夢組発足?OGオーラと今の宝塚に足りないもの「熱愛のカルナバル」
こんにちは、くららです。
ラテン音楽の名曲の数々を宝塚OGが歌うラテンコンサート「熱愛のカルナバル」の5公演のうちの2回を観劇しました。

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個性的な魅力にあふれているOGさんたちと熱いラテン音楽はとてもマッチしていて、1曲1曲に感激、感動し、心が震えた素晴らしいラテンコンサートでした。
花組の遠征のついでに観たコンサートでしたが、今はこちらの満足感に満たされています。
そして私の中にある「宝塚の原点」に戻った時に、今の宝塚に足りないものを感じました。

「宝塚歌劇団理事長の初夢は2025年万博「夢組」プラン! OGが世界に魅力発信(スポーツ報知)」という今日のニュースがありました。
OGさんのフル活用に期待します!
ラテンコンサートを通してトップスターという経験値を持って現在も活躍しているOGさんは、「一味違うOGだからこそのオーラ」があることをとても感じたからです。

宝塚とラテン音楽

現在上演中の花組『ダンスオリンピア』でも「エル・クンバンチェロ」を歌い踊るスパニッシュのシーンがあります。
熱く盛り上がっていますね。

「宝塚」と情熱的な心踊り血が騒ぐラテン音楽はとても相性が良く、ショーでもお芝居でも多くとりいられています。

今度の彩風咲奈ちゃん主演の雪組全国ツアー「炎のボレロ」も「キエレメ・ムーチョ」や「シェリト・リンド」などのラテン音楽がいろいろと取り入れられている柴田先生のスペインものです。

歌唱力の差はパフォーマンスに関係なし

私が観た出演者の方たちは下記です。

1/11(土)18時
汀夏子、峰さを理、寿ひずる、日向薫、杜けあき、姿月あさと、萬あきら、初風緑、美翔かずき、沢希理寿、輝城みつる

1/12(日)16時
汀夏子、安奈淳、峰さを理、高汐巴、寿ひずる、姿月あさと 矢代鴻、萬あきら、沢希理寿、鳳真由、輝城みつる

2回の公演とも、汀夏子さんが最上級生なので、開演アナウンスからおしゃべりでの進行、締めまで、主にされていました。
関西弁での、親しみやく、面白く、自然に客席を巻き込んでいくチャーミングな話術は最高でした!
現役当時のままの熱いパフォーマンスに対して、客席からは、「キャー」とか「ジュンコさーん!」とか黄色い歓声があがって、熱い会場がさらに熱くなっていました。

汀夏子さんと安奈淳さん
汀夏子さんと安奈淳さんは、3期の差があります。背格好が似いてるので現役時代は良く間違えられていたそうです。
しかしスターとしての持ち味は全く違っていました。
汀さんは「炎の妖精」というニックネームがついたほど男役としての熱さが売りの庶民的なスターさんでした。
安奈さんは「夢の世界のフェアリー」の代表のような貴公子的な気高さが売りでした。

「ベルサイユのばら」が大ヒットしたため、花組で上演されたものが、そのまま続いて雪組で上演されることになりました。
花組の安奈さん演じるドレスに身を包んだオスカルは、楚々として登場しますが、雪組のじゅんこオスカルは登場した途端こけることを植田先生に演出されたとか。
じゅんこさんが思い出として面白く語っていらっしゃいました。

歌についても安奈さんは宝塚屈指のシンガー、抜群の歌唱力でしたが、じゅんこさんは雰囲気で歌う派。
オーバーアクションで空気を制しながら自分流に歌を聞かせてくれていました。
多分今の時代だと「歌が下〇」という指摘が上がったりするのでしょうが、当時汀さんに対してそんな声は一切上がっていなかったと思います。
安奈さんの歌のうまさは賞賛されていました。

今回のラテン音楽のコンサートでも、汀さんは声を張り上げて熱唱され、音楽的な技術面では正解では無いでしょうが、オーラで聞かせてくれるのです。「はったり歌唱」と言ったら失礼かもしれませんが、じゅんこさんが熱唱されたら、技術面など通り越して酔いしれることができます。
『アマール・アマール』(ノバ・ボサ・ノバより)は、望海風斗さんのCDにも入っていた曲ですが、じゅんこさんも「じゅん子さん節」で歌ってくださって、なつかしくて心に響きました。途中で歌が止まるのは少し心配になる時もありましたが。

安奈淳さんはご病気をされて何度か生死をさまよわれたそうで、100周年の祭典の時はまだお体が心配になるご様子でしたが、今はすっかりお元気になられていて安心しました。昨年の「ベルサイユのばら45」の時よりさらに。年を重ねられるたびに笑顔が益々素敵になっていらっしゃるように感じます。
結婚、離婚も、人生の様々なところを乗り越えていらして、もともと素敵だった歌声にさらに艶が加わって、実に心にスっとしみこんでくる、味わい深い歌を聞かせてくださいました。

音楽的な技能に関係なく、私はどちらの方の歌も素敵だと思いました。

過去のスターほど個性が強くて魅力的

今回2回観て感じたことは、過去のトップスターさんほど、人間として面白い人が多くて、魅力的で、人をひきつけ魅了してくれるな、ということ。
100周年のOG出演の祭典でも感じたことです。

今回出演されたスターさんでは、安奈淳さん杜けあきさん姿月あさとさんが歴代の歌ウマさんで、日向薫さんはそうでは無い方に分けられるのでしょうが、エレガントな代表のような日向さんの情感のこもった歌も素敵でした。
杜けあきさん姿月あさとさんは本当にお上手でしたが、上級生に遠慮されたところもあるかもしれませんが、「魅了する魅惑的な歌唱」という面では上級生の方が長けていました。

58期3バカトリオ
私がファンである高汐巴さんも情のこめ方が特別お上手で聞かせてくれました。

高汐さんと同期で宝塚でも振付を担当され、礼真琴くんからリスペクトされている峰さを理さんも、魅せ方を心得ていらっしゃり魅了されます。
「深川マンボ」をラテンアレンジで美翔かずきさんと共に踊ってくれるシーンもありました。

同じく同期の寿ひずるさんは、トップスターの内定が出てから退団された異例の「トップスター一歩手前のスターさん」ですが、現役時代から歌唱力が抜群でした。1997年から再び芸能活動をされるようになってから、さらに歌唱力に磨きがかかっています。寿さんの身体を通しての豊かな声量と迫力に圧倒されました。
(58期3バカトリオのエピソードについては次回詳しく書きたいと思います)

矢代鴻さん
専科に属しながら、様々な組に特別出演して素晴らしい歌を披露してくださっていましたが、2007年12月、『A-“R”ex』オリンピアス(月組・ドラマシティ、東京特別)で退団されました。
現役時代と変わらない地声でセンスあふれる素晴らしい歌に酔いしれました。宝塚市の兜山の見える所に住んでいらっしゃるそうです。

萬あきらさん
2009年11月、宙組公演『カサブランカ』で退団されました。”ボンゴ”(楽器)を習っていらっしゃったようで、それを披露されながら声量豊かに歌われました。

ぴーちゃん(鳳真由)が客席から登場して歌ってくれました。2016年4月に退団され、現在は大学生として学業の方も頑張っていらっしゃるようです。

今の宝塚に足りないもの個性の強さ?

長年宝塚を観ていて、「だんだんとスターの個性が薄くなっている」ということは、今回に限らず感じていたことです。
個性が無いのと共に、「3拍子揃った穴の無いスター」を求めることで、スターとして小粒になってきているように感じます。

先ほども書きましたが、昔のスターさんほど個性的で独特のオーラが光っていて、魅せ方を心得ていらっしゃいます。技術の差は私は気になりません。
しかし今はトップスターに3拍子揃った技術を求める傾向が強くなっています。

劇団四季「キャッツ」を観劇して
遠征のついでに「キャッツ」も観劇しました。
入口や建物が「テーマパーク」のアトラクションのようで、演者の技術力も総じてレベルが高く驚きました。
このハイレベルのクオリティを保つために、前売り券発売時にキャストは未定で、公演中も毎週月曜日にキャストが発表されて、さらにその途中で変更もあるという、徹底した実力主義
技術力重視の舞台はエンターテインメントの一つとして、とても楽しめました。
しかしスター制度は無く、「誰が誰だかわからない」公演を楽しむというのは、長年宝塚ファンをやって「スターの存在」を意識している私には、全く別の世界でした。

どうしてスターが小粒になっているのだろうか?と考えると、縛られすぎている面に問題があるように思います。
情報化社会によって、「入」「出」の写真や様子がSNS上に流され、スカイステージの番組などで話をする機会も多く、昔に比べたら「私的な面」も多く万人の目にさらされるようになりました。
5組制度になって、東京公演も、別箱公演も必ずあるようになり、「休み」も昔に比べると少なく、日々も忙しくなったのではないかと思います。
長期の休みがあって、オンオフのある生活を送ってこそ、個性も育つように感じます。

高汐巴さんの話をは聞く限りでは、音楽学校の予科で厳しい掃除分担なども無かったようですし、自由人であるペイさんが厳しい音楽学校の予科を送っていたようには思えません。

新しい情報によると、音楽学校の掃除は業者が入るようになったとか。
そして新しい寮にはそれぞれの部屋にお風呂もついていて、厳しい大浴場の制度も無くなったとか。
(この二つは噂で聞いた情報でしかありません)

私は古いファンなので、古い感覚のまま宝塚を見ているので、いろいろとズレているかもしれませんが、高汐巴さんのような「枠にしばられないスター」が好きでした。
その延長で紅ゆずるさんも好きだったのだと思います。
これからも、そういう規格外のスターさんが生まれることも楽しみにしています。そんなことを感じた「熱愛のカルナバル」でした。

そして今日のニュースの、「宝塚歌劇団理事長の初夢は2025年万博「夢組」プラン! OGが世界に魅力発信」というのも楽しみです。

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