2019年宝塚専科生について
『20世紀号に乗って』の京三紗さんの活躍が素晴らしく、「専科特出」の存在感の大きさを感じました。
最近専科の方が少なくなっていることを感じていたので、調べてみました。

2005年2019年在籍専科生2019年現時点で14名の方が所属されています。
2005年の「おとめ」を調べてみると当時の専科生は24名でした。

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3種類の専科生

理事兼務の専科生(赤色)
通常の専科生(黒色)
スター格の専科生(青色)

理事兼務の専科生

理事職兼務
轟 悠(71期生。同期に愛華みれ、真琴つばさ、鮎ゆうき、稔幸)
2002年に春日野八千代に続くような存在に、と請われて雪組トップスターから専科に異動。
2003年、宝塚歌劇団理事に就任。

専科異動と理事就任は同時では無かったようです。
大劇場での出演は、2003年・花組公演、2004年~2005年・雪組公演、2005年・星組公演、2006年・月組公演、2008年・宙組公演、2009年・雪組公演の日本物の舞踊ショーのみ、2014年・星組公演芝居のみ、2018年雪組『凱旋門』のみで、大劇場に出演される頻度は少なくなっています。
トップスターの主演の貴重な機会が減るので、「大劇場への出演はそろそろ終わりにして欲しいな」というのが大方のファンの声。
轟さんが出演されることで、皆の覇気が上がったり学べるのなら、主演でないところで出演をされるといいかな、とも思います。

2019年2月バウ専科公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』、2019年夏『チェ・ゲバラ』予定。
『パパ・アイ・ラブ・ユー』は宝塚が下品にならない上質コメディにチャレンジしている画期的な作品だと思ったので、こういうチャレンジは続けていって欲しいと思います。

英真なおき(68期生。同期に一路真輝)
2019年、6月1日付で歌劇団理事に就任

2019年 星組大劇場公演「霧深きエルベのほとり」出演
2018年 宙組「WEST SIDE STORY」出演

特別顧問
2019年6月に理事を退任し、特別顧問に就任されました。
松本悠里(44期生。同期に千波静・松岡修造の母)
2018年宙組『白鷺の城』出演

※現在のところ、理事兼務の専科生の方は、退団されず在籍のままご逝去されています。。

理事兼務専科生
天津乙女    (1980年在団中ご逝去)
春日野八千代  (2012年在団中ご逝去)
神代錦 (1989年在団中ご逝去)

轟悠さんに続いて、春日野八千代に続くような専科生が抜擢されることは無いのかな?というのが興味のあるところです。
2019年、6月1日付で英真なおきさんが。歌劇団理事に就任されました。
春日野八千代さん、轟悠さんのようなトップスターを経験されたスターとしての専科生とまた違います。

現在在籍の専科の方は大活躍中

本来定年制度があるところ、京三紗さんや汝鳥伶さんは、嘱託契約で定年を延長して契約されているとのことです。
(すでに専科で働き方改革はとりいれられているのですね)
京三紗(57期生。同期生に専科の汝鳥伶、演出家の謝珠栄)
・2019年3月~4月 雪組『20世紀号に乗って』レティシア・プリムローズ役。
・2018年11月~12月、「蘭陵王―美しすぎる武将―」

汝鳥伶(57期生。同期生に専科の京三紗、演出家の謝珠栄)
・2019年星組 『GOD OF STARS-食聖-』出演予定
・2018年4月、『ANOTHER WORLD』(星組)閻魔大王

一樹千尋(59期生。同期に大地真央、平みち)
2019年 星組大劇場公演「霧深きエルベのほとり」出演

夏美よう(62期生。同期に日向薫、飛鳥裕)
2019年3月~4月 花組大劇場『CASANOVA』出演

梨花ますみ(67期生。同期に真矢みき、涼風真世、黒木瞳)
2019年2月11日付けで、専科へ異動。元雪組組長。

五峰亜季(72期生。同期に香寿たつき、紫吹淳)
日本舞踊の名取(花柳禄真巳)でもあり、ダンサー。
2002年11月18日付で専科に異動。
2018年6月、『雨に唄えば』(月組・赤坂ACTシアター)出演

美穂圭子(75期生。同期に湖月わたる)
2008年3月31日付けで専科に異動。歌手として起用されることが多い。
2018年 雪組大劇場『凱旋門-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-/Gato Bonito!!』出演

悠真倫(81期生。同期に大和悠河、真飛聖)
2014年5月12日付けで、専科へ異動。
2018年11月、『蘭陵王 —美しすぎる武将—』(花組・シアタードラマシティ、KAAT神奈川芸術劇場)出演
2019年2月、バウ専科公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』出演

専科退団者(2005年以降)

2005年退団
・城火呂絵(45期生)

2006年退団
・高ひづる

2007年退団
・立ともみ (元月組組長)
・鈴鹿照
・千雅てる子

2008年退団
・矢代鴻 (歌の名手)
・出雲綾 (歌の名手、元宙組・月組組長)

2009年退団
・藤京子

2010年退団
・萬あきら (元星組副組長)

2011年退団
・星原美沙緒(元花組組長)
・邦なつき(元月組組長)

2012年退団
・光あけみ(2012年退団)
・未沙のえる(2012年退団、元花組組長)

2013年退団
・磯野千尋(2013年退団、元花組組長)

2014年退団
・一原けい(2014年退団、元花組副組長)

2016年退団
・鈴奈沙也(元宙組副組長)
・美城れん

2017年退団
・箙かおる(元雪組組長)

2018年退団
・飛鳥裕(62期生、元雪組・月組組長)

飛鳥裕さんは定年を迎えて退団をされたと聞きました。
定年延長の契約更新は積極的には行われていないのかな?と感じました。

汝鳥伶さんと京三紗さんは今や無くてはならない存在になっていらっしゃるので、できる限り在団していただけるといいなと思います。
美城れんさんが退団されたことは残念だと今でも思っています。
これからもバイプレーヤーとして活躍される方、美穂圭子さんのように歌手として貴重な方など、専科生を増やしていくことは、宝塚の宝になると思います。
数字を追いながら表面だけ見ると、そういう方面にあまり力を入れていないのかな、と感じました。
タカラジェンヌの方から、専科生として残るより、退団後の活躍を望まれる方が多いかとも思いますので、その内情は分かりませんが、

スター格の専科異動

2000年6月に各組の2番手、3番手を「新専科」に異動させるという強引な手段がとられ、初風緑さん、樹里咲穂さんは「新専科」としてスタークラスの専科生だったので、青字にしています。

北翔海莉から新しいスター格の専科が再びスタート

北翔海莉
2012年7月2日付けで専科に異動。
スター格の専科異動は、男役では北翔さんが2000年の新専科異動以来久しぶりでした。

専科で各組に特別出演や別箱公演で主演をつとめ、その貢献がまとめられ、2015年5月11日付で、星組へ組替えし、星組トップスターに就任
大劇場3作主演をつとめて、2016年11月20日、宝塚歌劇団を退団

華形ひかる(85期生)
2014年7月専科へ異動。
全国ツアー、中日劇場、博多座、バウホールもドラマシティなど、別箱公演に多数ご出演。
大劇場公演は、月組『グランドホテル/カルーセル輪舞曲(ロンド)』と星組『ANOTHER WORLD/Killer Rouge』の2作。

凪七瑠海(89期生)
2016年9月5日付で、専科へと異動。
大劇場公演、星組「ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA」、雪組「壬生義士伝/Music Revolution!」出演予定。
中日劇場1回、主演作「蘭陵王―美しすぎる武将―」

愛月ひかる
2019年2月26日付で専科へ異動。
2019年5月、星組『アルジェの男/ESTRELLAS〜星たち〜』(全国ツアー)ジャック予定
2019年6月、外部出演『﨑憲治&岡田敬二 ロマンチックコンサート』(梅田芸術劇場メインホール)予定
これからの活躍が期待されている。

スター格の専科退団者

沙央くらま(2018年退団)
2014年12月末専科異動
ディナーショー2回、専科バウホール1回。
大劇場月組公演3回、宙組公演1回出演、雪組公演1回出演。
2017年2月、雪組公演で退団。

星条海斗(2018年退団)
2015年7月 専科異動
ディナーショー2回、
大劇場月組1回、星組1回、花組1回、宙組1回出演。バウホール主演1回。
2017年8月宙組公演で退団

北翔海莉さんが専科異動時は、トップスター就任の見通しは無かったのでは、と思います。
とただ異動後に、出演された舞台で3拍子揃った実力を魅せつけてくれ、ファンが大絶賛し、SNS等を通してさらに反響が大きくなっていった事が、トップ就任への道を作ったのだと思います。
「計画通りには行かない、何が起きるかわからない」人事。
不快な人事も多いですが、こういう一発逆転のような夢がみれる人事がある方が面白いし、ファンも応援のしがいがあります。

娘役トップスター候補の専科異動

檀れい (2005年退団、元月組・星組トップ娘役)
1999年3月18日~2001年6月2日まで月組トップ娘役を務めた後、
2001年6月3日~2003年4月24日まで専科に所属。
スペシャル・スカイ・フェアリーズを務める。
外部出演や『風と共に去りぬ』花組合同公演、雪組合同公演にメラニーとして出演。
2002年秋、中国公演『蝶・恋 / サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』星組公演に特別出演。
2003年4月25日~2005年8月14日まで星組トップ娘役を務め退団。

月組トップ娘役→ 専科 → 星組トップ娘役
異例中の異例ですが、檀れいの美貌だからこそ、専科に異動する時に次のトップ娘役も約束されていたのでは無いかと思います。
そのことを信じて待った檀れいさんもスゴイですが、自分に自信があるからできたのだと思います。

遠野あすか (2009年退団、元星組トップ娘役)
宙組、花組で活躍。
2005年9月1日 – 23日樹里咲穂サヨナラ公演『Ernest in Love』(日生劇場)グウェンドレン役 *ヒロインを演じる。
花組トップ娘役が退団とともに専科へ異動。
『コパカバーナ』(梅田芸術劇場・星組公演、博多座・宙組公演)共にコンチータ役を専科特別出演で演じる。
2006年12月15日~2009年4月26日星組トップ娘役を務め退団 

3拍子揃った実力とスタイルをもちながらも、なぜか春野寿美礼の相手役には選ばれませんでした。
そこで腐ることなく、頑張り続けて、待ち続けて、実力派安蘭けいの相手役となり、今でも語り継げられる実力派の舞台を見せてくれました。
退団後は宝塚の受験スクールを開き、成功されています。

トップスター → 専科 が昔はあった

男役
寿美花代、淀かほる、那智わたる、真帆志ぶき、上月晃 、南原美佐保、榛名由梨、鳳蘭
娘役 
加茂さくら、高宮沙千、上原まり

現在 トップスターから専科で活躍中は、轟悠さんのみ。

明日海りおさんの退団発表がありましたが、永遠のフェアリー的な男役で、唯一無二の存在だと感じています。
彼女こそ宝塚の男役として、専科に残って、1年に1回ほどどこかの組に降臨されるのに相応しいと思っていました。

かつては大スターを専科異動して活躍させたように、そういうやり方を採り入れていかれることを願っています。

宝塚の内情は全く分かっていませんが、わかる範囲の資料で考察してみました。
昭和の「ベルサイユのばら」や「風と共に去りぬ」が上演された頃は、役の重鎮となる専科の方々が多く、舞台が引き締まっていたように感じました。
時代が違うので、昭和の時代は比較対象にならないかもしれませんが、脇でお芝居をしめる経験を重ねたバイプレーヤーの存在もやはり大切だと思います。

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