与えられた場で輝くスターたち 
こんにちは、くららです。
ハウステンボス歌劇団の大劇場での初日を観劇しました。

チームハピネスの歌劇伝「レインボードラゴン」、19名出演。
チームシャインの勇者伝説「情熱のエルマーノ」、15名+初舞台生8名。

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20人でも素晴らしい舞台

「20人で大劇場の大きな舞台を埋められるかな?」と勝手に心配していましたが、それは全く杞憂に終わりました。

出演者たちの新しい大劇場公演にかける熱い努力と情熱に、圧倒的な音響高度な照明技術がプラスされて、素晴らしい「LIVE歌劇」になっていました。

空間を埋めるために、背後でのダンスのシーンなどが増え、ダンスの技術もかなりアップしていたように思いました。多分出演者は出番が増えて忙しくなったのでは?

トップスターさんたちも、中堅スターさんたちも、新人さんたちも、それぞれが「大きな劇場に立てている」喜びを噛みしめながら、とっても輝きを放っていらっしゃいました。

「情熱のエルマーノ」は福岡公演の再演でしたが、「レインボードラゴン」大劇場公演のために創られた新作なので、広い空間を使う工夫された演出が随所にあって、大階段を斜めに多くの人が繋がったりとか、大きな劇場の空間が活かされていました。

「1000人収容の大劇場」という大きな場が与えられたら、それに負けないスター性を発揮されていて、日々芸を研鑽しているスターさんたちの底力を感じました。

小さなテント小屋から始まって、徐々に大きくなってきたハウステンボス歌劇団。10年間積み重ねてきた努力が、この大きな劇場で見事に花開いているように思いました。

小さなテント小屋や、ミューズホールができた当初は、会場内に飲食するための机がデーンと配置されていました。前を向いて舞台を楽しむ環境ではありませんでしたが、今や1000人の観客が全員前を向いて舞台を楽しめる環境。

創設当初から劇団を牽引してきた優雅さん(宝塚OG)が、こけら落とし公演で過去を振り返りながら感極まって涙されていましたが、その涙の意味がヒシヒシと伝わってきました。1000人劇場へのステップアップ、本当におめでとうございます。そしてさらに素晴らしい舞台になっていて、これからに期待が胸膨らみました。

固定の15段の大階段

15段の大階段は、宝塚のように可動式ではなく、舞台の上に固定されていました。
大階段の下方には一か所広い部分があって、横から出入りができるようにもなっていました。
その部分で、男役さんが娘役さんをリフトもされていました。固定の階段なので、それだけ安定しているのでしょう。

常時大階段があると邪魔なので、先ほどの階段の広い部分より上は、ホリゾント幕が降りていました。そこに映像など投影されていました。

ホリゾント幕が上がったら、大階段が出現するという仕組みでした。

そしてその大階段の天辺の中央にはセリがあって、トップスターさんは大階段の天辺にせりあがってきていました。
このあたり宝塚には無い仕組みで面白いなと思いました。

安全で頑丈な大階段の発想力、素晴らしいと思いました。少人数での舞台だからこそ、実現したものでしょうが、これからこの大階段がいろんな使い方をされて、大活躍していくと思いました。

照明の技術が素晴らしい

そして照明というか、様々な光の演出がとても巧みでした。
大きなミラーボールも、良い仕事をしていました。
劇場の天上全体を照らす演出も、様々なシーンで使われていました。

そして大道具は、一切ありません。
それでも場面転換を理解できたので、照明の力は大きいです。

勝手な感想

上演時間が約1時間なので、お芝居が約45分、フィナーレナンバーのショー部分が約15分という配分だと思います。(多分)
そのため、お芝居は深く見せるのではなく、チャキチャキと話が展開していきます。
新作の「レインボードラゴン」は、大劇場仕様に簡潔につくられているので、とてもわかりやすかったです。

再演の「情熱のエルマーノ」は、主要な人物が多く登場して、人間関係がからみあっていながら、分厚い内容が駆け足状態で展開していくので、1回目は難しかったです。何よりも二人の主人公の父親役敵の役を、泉美匠さんが外見もほとんど変えずに演じられていたのは、わかりにくさを増していました。出演者が少ないので、ひとりで何役も演じる必要があるでしょうが、視覚面での変化は必要だと思いました。

観客の数が5倍になるので、演目もよりわかりやすさを追求した方が良いと思いました。何か月も同じ作品が上演されるので、何度も通うファンの方には物足りなさがあるかもしれませんが。このあたり課題だなと思います。

衣装について

お芝居の衣装は力が入っていましたが、ショーの衣装は今一つ。
特にチームハピネスのロケットシーンの私服にひらひらをつけただけのような衣装は、カジュアル感を狙ったのかもしれませんが、魅せるショーには不向きだと思いました。チームシャインのショーの衣装は全般に良かったです。

大階段を使った最後の階段降りは、スターの格に合わせて、大きな豪華な羽根を背負われいて、まるまる宝塚そのものでしたが、豪華な雰囲気に包まれていて良かったと思いました。

多分予算の関係があって、急にいろんな衣装を充実させることは出来ないのだと思いますが、歌劇団の人気が高くなっていって、衣装にも沢山の予算が割り振られるようになると良いなと思っています。

ハウステンボス歌劇団と宝塚

宝塚と似たような雰囲気にすればするほど、ファンの方に喜ばれるような気がします。

以前も、ハウステンボス園内で「宝塚」という言葉をよく耳にしました。詳しくない方は「宝塚のようなもの」と理解している方が多いように思います。

ハウステンボス歌劇団というプライドを持ちながらも、宝塚の疑似体験ができるような舞台にすれば、一般の方に喜ばれるのではないかと思います。

宝塚にもハウステンボスにも、それぞれの良さがあります。光の演出などについては、今後宝塚の舞台が参考にしたら良いのにと思いました。同じような女性が男性を演じる歌劇団として、持ちつ持たれつの状態で良いのではと思います。
今でも宝塚のOGの方々が裏方でも活躍されているので、既にいろんな面が似ています。

入場はスムーズになっていた
こけら落とし公演では、なかなか入場できず、開演が20分遅れてしまいましたが、公演初日の改札は2か所で4人の方が担当されていたので、待つことなくスムーズでした。
1日で改善されていて良かったです。

劇場は豪華だが古かった
ハウステンボス歌劇大劇場は、パリのオペラ座のように豪華ですが、かなり古い建築物です。
女性トイレの8室のうち4室が和式トイレで、和式は希望する人は少ないので、使われないまま、洋式トイレの待ち行列が長くなっていました。

ハウステンボスの園内のトイレが充実しているので、1時間の演目なので、劇場内のトイレが不便でも困りません。
劇場の入り口のパネルなどは、デーンと素敵なものが用意されていましたが、他は既存の施設を手を加えずにそのまま活用されているようでした。大きな劇場を活用するものの、節約モードを様々に感じました。

場がスターをつくる

今回思わされたのは、努力を続けているスターは、場が与えられると、持てる以上の力を発揮して輝けるということ。それは宝塚でも同じだと思います。
ハウスボス歌劇団のスターたちは、大きな劇場での経験をさらに重ねるほど、スター性を磨いていかれると思います。

宝塚でも、スターさんたちに、主演や大きな役での活躍の場が与えられていったら、さらに輝いていかれるように感じました。
昔のようにバウホールなどを活用して、光る活躍の場がスター候補さんたちに与えられていったら良いなと思いました。

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