月組『グレート・ギャツビー』観劇感想
こんにちは、くららです。
『グレート・ギャツビー』を観劇してきました。

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『グレート・ギャツビー』雑感

初演の良さはそのままに、宝塚らしさが加味されて、エンターテイメント性に富んだ豪華な大作としてよみがえっていました。
歌やダンスシーン等が増えて、下級生に至るまで活躍されていました。

三井住友VISAカード協賛なので、舞台セットも衣装(有村淳デザイン)も豪華です。

芝居巧者の月組生のひとりひとりが生き生きと演じていて、「芝居の月組」だからこそ味わえる奥深さを感じました。

ロビーのパネルは、24名全部埋まっていました。
最下級生は102期の彩海せらくん。
雪組から組替してきて、今回が本公演デビューですが、とっても活躍の場がありました!

出演者の感想

主な出演者

ギャツビー……月城かなと
評判通り、月城さんはどんな衣装を着ても、エレガントで端正で気品にあふれていました。
初演から歌われている「朝日の昇る前に」を劇中何度も歌われますが、その時々にギャツビーの心情がのせられていて伝わってきました。
この曲だけでなく多くの歌を歌われていて、後半にかけて月城さんの歌は迫力を増していきます。

ギャツビーの一途な純愛に共感できました。愛しい人を愛し抜いた人生の終わり方もありかなと思わせてくれるのが、宝塚の世界観だからかなとも思いました。

この作品では、「背中で魅せる男役」と語られますが、美しいお顔の月城さんは、正面で見る方がやはり魅力的だと思ってしまいました。
男役の色気と貫禄に満ちていますが、スーツの着こなしという点では、まだトップスター2作めなので、ベテラントップ時代に演じた杜けあきさん、瀬奈じゅんさんに比べたら、途上かな。
このあたり、これから日々進化されていくことでしょう。

デイジー……海乃美月

ギャツビーを愛しながらも、5年前のギャツビーとの別れから、心の赴くままに生きられなくなった複雑な心情の女性を巧みに表現されていました。
18歳の頃の若いシーンは、まわりが若い娘役さんたちばかりなので、頑張っていたけれど、若作りがちょっと似合っていない感じもしました。このあたり難しいところですね。

トム・ブキャナン……鳳月杏
デイジーの夫。愛人をかかえながらも、妻デイジーにも執着し、ギャツビーに激しい敵対心を燃やす夫。

ギャツビーを応援する気持ちで見ていると、トムのことを憎々しく感じていきます。後半にかけて一層。
傲慢で横暴で自信過剰で態度もでかい、一番嫌なヤツを、好演されていました。
今回リニューアルで、トムのシーンが増えていました。

ギャツビー側の視点で見ないと、トムはとっても格好良い男性で、パリッとスーツを着こなされています。

芝居巧者の鳳月さんが演じることで、トムの存在感がとても増したように思いました。

ニック……風間柚乃

ギャツビーの隣人で、証券会社に勤める堅実な青年。デイジーのいとこ。ギャツビーとデイジーの再会の場をつくります。
ニックからストーリーがはじまり、終わりまで、舞台上にいることが多く、ニックの存在がこのストーリーを支えています。
誠実な人柄と風間君の明るさがぴたりとはまって、この作品に良い味を加えていました。
出番がたくさんありながらも、存在感をうすめて存在する、その芝居巧者ぶりをスゴイなと思いました。

ニックとトムの比重

トムの場面が増えていましたが、やはりニックが物語の根幹をなす役であることは変わりませんでした。
今回風間くんは、前に出すぎないよう、わきまえた辛抱芝居で好演されていたと思います。

主演ギャツビーの敵役の、トムを演じる鳳月さんが2番手。

主演ギャツビーの理解者で原作では語り手の、ニック演じる風間くんが3番手。

出番としてはニックの方がとても多いので、鳳月さんはフィナーレで2番手として存分に活躍されていました。
1本物での2番手羽根も、そのことの証明的な意味もあったのでは?と思います。

フィナーレで風間さんは、3番手として活躍されていました。
そしてそれ以降の番手は、階段おりでは礼華はるくんでしたが、そういうことはなく、決まっていない感じでした。

その他の主な役について

マイヤー・ウルフシェイム……輝月ゆうま(専科)
男役4番手は、輝月さんだと思うほど、キーになる出番と存在感が大きかったです。

暗黒街の顔役、ギャツビーのビジネスパートナー。
凄い迫力と貫禄で年配感も滲み出ていて、ユニークな大物感あふれる余裕ある演技でした。
この作品をとても面白くしています。

タクシーの運転手/ギャッツの父親……英真なおき(専科)
1年ぶりの舞台でのご活躍、階段降りの時の客席からの拍手も多く、「待っていました」と皆さん喜んでいました。
ストーリーは、英真さんと風間さんで始まり、英真さんと風間さんで終わります。
英真さんの存在は、舞台をグイと引き締めています。
長い間息子と会っていない父親役で、なまりのある朴訥とした話し方から、勤勉でまじめなギャツビーの少年時代が語られ、心が打たれます。

ジョージ・ウィルソン…光月るう
生真面目なガソリンスタンド経営者。奔放な妻のマートルを深く愛しているが持て余している。
まじめで誠実な人物ですが、妻を失ったことから、大きく変貌して、このお芝居のクライマックスに繋がります。弱者の狂気が見事に演じられていました。

ジョーダン・ベイカー……彩みちる
デイジーの親友。全米女子ゴルフ・チャンピオン。ニックと恋仲になる。(友だち以上、恋人未満とのこと)
お化粧がとてもお上手で綺麗で、あっけらかんとしたアクのある役を、衣装を着こなして素敵に演じられていました。

マートル・ウィルソン……天紫珠李(101期)
ジョージの妻で、トムの愛人。華やかな世界に憧れている。

派手な舞台メイクと衣装が良く似合っていて、キュートなあばずれ女という感じで、匂い立つような色気があって魅力的でした。
と同時にマートルの抱える孤独感も表現されていました。
上手花道からせり上がって登場し、押し出しが強くなった印象をもちました。

ダンスがとても上手で、鳳月さんとのペアが似合っていました。
愛人役の鳳月さんとは、いっぱいキスもしていました。

彩海せらくん大活躍

1 ルイヴィルで(5年前のデイジーの故郷)
エディ役の彩海せらくんとジュディ役のきよら羽龍ちゃんが、素敵な歌声を聞かせてくれます。
若手さんたちの幸せそうなシーンの真ん中をつとめていました。
その後おしばいも。

2 2幕初めのジークフェルド・フォーリーズ
歌手ルディ役で素敵な歌声を聞かせてくれていました。

アイスキャッスルでの男役さんのダンスのシーンにも出演されていました。

新場面について

2幕初めのジークフェルド・フォーリーズ
新たに加えられたレビューシーンは、目を見張る豪華さでした。

ヴィッキーの楽屋シーン
ジークフェルドフォーリーズの出演者のヴィッキー(結愛かれん)の部屋に、トム(鳳月杏)が訪れ、キスシーンがあったりしました。

ギャツビーの部屋のシーン
ギャツビーとデイジーが愛し合った後のような雰囲気からはじまり、それぞれ身なりを整えていきます。

ギャツビーとデイジーのキスシーンも、何か所もありました。

事故後が迫力があるわかりやすいシーンに
状況を説明されなくてもわかりやすいシーンになっていたように思いました。

AKIHITO先生振り付け(宝塚初めて)
ストリート系の先生なので、振りの動きが斬新な感じでした。

アイス・キャッスルでのダンス1
テーブルの上などで男役さんたちが踊り、月城さんも加わりました。

アイス・キャッスルでのダンス2
ボスの輝月さんを中心に、男役さんたちがタバコを手にして一列に並んで歌い踊ります。今までになかった格好良さです。

フィナーレについて

鳳月杏さんの“歌唱指導”から始まります。

ロケット
見覚えのある若手ホープさんたちが、ババーンとセンターから次々に出てきます。

・花妃舞音(106期)
・一輝翔琉(107期)
・雅 耀(108期)
特にこの3人が印象に残りました。

月城さんと娘役さんたち
大階段に娘役さんが板ついていて、その中央に月城さん。
娘役さんと絡みながら踊ります。月城さんのジャンプが印象的。
月城さんが、退団者の夏月都さん晴音アキさんと組んで踊る餞別シーンもありました。

男役さんのジャケット祭り
男役さんたちがジャケットを脱いで、肩に振りかざしながら大階段に出てきます。
その中央は、鳳月さん。

鳳月さんが、月城さんの後ろから腰に手をまわして、2人で色っぽく踊るシーンも。

月城さんがはけたら、鳳月さんがセンターで、男役さんたちを引き連れて踊られます。

デュエットダンス
真っ赤な衣装で、月城さんは大階段の下手の上から降りてきて、海乃さんは上手花道から登場します。
ふたりのオーソドックスなデュエットダンス。最後は銀橋に出て、ご挨拶。

 

1幕の開幕後も、華やかなパーティーシーンがはじまりました。
振り返ってみると、本当に豪華で宝塚らしい舞台だったなと思います。

歌上手さんの活躍シーンや、気になる若手さんたちの活躍シーンも、いろいろありました。
もう1度観劇してから、そのあたりの詳しいことを書きたいと思います。

『グレート・ギャツビー』は、現在の月城さんを真ん中にする月組の魅力が溢れています。
コロナの感染者が爆発的に増えていますが、千秋楽までどうか無事に上演できますように、心から願っています。

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