『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』新人公演感想

花組の新人公演を観てきました。期待通り素晴らしかったです!
しかし通常とは違う作品なので、このお芝居は難しいのだと思います。稽古期間も初日から2週間余りしかありませんでした。
本公演の方たちの芸達者ぶりを改めて思いました。
新人公演担当は、熊倉飛鳥先生。調べてみると男性の先生のようです。

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上級生と一緒の観劇にワクワク

開演前に上級生の方々の客席入り、着席がしっかり見えました。
黒ブチ眼鏡が良くお似合いの明日海りおさん!(黒ブチ眼鏡というと「ハンナのお花屋さん」を思い出してしまいます。あっ~懐かし!)
そしてれいまい(柚香・水美)は、隣同士で相変わらずの仲の良さ。
黒系や地味目な私服の方が多い中、鮮やかなグリーンのワンピースの華ちゃんが目立っていました。
新公学年ですが、出演しなかったのですね。

特に今回の公演は舞台の装飾がこっているので、「こんなきれいな舞台なんだ」と初めて客席でご覧になって、花組の上級生たちは感動されたのでは、と思います。
装置の装飾や一部CGの使い方なども、初日から比べて見るたびに変化しているように私には感じられます。
客席の位置による見え方の違いなのか、それとも変更を重ねられているのか?

主演の聖乃あすかちゃんの“青い薔薇の精が”素晴らしい

青のメイクと衣装は、「明日海さんだからこそ美しい」と思っていましたが、ほのかちゃんも負けない美しさでした。青い鬘も。たれた前髪が目を隠してしまうのが、少し気になりました。
明日海さんと比べたらまだまだですが、歌も大変上達していました。
今回は妖精といっても、単なる中性的なものではなく、男らしさというか骨太さや、感情やプライドをもっている“薔薇の精”
「人間」では無いだけに、本当に難しかったと思いますが、見事に演じきれていて、明日海さんに通じる「芝居心」も、もっているのだなぁと思いました。

机の上で歌った後、降りる時に転んで倒れてしまって思わず「きゃっ」と声をあげてしまいましたが、次の瞬間には、何事もなかったように立ってお芝居を続けていました。
身のこなしの軽さに感動しました。ほのかちゃんは、小学校2年生の時からダンス教室に通っていて、ダンスも得意なのです。ショーで若手6人で踊っているので、キレの良さ、ジャンプの高さを感じます。

最後のごあいさつで、「明日海さんから最後に学ばさせていただき本当に幸せです」と、明日海さんの方を見ながらご挨拶されていました。
web記事によると、終演後の会見で、「明日海さんはメークにもこだわられるので、見学して、同じ化粧で(舞台に)出ました」と言ったそう。
時々明日海さんに見える瞬間もありました。
明日海の“美麗DNA”を受け継ぐ逸材”という表現を使われていましたが、前回のブログに書きましたが、本当にそうだと思います。


大先輩から少しでも多くの技術を盗もうと、稽古に励んできたそう。
本当に「明日海さんのラスト」ということを心に刻みながら、精一杯頑張り続けたのだと思います。その努力の結実が、素晴らしい舞台姿となっていました。
最後のご挨拶では感極まって涙も光っていました。
きっと男役10年を超える頃には、宝塚の代表的なスターになっているでしょう。

ほめてばかりなので、気になるところは、ほっそりされたものの、脚が細く、長く無いこと。女性的な体型。また変化してもいかれるでしょう。

華奢な明日海さんの衣裳を、上は着ていらしたので、細いと思いますが、下は自前なのかな?と思いました。マイナス点もあって当たり前。完璧なスターはいません。

可愛い娘役スター誕生 都姫ここ!

104期生で入団2年目ながら、華優希ちゃんのシャーロット役を大健闘。
クリクリっとした大きな瞳と可愛いお顔立ちに、やさしい美しい声で、しかもお歌が上手。
161cmの小柄なので、少女時代は特に自然な無邪気さがピッタリでした。
年を重ねるごとに違和感が生じて、老婆になっては、まだまだでした。

最後に仕掛けがあるため、老齢になっても若い化粧のままなのですが、本役の華ちゃんは、声や仕草、雰囲気で老婆になりきっていますが、ここちゃんにはまだこのあたりのことは難しかったようです。華ちゃんの芝居の巧みさをあらためて感じました。
老婆はできなくても、娘役としては可能性が無限大。期待の娘役さんです。

目立っていた人たち

謎の貴婦人(乙羽 映見)………音 くり寿
期待通り、歌も芝居も存在感も絶品でした。100期生にして、もうベテランの域です。
本役の乙羽映見さんが高身長なので、同じ衣装を身に着けると、比較で身長が足りないことを感じてしまいます。
新人公演でなければ比べることもないので、本公演で桜一花さんのような貴重な娘役さんとして活躍されていくでしょう。

ハーヴィー(柚香 光)………帆純 まひろ
歌がとても上達して、聞きやすくなっていました。「ごく普通の青年」を演じるのは、一番難しいのだと思います。
本役の軽いノリの青年マシューは好演していましたが、ハーヴィー役はもう少し自然に演じた方が良いように思いました。
本役の柚香光くんは芝居心がとてもあるのだと感じました。

マシュー (帆純 まひろ)………希波 らいと
103期の新人ながら、『花より男子』で西門総二郎役を演じた経験から、とても堂々としていて自信さえ感じられ、マシューの少しいい加減で軽いけど純朴な性格がよく伝わってきました。何よりも175cmの長身で小顔のスタイルのよさは舞台で映えて目を惹きます。

メチャメチャハンサムなイケメン
ニック(水美 舞斗)………侑輝 大弥
102期生で、身長173cm。顔がとてもハンサムで、さわやか。バウ「DREAM ON」を2回観ましたが、こんなイケメンがいたとは気づきませんでした。
しかし、ダンスも、歌も、お芝居も、まだまだ。これから経験を積んで成長していかれるでしょう。
本役の水美舞斗くんの芸達者ぶりを改めて感じました。

フローレンス(城妃 美伶)………咲乃 深音
気品のある奥様ぶりが素敵でした。声が美しくて、歌もダンスもお上手。『Dream On!』でも活躍していました。
歌の上手な娘役さんたちが退団されるので、これから起用されていく人だと思います。

プルケ(音 くり寿)………詩希 すみれ
蝶の精(舞う者)で、エリュの近くで絶えず手を動かしながらダンスしていました。
『Dream On!』を観てから、可愛い娘役さんだなと注目しています。

ディニタス(高翔 みず希)………芹尚 英
組長がされている樫木の精(教え導く者)の役を101期生の芹尚英が。声がとても落ち着いた低い声に説得力があって、長老的な役にふさわしかったです。
この役に重みがないと、全般に学芸会的になってしまうので、101期生で脇で締める役をこなせるのはスゴイと思います。

[謎の老婆](美花 梨乃)………若草 萌香
腰を90度近くまげて、めちゃくちゃ老婆らしくて、感心しましたが、「謎」感は、薄かったかな。
ご挨拶が上手で、99期生としてこの新人公演をまとめてこられたのでしょう。
お疲れさまでした。

白い薔薇の精を演じた104期生の天城れいん君は、鬘、着こなし、雰囲気など、ほのかちゃんと比べると、まだまだでした。ただそこでダンスを踊っている、佇んでいるだけで、内面を表現するには、104期生には難しかったように感じました。

『花より男子』牧野進役で目立っていた、104期の青騎司くんに、目立った役が無かったのは残念でした。

初日の幕があいて2週間余りでの新人公演開催は、通常より1週間はやいと思います。
芝居の内容が特殊部なので、その短いお稽古期間で仕上げるには、本当に大変だったと思います。
しかし、皆の熱演で素敵な公演になっていました。

明日海さんが退団された後の花組に対して、心配する声があがったりしていますが、今日の新人公演を観ても、「花組は安泰だ」と思いました。

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