前の人が大きくて舞台が見えない問題 我慢しか無い?

「観劇時のヅカファンの共通の願い」について

こんにちは、くららです。
観劇する時に「前に大きな男性が座られませんように」と誰もが願っていらっしゃることだと思います。

万が一目の前に大きな男性が座られたら、「運が悪かった!」とあきらめるしかありません。
何とか見える所を一生懸命に観て、これだけ見えたから良かったと自分をなぐさめながら帰ります。
そのため「運が大きい」ので、チケットは1回ではなく数回分持っていた方が安心でもあります。

今は隣の方と気軽に会話できないので、そういうことはありませんが、以前は、突然私の前に大きな男性が座られたりすると、見ず知らずのお隣の方から「お気の毒に」と声をかけられたり、目配せして気の毒がられたり、残念感を共有し合ったりしていました。

ヅカ友さんからの悲しい報告

宝塚ファンの友だちから、観劇前にとっても楽しみにしているメールをいただいていました。
しかし実際に観劇すると、前の男性が超巨大過ぎて、思いっきり背筋を伸ばしてみても、少し左右に振ってみても、どうあがいても「0番が見えない」、「舞台の3分の1はout」という過去最悪の事態に遭遇してしまって、舞台が楽しめなかったという、悲しい報告をいただきました。

とっても楽しみにされていただけに、その落胆は本当に大きかっただろうなと、自分のことのように残念な思いをしました。

今日は「前に大きな方」が座ってしまった場合、あきらめるしかないのか?について書いてみたいと思います。

劇団四季で遭遇した神対応

私は先日劇団四季の「アナと雪の女王」を観た時に、係の方の神対応に遭遇しました。

私の座った前の席に、とっても大きな男性が座られました。

上記の写真の方のような感じです。
舞台の真ん中あたりが非常に見にくかったです。
特に1幕ラストは、エルサが舞台中央で自分を解き放つ『Let It Go~ありのままで~』を歌うのですが、エルサはあまり見えませんでした。
はじめは体を動かして見ようとしましたが、それでも見えにくいので、バックの荘厳なセットや映像に目を向けて「綺麗だなぁ」と眺めました。

「宝塚のようにスターを見に来ているのではないので、まあ良いか」と、宝塚の観劇時ほどのスターが見れない、肝心なところが見れないという残念感は抱きませんでした。

すると幕間に、係の方が私の前の大きな男性の所へ行って、何かお話をされていました。そのお話内容は聞こえませんでした。

そして2幕が開く直前に、ズルズルとその男性は足を前方にずらされて、座高をとっても低くされました。
一気に私の前の視界がぐっと開けました。

「もしかして、私のために客席係の方が、男性にお話しをしてくださった?」
ギョギョギョと恐縮してしまいました。

遮られる舞台
1幕の時とは全然違う舞台の見やすさに感激して見ました。

2幕の終わり頃には、前の男性の座高が段々と高く元に戻っていかれました。

体をずらすことがしんどかったのかな?と逆に申し訳なく思いました。

再び男性によって視界がさえぎられるようになっても、2幕の大部分が視界良好で良く見えたので、客席係とその男性への感謝の思いだけでした。

私は客席係の方と一言も喋っていませんし、そちらに視線を向けてもいません。
もちろん男性の方にも、何も言っていません。

客席係の方が、1幕の観劇している私の様子を横で見ていて、私が見えていないことを察して、男性へ声掛けをしてくださったのだと思います。あのくらい大きい男性が前にいると後ろの人は見え辛いという経験値もお持ちだったのでしょう。
私の席が横の通路に近い席だったので、係の方が状況が察しやすかったこともあるかもしれません。

他にも経験した劇団四季の案内係の方の機転

以前に「キャッツ」を観に行った時に、私の前に10代後半の息子さんとお母様が座っていらっしゃいました。
息子さんは情緒障害をお持ちのようで、観劇中に声を発したり、いろいろと動いたり、素直な反応をされていました。

すると幕間に客席係の方が
「前のお子さんは障害をお持ちなので、他の席にご案内しましょうか?」と声をかけて来られました。

「キャッツ」は、前を向いて見るだけのものでないし、素直な男の子の反応は子育ての頃を思い出して懐かしかったし、座席を移ったらそのお母様に対して申し訳ない気がして、そのままの席で2幕も楽しみました。

劇団四季の係の方からは、他にも「顧客ファースト」の姿勢を感じることがあります。
東京ディズニーリゾートのキャストに通じるような。

宝塚と劇団四季は違う

宝塚と劇団四季では、劇場の大きさと観客の人数が違うので、劇団四季の係の方のようなきめ細かい対応を、宝塚では求められないと思います。

宝塚では、観客の人数が多いので、客席係の方は統率するためにも、フレンドリーというよりやや威圧的です。

宝塚で徹底されているのは、「背もたれにしっかり背中をつけて、前のめりにならない」ことだけです。

男性のご高齢の方が、係の方にこのことを注意されて、声を出して大変お怒りになっている光景を見たことがあります。
観劇が初めての方は、このことの意味が理解できていないように思えました。
いきなり威圧的に注意を受けて、腹が立ったのでしょう。

前の方が身体に障害をお持ちで全く見えなかったことも
大分前になりますが、私の前の席の方が、お身体が不自由な方で、横向きに浅く腰かけて隣の方に体重をかけられていて、舞台が半分近く見えないことがありました。幕間を挟んでも、また同じ座席で同じ体勢。

係の方もお身体が不自由なことがわかっているので、何も注意をされなかったのだと思います。

その時は「運が悪かった」と思って観劇していました。
しかし劇団四季で「前の方は障害をお持ちなので、他の席にご案内しましょうか?」という案内を受けたことから、こういう場合は見えない席に我慢することなく、係の人にお願いして別の席に座らせてもらっても良かったのだな、と思っています。

観劇のルールは、「背もたれにしっかり背中をつけて、前のめりにならない」だけです。
座高が高くて、横幅が大きい方が座られて、舞台を十分に見ることが出来なくても、「運が悪かった」とあきらめることしかないのが、宝塚観劇での現状です。

関西にはヅケヅケ指摘する方もいる

隣の女性に対して
宝塚大劇場の前方席で、私の横で背の高い女性が観劇されていました。
するとその後ろに座っていた年配の女性が、その背の高い女性に対して、「見えづらい」と指摘して、その女性はできるだけ体を低くしていました。
それでも、まだ年配の女性は納得できず、もっともっと小さくなるように言って、その女性は更に身体をずらして、とても気にしながら観劇されていて、気の毒でした。

直接注意されたことも
私の後ろにとっても小柄な女性が座られていた時があります。
まだ幕が開く大分前なので、私は椅子に浅く座って、上着を脱いだり、カバンからオペラグラスを出して、カバンの中を整理したりしていました。

すると後ろの女性が
「そんなことをされると見えなくて困るんですけど」とスゴイ威圧間で、怒りながら話してきました。

まだ幕が開いていないので、深く座って背もたれに背中をくっつける必要が無いと思っていたので、怒られたことに驚きました。

150cmも無いとても小柄な方だったので、開幕前から前の方に注意をすることを習慣にされているのかもしれません。
いつも前の方の存在に苦労していて、あなたも絶対邪魔になる、というようなことを言われました。

開演前にあまりもの言い方だったので、「もう帰りたい」と思う程でした。
帰ろうかと迷いましたが、「勿体ない」と踏みとどまりました。
背もたれに背中をしっかりつけて、さらに座高を低くするように努力をしましたが、後ろから酷い威圧感を感じるので、見た気がしませんでした。

「後ろの邪魔にならないように、座高を低くして観劇しろ」と強制的に強いるのも、問題があるように思います。
腰が悪くて、その姿勢がとりづらい方もいるでしょう。
舞台はゆったりとした気持ちで楽しんで観るものです。

雪組の『CITY HUNTER』、星組の『柳生忍法帖』と男性の観客が増えそうな演目が続いていきます。

最近ヅカ友さんが経験されたような、前の方が大きすぎて舞台が楽しめない事態に遭遇する確率も高くなるかもしれません。

見も知らない前の座席の方に、ヅケヅケと座高を低くしろ、とは言えません。

「深く座って背もたれに背中をくっつけて、他の方の迷惑にならないように」は、アナウンスされていますが、それ以上のことは要求できないでしょう。

劇団四季の「アナと雪の女王」では、係の方が機転を聞かして、大きな男性に座高を低くするようにお話ししてくださいましたが、そんなきめ細かい配慮を、宝塚の会場係の方に求めるのも酷でしょう。

「運」としか言いようかありませんが、「前の人が大きくて舞台が見えない問題」に、何か良い改善策があると良いなと思っているこの頃です。

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