宙組公演の初日を観劇してきました。
「宙組の拍手はあっさり」という印象でしたが、待ちに待った芹香さんのトップスターということで、初日は割れんばかりの熱い拍手の連続でした。
特に芝居の冒頭、芹香さんが舞台の中央のせりから登場した時は、半端ない拍手が長く続いていました。芝居中にこんな大拍手は聞いたことがありませんでした。
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「PAGAD」感想
田淵先生は「芹香斗亜の大劇場お披露目作品を」と依頼があった時に、真っ先に「PAGAD」のダークヒーローが思い浮かんだそうです。
芹香さんの雄弁な目が、人を操る催眠術師のジョゼフにピッタリと思われたからだとか。
芹香さんのジョセフについて
目の前で母親が魔女として処刑されるという生い立ちをもち、復讐心と歪んだ愛に突っ走ってしまうジョセフ。後にカリオストロ伯爵と名乗ります。
男役を極め、緩急自在な芝居ができる芹香さんによって、深みのある面白い人物として演じられていました。
そして復讐心は、母親を思う心から生じていて、その思いは母親に似ているロレンツァ(春乃)への思いにも繋がっているのに、報われない愛が切なくて…
宝塚で演じられるからこそ、ただのダークヒーローでは無い。このあたりの愛の関係性が深まって面白くなりそうな気がしました。
ロレンツァとアントワネットの春乃さん
春乃さんはスタイルが良いので、この時代のドレスと鬘がとてもお似合いで、華やかでお綺麗でした。まだ春乃さんを見慣れていない未知の部分があって新鮮なので、こういう不思議な役があっているように思いました。そして何と言っても美しいヒロイン声が心地よいです。歌もやはりお上手でした。
マリー・アントワネットとうり二つの令嬢ロレンツァの二役を声色まで変えて丁寧に演じ分けられていました。催眠にかかった演技もうつろな目や声をゆるめたりなど変化をつけて演じられていました。ただ催眠にかかって寝顔が多いのは気の毒でしたが、寝顔も美しかったです。
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近衛隊長ジルベールの桜木さん
アントワネット付きの近衛隊長。正統的な白い二枚目で、ロレンツァ(春乃)を真っすぐ愛する正義の人。本来の宝塚なら主役はジルベールのような役ですが、ダークヒーローの芹香さんとの対比として好演されていました。
モンターニュ子爵の瑠風さん
ジョゼフの母を死に追いやった、復讐相手で悪に手を染めて生きているモンターニュ子爵。瑠風さんは初めての悪役だと思いますが、ドスがきいていて存在感がありました。堂々とした演技に肝が据わったように感じました。
天彩さん演じるのは、ルイ15世の公妾デュ・バリー夫人。アントワネットの失脚をたくらむ悪女を好演されていました。
歌とコーラスも良い
野心をもつ芹香・瑠風・天彩の三重唱が迫力があってとても良かったです。
この三重唱だけでなく、歌上手な方ばかりで更に楽曲も良いので、歌の面でも聞きごたえがありました。さらに重厚なコーラスも。
素晴らしい歌唱で、ストーリーにさらに惹きこまれる感じがしました。
ルイ15世が亡くなるや否や、デュ・バリー夫人は追い出されてしまいます。天彩さんがかなしく去って行くのは組替に繋がるイメージですが、ショーで天彩さんは大活躍なので、そんなことは気にならなくなります。
お芝居冒頭で、笑いをかっさらったのは真白悠希さん。英真さん演じるメスマーの患者のホルカ男爵。手足の震えが止まらない病で歩くのもおぼつかないほどでしたが、カリオストロ伯爵によって瞬時に癒されます。その演技が実に芸達者。本当に只者ではありません。
宝塚ファンの得意な、フランス革命前夜の有名な登場人物や逸話が織り交ぜながら話が進むのも楽しいです。
ラストはフランス革命から逃れた1789年のオーストリア・ウィーンのプラーター公園でした。
薄井香菜先生担当の衣裳が豪華で見応えがありました。舞台装置も豪華でせりも多くつかわれていました。
でも舞台全般が暗めなので、せっかくの豪華な衣装が映えていない感じがありました。
気にしていた結末は、原作映画の「BLACK MAGIC」とは少し違いました。少しだけ救いがある終わり方でした。
でもトップ娘役(春乃)と2番手(桜木)が結ばれるというのは、変わり無しでした。
「トップお披露目公演に何故この作品?」と思ってしまいましたが、作品がドンドン深まっていくと、そんなことは感じなくなるのかな?という思いもあります。
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「Sky Fantasy!」感想
ショーはエネルギッシュでパワフルで煌びやかで、今までの宙組のショーとは全然違っていました。あまりにも目まぐるしい展開なので目が10個ぐらい欲しい感じです。
中村一徳先生の演出です。なんと中村先生は宙組担当は15年ぶりだそうです。「芹香さんのお披露目に関わることができたら」という夢をもっていらしたら、実現したそうです。
中詰ラストで盛大な客席降りがありました!芹香さんが最初に降りて、22列前の通路あたりに走って行かれ、精力的にハイタッチもされていました。一番最後に銀橋に戻られていました。
ほとんどのスターさんたちも客席降りされていました。春乃、桜木、瑠風の3名は銀橋下。
今回は瑠風さんの出世を何となく感じました。メイン場面があったり、桜木さんと対等に歌ったり踊ったりするシーンが何か所もありました。
風色日向さんはせり上がり!
第8場Blue SKY
上手花道でスターが後ろ姿でせりあがり前に向いたら、風色日向さんでした!英語の歌。
下手から、花宮沙羅、有愛きい、愛未サラ、葉咲うららのかわい子ちゃんたちが英語の歌を歌いながらやって来て、銀橋の真ん中で合流だったかな?
亜音有星さんが休演中なので、風色さんが抜擢されています。
そしてフィナーレで正統的な黒燕尾もありました。宙組はひさしぶりですね。飾り燕尾は芹香、桜木、瑠風の3名でした。
デュエットダンスは、紫の衣裳が素敵でした。
曲は「世界は二人のために」、若い方はご存知ないでしょう。
昭和に流行った佐良直美さんの大ヒット曲です。
はじめに芹香さんが歌い、春乃さんも少し。
カゲソロは、葉咲うららさん。お上手でした。
退団者に餞別タップリ
退団者は優希しおんさんと花宮沙羅さん。
ダンサーのお二人がキレキレに踊るシーンが2回ありました。
はじめは短め。
2回目は長め。
二人だけの銀橋渡りも!
「トップさんが変わると、こんなに変わるんだ」と、とっても感じた新鮮なショーでした。
本日も観劇予定です。詳細は2回目観劇後に書きたいと思います。
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スチールの衣裳の色の違い
プロローグの衣裳の色です。これが階段降りにも反映していました。
赤…芹香、春乃
紫…桜木、瑠風、鷹翔、天彩
気になる階段降り
愛未サラ(エトワール)
↓
山吹ひばり(105期)・風色日向(102期)
↓
鷹翔千空(紫肩羽根、101期)・天彩峰里(100期)
↓
瑠風輝(紫肩羽根、97期)
↓
桜木みなと(紫大羽根、95期)
↓
春乃さくら(紫大羽根、102期)
↓
芹香斗亜(紫トップ羽根雉羽白ナイアガラ、93期)
エトワールの愛未さん、よく響く美しい声でしたが、途中声が揺れてしまって緊張されているのだなと思いました。これから良くなっていくでしょう。
並び
(下手のお名前自信なし)小春乃・優希(退)・花菱・副組長・鷹翔・天彩・桜木・芹香・春乃・瑠風・組長・風色・花宮(退)・若翔
Wトリオ
風翔、奈央
花咲、結沙、花恋、愛城
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カーテンコールのご挨拶
メモ書きしましたが、半分以上解読不明なのでニュアンスです。
カーテンコール1
「初日の~宙組の芹香斗亜でございます」とお辞儀をされてからしばらく拍手が鳴り止みませんでした。
芹香「私自身この日をどのような気持ちで迎えるのか考えていました。夢見ていた景色を見て、これまでずっと支えてくれた皆様への感謝の気持ちで一杯です。辛い時もこの劇場に来て温かい拍手に包まれると、もう少し頑張ってみよう、まだ出来ることはあると、前に進むことが出来ました。この景色を見せてくださった皆様、本当にありがとうございます。今日もこの温かい空間に勇気をいただきました」
芹香さんのやさしい笑顔の素直なお気持ち対して、また拍手が続きました。
カーテンコール2
芹香「夏に始まったお稽古がですが、必死に作品を作っている間に、すっかり秋になりました。今日の空はとても気持ちよくて、こんな日が毎日続けば良いなと思います。今日の青空を忘れず、心を貼れやかに千穐楽まで頑張っていきたいと思います」
カーテンコール3
客席はスタンディングしたので、幕が上がった時からずっとお手振りをされていました。
芹香「久しぶりに客席降りをして、遠くの皆様と近くでお顔を拝見できて、2階の皆様にはお会いできませんでしたが、ぜひ1階に降りて来ていただいてお会いしたいと思っています。本日は本当にありがとうございました」
カーテンコール4
芹香さんが「イェーイ」と掛け声をかけられたので、客席からも掛け声があがり「ありがとう」とこたえられていました。
プロローグの「キキダンス」の手のポーズのレクチャーが、桜木さんが見本になって行われました。
右手はピース。左手は1本指で、合体させて「キ」。ルンルンと陽気目に。
客席もそれに合わせてやっていました。
「一緒に踊りに来てくださいね」と芹香さん。
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天彩さんは月組トップ娘役に就任されるかも?
天彩さんは、思っていた以上に活躍されていました。
お芝居は、別格寄りのデュ・バリー夫人ですが、ソロ歌シーンが2回あったと思います。2回目は銀橋。
ショーでは大活躍です。
プロローグ…光の女A(一人だけ)1人での銀橋渡り。
第7場 虹のそら(アルコ・イリス)…アルコ・イリスA(桜木さんの相手役)歌
第15場 飛翔…飛翔の女A 歌
フィナーレの幕開きは、天彩さんがセンターで男役を引き連れていらっしゃいました。(フィナーレの淑女A)
演出の先生の違いもあるかもしれませんが、月組では天彩さんのようにトップ娘役以外で、一人で特別に活躍している娘役さんはいません。
餞別というより、組替後も同じように活躍していくという意味なのかな?と思いました。
どうなっていくのでしょう。
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