしその時点でその選択肢がとられなかったので、「覆水盆に返らず」なのです。

2016年龍真咲の退団後、「珠城・美弥・愛希れいか」の新体制の月組が編成されました。『グランドホテル』『All for One~ダルタニアンと太陽王~』『BADDY(バッディ)』『雨に唄えば』『エリザベート』などと、他の組に比べると作品力の高い良作があてられ、月組の人気はあがりました。(大劇場ではそれまでは月組のチケット難にはあまり遭遇することがなかったのですが、珠城トップになってから、思い立って観劇が出来なくなりました)

しかし、トップのりょう君ではなく、2番手の美弥ちゃんとトップ娘役のちゃび(愛希れいか)に人気が集中してしまったことが、大きな誤算で組内の歪みとなり、今回の退団発表に釈然としない思いを残すことになっています。

龍真咲さん退団後の月組の新体制はいろいろと議論された結果でしょう。美弥るりかが番手を上げるためのチャンスは、龍真咲がトップとして君臨している間にいくらでもあったと思うのですが、同期の凪七 瑠海とライバル争いをすることなく、仲良くしているうちに突出した魅力や人気を打ち出せずにトップへの道は閉ざされていったと推測しています。(この辺りの推測は、「劇団が決めたことだから」に詳しく書いています。)

新生月組でトップ娘役としてまだまだ可能性があった愛希れいかをますます活躍させるために、学年が1年しか違わず月組御曹司として育てられていた珠城りょうに突然トップの白羽の矢があたったのだと思います。

自分がトップになるとは、想像さえしていなかった珠城りょうは、あるインタビューの中で謙遜に次のように語っていました。

トップ就任が決まった時

正直な気持ちで言いますと、素直に喜ぶことができず、すぐには首を縦に振ることができなかったですね。
経験が浅い、学年的なこと、色々なことがついてきていなくて、自分がトップとしてやれるのだろうかという不安
喜ばしい方向に捉えてくれる人の方が少ないのではないか
素直には受け入れられなかった…

急転直下の「珠城りょうトップ就任」に対して、多くのファンは「驚き」や「疑念」を抱いたりしていましたが、当の本人自身もそれ以上の驚きや戸惑いがあり、はじめは受け容れられないものだったのです。

しかし不安な思いを抱いてスタートしたトップ就任も、月組の仲間と共に作品をつくりあげていく中で、良い方向に変化したようです。

トップ羽を背負って迎えてくれる組のみんなとお客さんの笑顔が幸せで、前向きに謙虚にトップとしての立場を受け止め、良い作品を作っていくことに努めるようになった

とインタビューにこたえていました。

率直でまじめで、誠実で、嘘の無い実直な珠城りょう君。

トップである自分が前に出ることより、実力のある愛希れいかの舞台上での活躍、飛躍を尊重していました。そして愛希れいかは枠を超えた歴史に残る娘役として功績を残して外部に飛び立っていきました。

5年の学年差のある2番手の美弥るりかに対しても、絶えず美弥の存在を尊重して、トップとしての自分が出しゃばろうとすることはありませんでした。

今までの宝塚では学年的に例のない、「トップ、2番手、トップ娘役」という3者が同位置の布陣でしたが、人格者珠城りょうだからこそ、成立していた関係性なのだと思います。

美弥るりかの扱いが2番手としては良く、独特の魅力を確立し人気も上がっていただけに、美弥るりかの今後の活躍を誰もが期待していたため、「退団発表」は、ファンには衝撃でした。そして「2番手切り」という言葉と共に、珠城りょうにファンの怒りの矛先が向いてしまっている傾向があります。

珠城りょうがトップ就任時に浴びた批判の嵐以上に、今回の美弥るりかの退団によるりょう君に向けられる批判の嵐は強いかもしれません。

でも珠城りょうはそのような中であっても、「良い月組」を引っ張っていくために、自分のトップとしての役目を十分に果たしていってくれることでしょう。

新しい月組

鳳月杏の組替え復帰

『月雲の皇子 -衣通姫伝説より-』で珠城りょうと共に名演した花組の鳳月杏が、組替えしてもどってくる予定です。
学年差は2年ありますが、実年齢は近いのでしょうか。共に月組だった時は鳳月杏のお茶会に珠城りょうがお手伝いで参加するほどの親しい関係だったようです。

りょう君トップ就任時と比べて、月組の上級生もどっさり退団されていったので、トップとして下の学年をさらにまとめていくためには、鳳月杏君は良い同朋となってくれるのではないでしょうか。舞台上でも重要なメンバーとなることでしょう。

美弥るりか退団後に鳳月杏を迎えて、再び新しくなる月組は、珠城りょうを中心としてまた新しい魅力であふれる月組になることを楽しみにしています。

月組は「他組より若いトップの若い組」というのも売りのようなので、さらに次のスター構成もなかなか思いつかない驚くような構想があるのかもしれませんね。

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