小川友次理事長が交代
こんにちは、くららです。
宝塚の公式ホームページを開くと、矢を射る珠城さんの凛々しく麗しい画像が飛び込んできます。
ご卒業が近づくにつれて、珠城さんは神がかり的な美のオーラを発していらっしゃいますね。

ご卒業というと、31日で小川友次氏が理事長を退任されて、4月1日から木場健之氏が理事長に就任されます。
「宝塚100周年」で大きな注目を浴びた宝塚を「101周年」から、時代の波に上手にのって舵をとられて「宝塚の隆盛」に繋げられました。

宝塚歌劇団 歴代理事長

植田紳爾氏 1996年4月1日~2004年3月31日
小林公一氏 2004年4月1日~2015年3月31日
小川友次氏 2015年4月1日~2021年3月31日
木場健之氏 2021年4月1日~

スポンサーリンク



小川友次理事長は現場の人だ。その証拠に劇場内ですれ違うタカラジェンヌはみな、小川氏を見つけると笑顔を浮かべて雑談が始まる。「現場で顔をみて、元気かなと確認しないとね」
(中略)
私は営業畑の人間ですから、どうしても営業に力を入れて売り上げを伸ばさなくてはという視点で考えてしまいますが、宝塚のような組織は結局、人が宝なのです。制作者の立場と営業と、車の両輪として見ていかなければいけないと痛感しました。引用日経電子版私のリーダー論

小川理事長の経営手腕は素晴らしいと思いますが、私は「人が宝」と、生徒を大切にされていることを嬉しく受け止めていました。
コロナ禍でも、「生徒の卒業」セレモニーを優先され、娘を嫁に出すかのように大切にされた心意気に感動しました。
世知辛い世の中にも「夢の園」は存在し続けているのだと思いました。

小川氏が理事長に就任されたのは2015年度からですが、宝塚に関わられるようになったのは、1998年に宝塚大劇場の総支配人に着任されてからのようです。

生徒が大切にされるようになった

小川理事長になって、私が感じていた変化あげてみました。

トップスターたちの「特別出演」が無くなった

トップスターは激務だと言われています。
そのトップスターの激務にさらに拍車をかけていたものが「特別出演」です。

宝塚100周年の初舞台生公演の月組『宝塚をどり』『TAKARAZUKA 花詩集100!!』には、4組のトップコンビが特別出演しました。
各組のトップコンビが特出されることで、とても盛り上がっていました。

それまでも「ベルサイユのばら」や「記念周年の公演」が上演されると他の組からのトップスターたちの特別出演がよくありました。
2013年の雪組の「ベルサイユのばら」には、「柚希礼音さん&凰稀かなめさん」がアンドレとオスカルで(4/23~30)、龍真咲さんがアンドレで特別出演でした。(5/24~26)。

ミーハーな私は「特別出演」があると、その日を選んで見に行っていました。
特別出演によって、チケットの売れ行きが良くなっていたのは確かです。
その分「特別出演」で無い日が売れていませんでした。

2015年度以降は「特別出演」が無くなり、それに頼らなくても、作品の魅力で集客できるようになったとも言えます。

激務のトップスターたちを「特別出演」によってさらに酷使しなくなったことは、良かったことだと思っています。

過酷なテレビドラマ出演もあった

2013年には、「TAKE FIVE」という窃盗団のテレビドラマに、「宝塚のTAKE FIVE」として、星組トップスター・柚希礼音さん、宙組トップスター・凰稀かなめさん、月組トップスター・龍真咲さん、星組・紅ゆずるさん、花組・明日海りおさんが「本人役!?」として出演されました。
忙しい宝塚のスケジュールの中で、長時間拘束されるドラマの撮影は、かなりハードだったようです。
凰稀かなめさんが、超ハードだったスケジュールについて、何かでお話をされていましたが、信じられないハードさでした。

「宝塚100周年」を盛り上げるために、2013年2014年はタカラジェンヌのメディアへの出演が多かったです。
それによって宝塚に詳しくない方が、興味をもつキッカケにもなったでしょうが、ハードスケジュールをこなすのは大変だったことでしょう。

過酷な役替わりが無くなった

今年も「ロミオとジュリエット」で9役の役替わりがありましたが、その交替は1週間は間をあけていました。
以前の「役替わり」は、過酷でした。

月組トップ龍真咲さんと準トップ明日海りおさんの役替わり

2012年の月組「ロミオとジュリエット」は、ロミオとティボルトが小刻みに役替わりしていました。同じ日に二役違うということも頻繁でした。
2013年の月組「ベルサイユのばら」は、オスカルとアンドレが役替わりでした。
オスカルとアンドレは、同じ出番が多いので、切り替えがとても難しかったと思います。同じ日に二役違うこともありました。
さらに、蘭寿とむさんと壮一帆さんが「アンドレ」として特別出演している時は、龍真咲さんが「オスカル」で、明日海さんは「ベルナール」。そこから一つずつ下級生も役が替わります。どんなに大変だったかと思います。

月組「飛鳥夕映え」の同期3人、瀬奈じゅんさん、貴城けいさん、大空祐飛さんの役替わりも大変だろうなと思いながら見ていました。

2014年以降の役替わりは、花組「ME AND MY GIRL」。花組博多座「あかねさす紫の花」で、明日海さん、鳳月さん、柚香さんの役替わりがありましたが、混乱をきたすような形では無かったと思います。

今でも、観客の目に見えない所で、代役としてのお稽古は重ねられているのでしょうが、昔の常識はずれに過酷な「役替わり」が無くなったことは良かったと思っています。

過酷な組替が無くなった

以前は「東京公演」からの、組替異動がよくありました。
ほぼ出来上がっている状態のところに、途中から組替して参加するのは、組替のプレッシャーに加えて、大急ぎで役を習得しなければならず、とても過酷だと思います。
早霧せいなさんの宙組から雪組への組替がまさにそうで、著書「夢のつかみ方、挑戦し続ける力」にその厳しかった時の心境を書かれていました。

現在の「組替」は、余裕をもって新しい組に合流する形がとられています。
ファンにとっては、長くそのスターの舞台姿を見ることができませんが、異動する方にとっては、気持ちの切り替えをして、稽古のはじめから参加できるので、精神的に楽だと思います。

トップ娘役の1作前異動

雪組元トップ娘役咲妃みゆさんは、2014年1月29日付で雪組へと組替え。愛加あゆさんの退団公演『一夢庵風流記 前田慶次』出演後、トップ娘役に就任。
花組元トップ娘役の花乃まりあさんは、2014年3月1日付で花組へと組替え。中日劇場の「ベルサイユのばら」出演後、蘭乃はなさん退団公演の「エリザベート」で初のエトワールと4度目の新人公演ヒロインを務めた後、トップ娘役に就任。
(このふたりの人事は、2015年度以前のものです。)

真彩希帆さん舞空瞳さん潤花さんも1作前の公演に出演後、トップ娘役に就任しています。
「トップ娘役」として新しい組に異動するだけでも大きなプレッシャーなので、馴染む期間と「トップ娘役」を学ぶ期間があることは、やさしい配慮だと思います。

2015年5月11日付で、星組トップスターに北翔海莉就任さんは、「落下傘」の形でトップに就任して、プレお披露目公演から星組に出演しています。
(この人事は、2014年12月9日に公表されていました。)

現トップの望海風斗さんは、2014年11月17日付で雪組へ組替えしています。(2014年7月15日公表)
現トップの真風涼帆さんは、2015年5月11日付で宙組へと組替えしています。(2014年12月9日、北翔さんの星組トップ就任と同時に公表)

小川理事長は2015年度就任なので、このあたりの人事に直接関わっていらしたのか、そうでないのかは、わかりません。

小川理事長によって新しくなったこと

公演のラインナップ発表を8か月前に早め、制作発表を積極的に

ファンとして嬉しかったのは、スケジュールの発表が早めになって、はやくから計画が立てやすくなったことです。
先行画像が公表されて、次にポスターが公表されて、配役が発表されて、と段階的にワクワクを楽しめました。

(現在はコロナ禍で、状況が特別なので、特にチケットの販売がギリギリなのは、仕方ないことです。)

制作発表も積極的に行われていた時期があり、メディアでも取り上げられて話題性がありました。

しかし宝塚は「舞台の上での姿」が完成形なので、制作発表の場で披露されるものが、必ずしも好印象で受け取れない場合もありました。
最近は協賛公演の制作発表会のみ行われていて、以前の形に戻っています。

海外ミュージカルが多く演じられるようになった。原作物も。

本公演だけでなく、別箱公演でも、海外ミュージカルが沢山演じられるようになりました。
さらにアニメやコミック、映画やテレビドラマ、ゲームソフトを原作にした、従来の「宝塚作品」とは趣向が違うものもどんどん取り入れて、新しい客層の開拓を目指されているように感じました。

海外ミュージカルや原作ものを「宝塚風」に仕上げて魅せる宝塚の力は素晴らしいと思います。

しかし「芝居のオリジナル作品」となると、「駄作」も避けて通れず、クオリティを高めることを目指されていますが、まだそれは途上です。

コロナ禍で経済的に厳しい局面を迎え、今後は版権料などの費用がかさむものは、避けられていくのかな?と思っています。

2014年に花組「エリザベート」、2016年に宙組「エリザベート」、2018年に月組「エリザベート」と演じてこられ、2021年最後の花組公演が「エリザベート」になるのでは?と予想されていますが、それはどうでしょう?

今度雪組で上演される『CITY HUNTER』のような「メディアミックス」の版権料は、漫画の需要も見込めるので安いのでしょうか?
朝美絢さん主演の『ほんものの魔法使』は、公演が上演されることで絶版になっていた小説が復刊されました。
星組では、山田風太郎氏原作の「柳生忍法帖」も上演されます。

版権料の安い原作物が沢山上演されるようになるのかな?とちょっと危惧しています。
新規のファン開拓のために、ふり幅を広げていくことは理解できますが、「宝塚らしさ」は死守してもらいたいです。

梅田芸術劇場の作品との垣根が低くなった

小川氏が梅田芸術劇場の役員も兼任されていることから、宙組の『TOP HAT』(2015年)をはじめとして、昨年の宙組『アナスタシア』など、梅田芸術劇場主催の公演と関連したものが宝塚でも上演されるようになりました。
さらに、紅ゆずるさんの卒業後の初コンサート『紅-ing!!』や明日海りおさんの卒業後初の舞台『ポーの一族』、望海風斗さん卒業後初のコンサートの「エリザベートガラコンサート」など、梅田芸術劇場の主催公演が、OGの卒業後の初仕事になる場合が多くなっています。

4月1日から小川氏が「タカラヅカ・ライブ・ネクスト」代表取締役社長に就任されることから、さらにOGとの結びつきが深まりそうです。

OGの公演に力を入れると、宝塚ファンがそのまま移行してしまう率も増えるように思うので、その辺りのさじ加減は難しいと思います。

そのためにも、新規ファンをドンドン増やしていくことと、常に宝塚で魅力的な作品を演じて、素敵なスターが揃っていることが大切でしょう。

人事に関して変わったこと

トップスターの就任時期が若返った

珠城りょうさん研9でトップスターに就任されました。宝塚史上「天海祐希」さんに次ぐ2番目の若い学年でした。
礼真琴さん柚香光さん研11で就任。真風涼帆さん研12で就任。とトップスターに就任学年が、歴代の中でとても若いです。

年長者が重用されるようになった

トップスターより年長の2番手が当たり前になりました。
トップスター候補としての「2番手」というより、トップスターを支える「2番手」という存在で、それまでの「2番手」と概念が変わりました。
トップスターは、「幹部部屋」(上級生から4人目まで)になるのが当たり前でしたが、トップスターが若いので、トップスターより上級生が沢山占めるようになりました。

95期の路線男役さんが「神7」と言われて7人みんなそれぞれ大活躍しています。
1つの期だけに突出してスターがいるのは、今までに無かったことです。

年長のトップ娘役就任

研9仙名彩世さんがトップ娘役に就任。
研12朝月希和さんがトップ娘役に就任予定です。研14でトップ娘役に就任した渚あきさんに次ぐ歴代2番目の年長での就任になります。
月組の次期トップ娘役さんはまだ発表されていませんが、多くの方が予想されている通りであったなら、研11の就任になります。
そうすると朝月さんに次ぐ歴代3番目の年長での就任になります。(あくまでも「もし」の憶測です。)

トップスター就任が、歴代の中でとても若く、
トップ娘役の就任が、歴代の中でとても年長で
2番手男役さんが、歴代の中でとても年長でトップスター候補では無い。

という大きな特徴のある人事でした。

これから先は、この新しい形が続くのか?かつてのやり方に戻るのか?興味のあるところです。

「宝塚歌劇団の小川理事長」と呼べるのは、今日が最後になってしまいました。
今まで6年間宝塚を愛をもって導いてくださって、ありがとうございました。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
ランキングに参加しています。ポチッとバナーをクリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村
いつも応援してくださってありがとうございます。

twitter


スポンサーリンク