スターは辞めれない?トップも断れない?凰稀かなめさん
こんにちは、くららです。
雪組の東京公演は、5月11日(水)13時30分公演より、上演決定とのこと。よかったです。

宝塚大劇場の星組公演も、5月12日(木)から再開予定です。
108期生の初舞台でもあります。どうか星組公演も再開できますように。

元宝塚男役トップスター「凰稀かなめ」トーク

今日は凰稀かなめさんの興味深い記事がwebに上がっていたので、ご紹介したいと思います。


「宝塚100周年のトップスター」として活躍された後、2015年2月15日に退団されました。

退団後に在籍時の心境など語られて、「そうだったのか!?」と意外に思うことが多いですが、凰稀さんの場合もそうでした。

入団時から、ビジュアルが突出していて、(173センチの長身で、脚が異常に長くて小顔でスタイルが抜群で、更に目鼻立ちが整った美人さん)キラキラと輝いていて、注目されていました。
当時のスターの登竜門の「スカイフェアリーズ」もつとめられ、スカイステージの出演も多かったです。
私は当時から「絶対トップスターになるスターさん」と信じて疑っていませんでしたが、ご本人は違ったようです。

15年間在籍中「3度辞めようと思った」

7年前に退団される時も「強行退団?」と思える節もありましたが、実際に退団されるまでに、2回「退団しよう」と思った時があったとは、本当に意外でした。

1度目の退団決意

雪組に配属されて10年の頃、初めて「宝塚をやめたい」と思ったそうです。

「私には番手もなかったし、ソロで歌ったこともなかった。何をしても、ダメだと言われたし、10年続けてもそこまで言われるということは、たぶん向いてないんだろうなと思い、もう辞めることに決めたんです」引用AERA dot. (アエラドット)

研6で『霧のミラノ』の新人公演の初主演。
研7で『Young Bloods!!-魔夏の吹雪-』バウWS主演。
『堕天使の涙』新人公演2回目の主演。
研8で、AQUA5(水夏希、彩吹真央、音月桂、彩那音、凰稀かなめ)のメンバーとして活躍。
研9で、『凍てついた明日』バウ主演。

上記の経歴からもわかるように、新進路線スターとして順調に歩んでいらっしゃいました。

当時雪組には、2年先輩の音月桂さんがいらしたので、本公演での番手はつかず、活躍の場は少なかったですが、AQUA5として活躍されたり、別箱では主要な役がついていて、「トップスター候補」という認識で見ていましたが、ご本人は壁を感じておられたとは!おどろきでした。

辞めたいという意志を雪組のプロデューサー伝えたが、最初は突き返された。受理されたのは、3回目の申し出のときだった。「やっと辞められる」「もう辞めるんだ」と思ったが、そのタイミングで組替えの話が舞い込んでくる。09年4月のことだった。引用AERA dot. (アエラドット)

退団を申し出ても、すんなり受理されないのですね。
特に凰稀さんのような期待の路線スターだとそうなのでしょう。
一般の職場のように辞めることを申し出れば受理されるわけでは無く、毎年退団者の数が一定数を保っていることからも、プロデューサーの調整が入るのでしょう。

組替えの話が舞い込んできたのが、2009年4月、研10になった時とのこと。

星組から声がかかったんです。1期上の柚希礼音(ゆずき れおん)さんが星組のトップになるから、その2番手として呼ばれたのだと言われました。すごくうれしかったし、自分の殻を破るきっかけになると思いました。それで、辞めることを白紙にしました」引用AERA dot. (アエラドット)

凰稀さんの場合、2009年3~4月の雪組『風の錦絵』『ZORRO 仮面のメサイア』の宝塚大劇場公演に出演後、2009年6月26日初日の『太王四神記 Ver.II』宝塚大劇場柚希礼音・夢咲ねねトップお披露目公演に出演でした。

凰稀さんは『太王四神記 Ver.II』のお稽古中に左足小指骨折をされたため、初日前に休演と夢乃聖夏さんの代役が発表されて、残念だなと思っていましたが、驚異的な回復をされて初日より出演されました。
その陰には、凰稀さんの強い責任感や固い意思があったと思われます。多分無理して初日の舞台を踏まれたのだと思います。

凰稀さんは、星組の2番手として、柚希・夢咲コンビとのコンビネーションも良く、順調な滑り出しでした。
(雪組の音月桂さんより、2番手就任ははやい結果になりました。トップ就任は、音月さんの方が先でした)

2度目の辞めようと思った時

「星組に1年10カ月いて、これからというとき、今度は宙組の2番手として行かないかと言われました。その時は、『嫌だ、行きたくない』と言って、もめにもめました。『トップにならなくてもいいから、ここにいたい』『まだやらなくちゃいけないことがある』と主張しました」引用AERA dot. (アエラドット)

『リラの壁の囚人たち』東上初主演、『ロミオとジュリエット』(梅田芸術劇場・博多座)のティボルト、『愛と青春の旅だち』のフォーリー軍曹と、星組に溶け込んで油が乗ってイキイキと活躍されていました。

凰稀さんの思いは通らず、11年2月付けで、宙組に組替えされ、その翌年7月、宙組トップスターに就任されました。

宙組では、8学年も上の大空祐飛さんがトップをつとめられていて、上級生の悠未ひろさんや北翔海莉さんを押し退けて2番手となり、その後トップに就任というのは、やりにくかったと思います。
これも「100周年のトップ」に向けた配置だったのでしょう。星組に組替の時からこのことは想定されていたのでしょう。

でもご本人には、そこまでの細かい計画は知らされていなかったと思いますから、組替という大きな変化を短期間で2回も経験させられることは、本当に覚悟が必要なことだったと思います。

『トップにならなくてもいいから、ここにいたい』という思いは、宝塚の中では通用しないのですね。

「宝塚100周年トップ」という宿命を負ったトップ時代

雪組から星組への組替の時は、トップに就任する柚希さんが1年先輩であったため、音楽学校時代に予科本科の知り合いでもあり、アウェイ感は無かったでしょう。

しかし宙組は、それ以前も落下傘に近い形でトッスターが就任することが多く、アウェイ感を拭えなかったと思います。

1つ前の大空祐飛さんの場合、相手役の野々すみ花さんと共に宙組にトップコンビとして落下傘でした。

凰稀さんは、相手役は花組から実咲凜音さんがくることになっていたので、アウェイ感を拭うために、雪組時代の同期で親友の緒月遠麻さんの異動をご本人が希望されたのだと思います。
凰稀さんが雪組の頃に、お二人が一緒に大劇場公演を観劇されていたのに遭遇して、本当に仲が良いのだなと思った記憶があります。

凰稀さんの相手役は、トップ娘役の実咲凜音さんというより、同期の緒月さんという感じでしたが、こういう経緯をたどっていたので、仕方が無かったのでしょう。

2013年の雪組『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-に、アンドレ役に柚希礼音さん、オスカル役に凰稀かなめさんが特別出演されて、凰稀さんが柚希さんと一緒にいることで、とてもイキイキされていた記憶があります。
凰稀さんは、みんなを引っ張っていくリーダーというより、もしかすると引っ張られる方が性に合っていたのかもしれません。

凰稀さんは中卒で宝塚に入っているので、年齢が若いので、その頃は特にそうだったのかもしれません。(勝手な主観です)
なのに、無理やりトップスターのつとめを任されて、精一杯頑張っていらっしゃいましたが、大変だったことでしょう。

その頃、孤高のトップスターというイメージでした。

後で、オスカルでの特出の時の感想を次のように語られていました。
「あの時のDVDを見直して、涙が出てきました。私、かわいそうだなって(笑い)。あの時、自分の公演が終わってドラマ収録で3日徹夜して、そのままお稽古だった。
いっぱい、いっぱいで、出番の初日、バスティーユ(のアンドレが死ぬ場面)で私、舞台で初めて本気で泣いた。
でも、追い込まれて出せるエネルギーのすごさが分かった。今回も、あえて自分をその状況にしました」

100周年までは、トップスターが他の組に特別出演されることがよくありました。
さらに100周年前には、金曜ドラマ『TAKE FIVE』の第8話のゲストとして、柚希礼音さん、凰稀かなめさん、龍真咲さん、紅ゆずるさん、明日海りおさんが出演されました。
このドラマ収録が3日徹夜だったとは!

トップスターというだけでもハードスケジュールなのに、当時は「特別出演」やテレビドラマ出演があって、本当に過酷だったようです。

3度目の辞めようと思った時=退団

当時年を跨いでの退団は無いと言われていましたが、凰稀さんの退団は11月12月が宝塚大劇場、1月2月が東京宝塚劇場の『白夜の誓い -グスタフIII世、誇り高き王の戦い-』『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』でした。

「悔いはなかったですね。まだ早いと言われたりもしましたけど、宝塚歌劇100周年のトップも務めて終えることができました。いろいろな人に祝福され、惜しまれて辞めたいと思っていたので、いいタイミングだったと思います」引用AERA dot. (アエラドット)

多分劇団側は、100周年の終わりに凰稀さんの退団を考えていなかったのだと思いますが、最後は凰稀さんがご自分の意志を通されたのでしょう。
「宝塚100周年のトップ」として役目を十分に果たされたので。

今回このブログを書くにあたって、凰稀さんに関する様々な記事を読んでいたら在団中に「もめにもめました」というご本人の話がいくつかありました。

ご自分の意志をしっかり持っていらして、その思いを押し通すタイプの方なのだと思いました。
星組から宙組への組替される時も、ご自分の意志を曲げられたわけでは無いのでしょう。

星組の柚希礼音さんお披露目公演に2番手として出演される時も、足の指を骨折して休演情報が発表されていましたが、初日に出演されました。そのことも、凰稀さんの意志の強さと責任感を物語っているように思います。

私たちファンは、スターはみんなトップスターを目指していると思ってしまいますが、そうでないスターもいらっしゃるようです。

もし凰稀さんが、星組から宙組への組替を断っていたら、その時点で退団ということになったのでしょうか?

特に凰稀さんについては「宝塚100周年のトップ」という拘りが、劇団にあったように思います。

現在在団しているスターさんたちは、みなさん劇団の意向通りに従っていらっしゃるから、在団しているということなのかな?と思いました。

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