こんにちは、くららです。
スカイステージの新番組「タカラヅカQUEST-宝塚歌劇を創る人たち-」がとても興味深くて面白かったです。
ステージに携わるプロフェッショナルなスタッフの方たちにスポットを当て、宝塚歌劇の魅力を探求している番組です。
スポンサーリンク
タカラヅカQUEST-宝塚歌劇を創る人たち
第2回は、「舞台進行」でした。
ダイナミックな舞台機構やスケール感のある大道具、大人数の出演者たちが入れ替わり立ち替わり登場し、流れるように進んでいく場面転換。それらを本番中に着実に進めていく公演の要の舞台進行の方たちにスポットが当たっていました。
私は今まで、舞台進行の方の存在を知りませんでした。高度な技術の安全な宝塚の舞台は「舞台進行」スタッフによって成り立っているのですね。
生徒さんにとって「進行スタッフ」は安心できる存在
生徒の出演は、春海ゆうさん、彩海せらさん、(MC)麗泉里さん。
舞台進行スタッフ、春海さんにとって「袖にいるだけで安心できるお父さん」的な存在だそう。
春海さんは、100周年の月組「宝塚をどり」で、獅子の毛振りを一心不乱にされていました、終わって幕が降りたら毎回その場に倒れ込んでしまっていたので、舞台進行さんに抱きかかえられて袖まで運んでもらっていたそうです。やはりあの毛振り、相当大変なものだったのですね。退団される当時初舞台生だった蘭尚樹さんと交代でした。話がそれてしまいましたが、舞台進行さんはそういうケアもされるのですね。
彩海さんは、『Deep Sea』の時に、とても高い台の上が怖いと思っていたら、舞台稽古の時に進行さんが後ろに立っていてくれるて、それだけで安心して大丈夫と思えたそうです。
麗さんは、暗い袖で初舞台の頃からライトで誘導してもらい、今でも暗闇の中で進行さんがライトで照らしてくださるので、本当に安心できると。
スポンサーリンク
進行スタッフの方のお話
宝塚大劇場公演での舞台進行は5名が担当。
舞台進行とは
公演の内容に特化したことを扱っている部署。
・キューマン…指示だしの人。1人。
・舞台サポート…4人。
舞台転換における安全監視。
出演者のケア。
公演準備段階での役割
稽古場から参加。
せりを使う場合、演出家の希望を聞き、技術的に可能で安全にいけるか考えていく。
公演本番中の舞台まわりにいるスタッフ
・舞台進行5人
・舞台転換の大道具さん、小道具さん
・ステージまわりで電飾関係ケアの照明さん
・出演者のマイクのサポートの音響さん
・フィッティング担当の衣裳さん
大劇場公演は、30名~40名程度のメンバーで担われているそうです。
以前は「男社会」だったそうですが、現在は男女比は関係なく、部署によっては女性の方が活躍しているチームもあるそうです。
公演本番中、心がけていること
「生オケ」基本で、演出条件と安全条件を満たして初めてキューを出している。毎日絶妙に違う違いを捉えてキューを出していく。
手ごたえを感じる瞬間
客席にはわからないけれど、最高だったと自己満足される瞬間があるそうです。
スポンサーリンク
月組の初日に進行スタッフさんが舞台に
月組『万華鏡百景色』の初日に驚いたことがありました。「地獄変」のシーンでせり付近に黒い服装の男性がふたり後ろ姿でしゃがんでずっと舞台上にいらっしゃったからです。セリに落ちないよう、生徒さんの安全を守るためだったのですね。
舞台進行スタッフのおかげて、生徒さんたちは、安心して安全に舞台を務めることができていることを知りました。
花組『アラビアン・ナイト』(白井鐵造先生レビュー1950年)のパレードに使われた小道具に鈴がついていて、「シャンシャン」と美しい音色を響かせたことが、語源になっている。正式名称は大詰持ち物。
レヴューの王様と謳われ、宝塚レビューを形成した第一人者の白井鐵造先生。
羽根扇…『パリゼット』の時より。
銀橋(フランス語のpont d argent)…『ローズ・パリ』より。
スポンサーリンク
舞台進行のお仕事は公演前からも
舞台使用稽古
前公演の終演後に行われているそうです。前の組の公演が行われている時から舞台が使われていることは知りませんでした。
位置決め確認とは
盆やせり、大階段など、稽古場で確認にできない舞台機構を使用して、事前に安全確認をしながら、出演者の位置を決めていく作業。
照明合わせ・テクニカルリハーサル
1日で同時進行。舞台機構、手動で動かす道具の位置確認。スタッフで行う。
ドレスリハーサル(DR)
2日間のスケジュール。衣装をつけて。
マイクの受け渡し、上手下手で衣装や小道具を運び忘れないよう趣味レーションしたり、客席の空間の中での目線を決めたり。
生徒さんは最終調整の場なので前日から大変緊張し、終わった時にはとても疲れてしまうそうです。
舞台進行が担う意外な仕事
煙を出す
『万華鏡百景色』では、フィナーレ前の梨花ますみさんのせり上がりと共にセリの中で煙が上がるようにしている。
アナログな効果音
『フリューゲル』人が人を叩いている音を、舞台進行が肉眼で見て、舞台袖で木と木を合わせて叩いて出している。
人がノックする音も、舞台進行が小槌で木を叩いて出したり、アナログな感じで特殊効果音を担っているそう。
音関連は、音響さんのお仕事かと思っていましたが、舞台進行さんのお仕事だったのですね。
スポンサーリンク
舞台進行として『万華鏡百景色』のみどころ
全てのせり、全ての盆を使って舞台機構を多く使用し、巻き落とし(布が落ちてくる仕掛け)等もある。音とピタリとはまるよう、舞台進行の方が1秒1拍にこだわってされているそうです。
吊り物が音に合わせてピタっと決まったり、せりがピタッと音と合わせて決まったりとか、観客もそのこだわりを気にして見て欲しいと仰っていました。
『万華鏡百景色』は暗転が無く、流れるように舞台が進行していきます。いつも以上に舞台進行の方々の腕の見せ所だったのですね。
舞台進行スタッフの面白さ、やりがい
お二人の進行スタッフが語られていました。
男性スタッフ「宝塚大劇場は、110年劇場と共に進化してきて、宝塚ならではのものになっている。その一番の例が大階段。宝塚の大階段を使うレビューやショーが出来る唯一のカンパニーだと思うので、その舞台で転換に携わって舞台をつくれることは面白い。トップさんが銀橋をまわっている間に、いつのまにかセットが変わっていて、お客様には何も感じさせない空間づくりができたらと思う」
女性スタッフ「舞台袖にいて、お客様からの反応がダイレクトに伝わってくるのが楽しく、綺麗に転換が決まった時は嬉しくて、お客様の反応も良い気がして、遣り甲斐を感じ、楽しいと感じています」
宝塚の素晴らしい舞台は、秒にこだわってピッタリと場面転換を決めている、プロフェッショナルな進行スタッフの方の力があるからこそ、更に素晴らしいのだと思いました。
出演者も、スタッフのプロの仕事にはプロの仕事でこたえなければならないと思ったと話されていました。
舞台に懸けるスタッフの方たち×出演者たち、その相乗効果で宝塚の素晴らしい総合芸術の舞台になっているのだと思います。
「ステージドア」のように、『万華鏡百景色』舞台稽古の映像もたっぷり見ることができました
知らないこともいろいろと知れて、とても良い番組でした。
こういう番組を見ると、宝塚の舞台をもっと大切に味わいたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ランキングに参加しています。ポチッとバナーをクリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村
いつも応援してくださってありがとうございます。
スポンサーリンク