こんにちは、くららです。
昨日「カルト・ワイン」11時半公演を初観劇しました。
評判通り、最高に面白い作品で、テンポがよくて、脚本演出がよく、ワクワクなあっという間の2時間半でした。
主演の桜木みなとくんをはじめとして、出演者の個性と実力が光っていて、出演者全員が素晴らしかったです。
また、舞台装置が印象的で、場面転換も、照明の使い方もすごく良かったです。客席に強いライトを照射して目くらまししていたのも斬新で、ライトの使い方で舞台が立体的に見えました。
一言で言えば、クオリティと満足度、そして完成度がとっても高い舞台だと思いました。
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見終わった瞬間から、もう1度味わいたいという思いが強く、千秋楽の配信を楽しみにしながら、観劇の感想を書くために、頭の中で感想を整理していました。
その時に「千秋楽まで公演中止」のお知らせを知りました。
夜はあまりスマホを見ないので、発表からかなり遅れていました。
千秋楽まで無事に公演されることを信じて疑っていなかったので、そのお知らせに大ショックを受けました。
苦しくて切なくて悲しくて、なかなか感想を書くことができませんでした。
桜木みなとくんの笑顔
栗田先生は、「桜木さんと言えば笑顔!しかもその笑顔のレパートリーが多いので、“詐欺師”という役を渡せば、皆をコロリと騙す詐欺師を体現してくれるだろう、未だかつてない桜木みなとを見たい」と、この作品をつくっていかれたそうです。
“笑顔”が本当に生きていました!
変幻自在に、いろんな笑顔を魅せてくれました。まさに笑顔の百面相。
笑顔だけでなく、様々な表情もとても巧みに表現されていました。
そして地黒メイクが精悍で男らしさもましていて、野心をもつ青年を生き生きと演じられていました。
シエロはホンジュラスの貧民街で育って、悪の道に流されていましたが、心根はやさしいので、根っからの悪党にはなりきれません。そんなシエロの約10年程の人生が描かれていました。
そして、最後刑務所に収監されるものの、「人生はまだ続くぞ〜」といった爽快な感じで終わります。
栗田先生は、ワイン偽造犯のルディ・クルニアワンのことを知って彼の事件に着想を得た「事実に勝る虚構」を作りたいと思われていて、ずんちゃんの笑顔からのアプローチで、見事に「事実に勝る虚構」がこの作品において実現されていました。
演出・脚本が良いだけでなく、桜木みなとくんが主役だから、この作品はここまで素晴らしくなったのだと思います。ずんちゃんの底力が発揮されていました。
カーテンコールの笑顔も最高だった
桜木「今回の感想は、すっしーさんと、まっぷーさん!」
寿「さくらぎみなとぉ〜」
松風「さいこぉ〜〜〜!!!」
お二人で両手を広げて客席の拍手を扇ぎながら、「チャン、チャチャチャン!」
拍手がとっても決まりました。
組長さん、副組長さんから、客席を大いに盛り上げてもらって、はちきれんばかりの底抜けの笑顔で、
桜木「ありがとうございます。みんなテンション高いです。千秋楽まで頑張ります!」
ずんちゃんも、はける時に客席を扇ぎながら、「チャン、チャチャチャン!」とポーズをとっていましたが、ちょっとだけタイミングが合っていなかったような。
その時の少し照れたようなニマリ!とした笑顔も最高でした。
傑作を見た爽快感と幸せに満ちたずんちゃんの笑顔から私もとっても幸せになって帰って来ました。
リベンジ公演
4日の午後4時公演でも、「千秋楽まで頑張ります!」と仰っていたそうです。
6時半に終演した時は、まだ公演中止について何も決まっていなかったのでしょう。
その後、公演が中止になることを聞いて、どんなに無念な思いだったかと思います。
公演が出来る幸せをかみしめていらしたので、本当にお辛かったことでしょう。
私が客席で見ている限り、出演者に体調の悪い方がいるとは思えませんでした。
もし、PCR検査の陽性者がいたということだけで公演が中止になったのなら、本当に心が痛いです。
2020年の東上初主演「壮麗帝」も、コロナで延期になり、東京公演は中止で、大阪公演も梅田ドラマシティで8公演夏に上演されただけでした。
今回の公演は、東上できなかった「壮麗帝」のリベンジ公演の思いも強かったと思います。
無事に東京で上演できて、大阪での10公演のうち5公演上演できたところで、中止になってしまいました。
中止は残念でなりませんが、ずんちゃんの最高の笑顔は私の心に刻んでおきたいと思います。
出演者の感想
フリオ……瑠風輝(98期)
誠実さがにじみ出る「良い人」でした。
桜木さん演じるシエロの唯一の理解者で、シエロとの対比を巧みに演じられていることで、二人のバディ関係がこのストーリーの礎になっていて、何とも言えない味わい深い作品になっています。瑠風さんの功績も大きいです。
先日の「スカステ生番組」のお悩み相談で、まだ身長が伸び続けていることを相談されていましたが、長身で既に最高峰のスタイルの良さなのに、さらに身長が伸びているなんて、男役さんの誰もが羨ましがっているのでは、と思います。
今回のフリオは、髪型も似合っていて、とてもあか抜けられたように感じました。
声が良くて歌唱力抜群でスタイル抜群でと、男役としてとっても恵まれています。
スターとしての華やかさが今少しかな?と残念に思っていましたが、今回そのあたりがとても華やかになってこられているように感じました。これからにさらに期待です。
チャポ……留依蒔世(97期)
何を演ってもお上手で、今回は凄みのある元ギャングのワルをリアルに演じられていました。
すごい威圧感と存在感で、滑舌も良く、セリフが聞き取りやすくて、歌も本当にお上手。
2作品女役を見事に演じられていましたが、男役に戻っても髭も良く似合ってやはり男役が最高でした。
凄い実力者なので、専科で活躍されたら?という意見も聞きます。もっともっと活躍し続けていただきたいです。
オークショニア……風色日向(102期)
狂言回し的な役割で、お客さんとのキャッチボールのような語りかけは、研7さんには難しかったと思いますが、余裕が感じられました。
物語が展開中は、傍観者的に舞台に存在していました。
とても難しい役だったと思いますが、この役に挑戦したことで、様々な成長ができたのではないかと思います。
若手の実力派として期待されているのを感じました。これからも頑張って欲しいと思います。
アマンダ……春乃さくら(102期)
バディものなので、相手役は瑠風さんで、うっすらヒロインと言う感じでしたが、微妙な女心が上手に表現されていました。
きれいな声で滑舌も良く、歌もお上手で、お芝居も的確。
あえて華やかな役では無かったのでしょうが、娘役さんとしての華やかさは課題かも。
ミゲル……真白悠希(104期)
シエロの桜木みなとくんとのやりとりが面白くて、笑いをとりながら生き生きと演技していて、今回もお芝居が上手だなと感動しました。
若手の新人さんまで、とっても活躍されていました。
栗田先生の役のキャラクターつくりと魅力の出し方、それに対する各演者の演技がとても良くて、見どころでした。
風刺がきいた作品
この作品はとても風刺がきいています。
貧しさから、未来を切り開いていくシエロ。
貧困や差別の問題も盛り込まれています。
偽造ワインという「フェイク」に熱狂する金持ちたち。
貧困層のシエロがそれを手玉に取っていきます。
「フェイク」なので、騙された方も、騙した方も被害者でも加害者でもありません。
誰も悪く無いのに、人間のつくった法のもとにシエロは逮捕され、刑に処されます。
過去でもっとも愚かな法律は、禁酒法です。法律もしょせん人間のつくった枠。
現在のコロナ禍の諸々も、人間のつくった感染症法の下で、様々な不公平が露呈しています。見当違いかもしれませんが、私は現在の感染症法にまで勝手に思いが及んでしまいました。
公演プログラムの栗田先生のメッセージの最後の言葉。
飲んだら消えてしまうワインのように、舞台もまた形には残りません。束の間のひと時を共に味わってくださる皆様に、心より感謝の気持ちをこめまして乾杯!!
千秋楽にライブ配信が予定されていましたが、公演の中止によって出来なくなりました。素晴らしい作品なのに、映像として残らないことを大変残念に思っています。
栗田先生のメッセージのように、舞台は形に残るものではありません。
観客の心の中には残っています。
そしてこの作品は、栗田先生のデビュー2作目です。
栗田先生の才能をもってすれば、これからますます素晴らしい作品を生み出されると思います。
桜木みなとくんをはじめ宙組生たちも。
今回の中止は本当に残念でしたが、「宝塚でこんな面白い作品が見れる!」という感激、感動をとっても味合わせてもらえました。
宝塚のこれからに期待していきたいです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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