花組新人たちの3年半と「うたかたの恋」新人公演
こんにちは、くららです。
花組の東京の新人公演『うたかたの恋』を配信で見ました。
約3年半ぶりに東京で上演できた花組の新人公演でした。

スポンサーリンク



今から3年と4か月前の東京新人公演とその後

『A Fairy Tale—青い薔薇の精—』の東京の新人公演2019年10月31日に上演されました。この作品と今回『うたかたの恋』の作品を繋げながら、書いていきたいと思います。

都姫ここさん

明日海りおさんの退団公演『A Fairy Tale—青い薔薇の精—』の新人公演主演は聖乃あすかさん(100期)。ヒロインのシャーロット役は研2都姫ここさん(104期)でした。
大きな瞳の可愛いお顔立ちで可憐、美しい声で歌上手。「ニューヒロイン現れる」と期待されたものです。

しかしその後大きな抜擢はなく、今回の『うたかたの恋』で退団。
ステファニー(春妃うらら)役は、凛とした存在感があって、表情つくりがとても上手で、ステファニーのいろんな感情がきっちり伝わってきました。卓越した芝居心があると思いました。退団が本当に残念です。

星空美咲さんと美羽愛さん

『A Fairy Tale—青い薔薇の精—』本公演
シャーロットの幻[9歳]… 都姫ここ 新公→ 愛蘭みこ(104期)
シャーロットの幻[11歳]… 美羽愛 新公→ 星空美咲(105期)
星空美咲さん(105期)は、3年前の研1の時は美羽愛さんの役でした。

今回の新人公演では少しだけ出番とソロのあるミッツィ役(詩希すみれ)。
一人だけ本公演のクオリティで、パッと目を引く華があり、綺麗な声の抜群の歌唱力で聞かせてくれました。大人の女性の妖艶さがあふれていてやはり只者ではありません

星空さんは、2021年に『PRINCE OF ROSES』バウホール公演と『銀ちゃんの恋』東上公演の初ヒロインを経験して、その年の終わりの本公演『元禄バロックロック』では、既に娘役2の役を演じていらっしゃいました。1年間でこんな飛躍をした娘役さんを私は今まで見たことがありません。

2022年春の『冬霞の巴里』東上公演でもヒロインを演じて、新人公演のヒロインは、2022年『巡礼の年〜リスト・フェレンツ』で1回だけ。本役の星風さんに負けない出来でした。
もう新人公演のヒロインを演じる必要は無いと思います。

「コロナ禍」という非常事態の中で、別箱のヒロインで急遽育成された娘役さん。現在は研4ながら「強い娘役2」の位置です。

そして星空さんに続く形で抜擢されていったのが、美羽愛さん(104期)。『元禄バロックロック』(2021年)宝塚での新人公演のヒロインを演じた時は、歌をはじめとして今ひとつに感じましたが、バウワークショップ『殉情』(2022年)では、ヒロインを好演されていました。
今回は、ラリッシュ伯爵夫人(朝葉ことの)で、年増の役でしたが華あって可憐でコケティッシュで、お芝居が上手。ヒロイン属性の娘役さんだと思いました。バウ『舞姫』での活躍が楽しみです。

コロナ禍の中でもヒロインの経験値を重ねていった星空美咲さん美羽愛さんは、もういつトップ娘役に抜擢されても大丈夫な感じがします。コロナ禍で若手の二人に焦点を絞って上げていったのは良作だったと思います。でも都姫ここさんがあぶれてしまったのは残念。

侑輝大弥さん

3年前は期待の新人で、ニック(水美舞斗)を演じていました。キラキラとした美形で、長身の男役さん。注目していました。

その後『元禄バロックロック』の新人公演で2番手の水美舞斗さんのコウズケノスケ役。髭をつけたイケおじが素敵でした。
そして次『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』新人公演では主演リスト役。ギラギラとしたスター性が光るリストでした。
しかしこの2作品東京では上演されず、もはや幻状態

ラストの新人公演『うたかたの恋』では、フランツ・ヨーゼフ皇帝役(峰果とわ)。
もみあげと髭が似合う渋いイケおじ姿で、威厳のある皇帝を演じて、「長の期」として全体を締めていらっしゃいました。
役幅が広い。そして渋い役でもキラキラさが失われないのは、華やかなスター性があるからでしょう。

長の期の長として、侑輝さんが誠実なご挨拶をされていたことも好感がもてました。
2番手、主演を演じた一番輝かしい新人公演が、東京は中止になってしまって、ラストの新人公演は脇にまわって、みんなをまとめられました。
102期にとってはラストの新公だったのに、ご挨拶で「最後の新人公演」という言葉も口にされませんでした。それまで幾度となく味わってきた悔しさを、長の期の責任に代えて、頑張って来られたのだと思います。本当にお疲れさまでした。

路線スターとしてドーンと売り出せるチャンスだったのに、2回とも東京が中止になってしまって、配信がされることなく爪痕を残せず終わってしまった形です。

3年余りのコロナ禍で新人公演で一番痛手を受けたのが、男役では102期、101期、100期あたりだと思います。100期の一之瀬さんは「バウワークショップ」の主演で救済されましたが、第二弾の「バウワークショップ」は、時代がドンドン若手時代に進んでいる雰囲気なので、難しいかなと思います。本当に不運で気の毒な侑輝さんたち。

花組期待の大型新人希波らいと

研3で『花より男子』の「花の4人組 F4(Flower four)」に大抜擢され、その直後の公演が『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』。新人公演では、帆純まひろさんが演じたマシュー役でした。

その後、宝塚だけで上演された、希波らいと主演『元禄バロックロック』の新人公演では、歌が課題だなと思いました。

次の『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』宝塚だけの新人公演では、ダグー伯爵役(飛龍つかさ) 。歌のシーンに注目しましたが、美羽愛さんのラプリュナレド伯爵夫人(音くり寿)と共にソロはコーラスに変更になって、ふたりはソロを披露するシーンはほとんどありませんでした。かなり難しい歌だったので回避されたのかも?

『うたかたの恋』では、かなり歌唱力が上達されていました。時に音程が不安定になる時がありますが。
よく通る声で、押し出し強く雰囲気を出して歌われるので、苦手な部分もカバーできている印象を与えてくれます。
なんといっても、キラキラと真ん中が良く似合う、スター!そのスター性は年月と共に磨きがかかっています。

持ち味が「陽」で、公演プログラムでその反対の「葛藤を抱えるルドルフに挑戦したい」と書かれていましたが、そのあたりは今一歩だったと思いました。
本役の柚香さんの演技の巧みさを感じました。こういうキャラクターは侑輝大弥さんの方が合っていたかもしれません。

小顔でスラリとしていて手脚が長くて(特に脚が)、抜群にスタイルが良く、どの軍服もよく似合っていました。
特にラストの白軍服姿が凛々しくて美しかったです。
178cmの希波さんと162cmの七彩さんの身長差も、宝塚らしい華やかさと相まって美しい絵になっていました。

しかし希波さんが、花組の他の男役さんと比べて、ダントツに大きすぎて、他の男役さんたちが霞んで見えるシーンが何度もありました。
映像だから余計にそう感じるのかなと思いましたが、実際に観劇した友人も0番に立つと本当に目立って舞台に映えて、普段より大きく見えたと言っていました。

このまま希波さんが小柄な男役さんが多い花組で活躍されていくのか、それとも組替をされるのだろうか?と今回の舞台を通して、あらたな疑問がうまれました。

「うたかたの恋」役について

マリー(星風まどか)……七彩はづき(107期)
声に癖がなくきれいで、歌もセリフまわしもお上手。情感豊かに歌われていました。
いつも可愛く微笑んでいて、健気で素直で一途なマリーがピッタリでした。

ジャン(水美 舞斗)…… 天城れいん(104期)
端正で綺麗で爽やか。佇まい方が素敵。
滑舌が良く、落ち着いた説得力のある演技がよかったです。ストーリーテラーとしての役割も巧みにこなされていました。
「殉情」の千吉で弾けた演技がとても上手でした。芝居巧者。

フェルディナンド大公(永久輝せあ) …… 鏡星珠(106期)
前回の「巡礼の年」の新人公演では、2番手の水美さんのショパン役を難なくこなした、整った顔立ちの実力派。役を重ねる度に垢抜けている印象。今回の役はちょっと難しかったかもしれませんが、表情を工夫され苦悩も伝わってきました。

ブラットフィッシュ(聖乃あすか) …… 美空真瑠(105期)
滑舌が良く、セリフが明瞭で聞き取りやすく、歌もダンスも上手な実力派。
小柄さが役にピッタリはまっていて、月組の千海華蘭さんを彷彿。次はどんな役を演じられるか楽しみになるような存在。

フリードリヒ公爵(羽立光来)……海叶あさひ(103期)
格好良くて、落ち着いた演技がとても良かったです。

歌姫
シュラット夫人(糸月雪羽)…湖春ひめ花(106期)
楽しみにしていましたが期待を裏切らない上手さで、風格ある歌姫でした。難しいオペラだと思いますが、透明感ある歌声に、まだまだ聞いていたい気持ちになりました。メイクも大人っぽく工夫されていて良かったです。

マリンカ(咲乃深音)…詩希すみれ(103期)
歌は少し緊張されていたのかな?と感じましたが、色気があふれる美しさでした。

ミリー(星空美咲)…愛蘭みこ(104期)
とっても可憐で、雰囲気をつくるのがとっても上手。
同期の天城れいんさんとの信頼し合ったラブラブぶりも良かったです。

エリザベート(華雅りりか) ……朝葉ことの(103期)
貫録と落ち着きと気品のある演技が素晴らしかったです。

ツェヴェッカ伯爵夫人(鈴美梛なつ紀)……二葉ゆゆ(103期)
女役も綺麗で雰囲気があって、色気が香り立っていました。

ソフィー(美羽愛)……初音夢(105期)
可愛くてお芝居が上手だなといつも思います。

期待の107期の「雪のマイヤーリンク」

107期の音楽学校の文化祭の演劇A組で、主演とヒロインをつとめた希蘭るねさん(花組)白綺華さん(雪組)。美男美女のカップルでした。
それ以来気になる存在です。

希蘭るねさんは、モーリス大尉(美空真瑠)を演じていました。お顔の美しさが際立っていました。
そして「雪のマイヤーリンク」のデュエットの影ソロの男性パートも担当。
女性パートは、同期の静乃めぐみさん

このシーンは、107期ふたりの影ソロで、107期の七彩はづきさんと希波さんのシーンになりました。

希蘭るねさんの歌、なかなか良かったと思います。
168cmと少し小柄ですが、とっても綺麗な顔のキラキラとした男役さんなので、今後に注目しています。

花組の新人公演が上演出来て、配信もあって、花組の新人さんたちのことを多くの方が知ることが出来て本当に良かったです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
ランキングに参加しています。ポチッとバナーをクリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村
いつも応援してくださってありがとうございます。

twitter


スポンサーリンク