月組『I AM FROM AUSTRIA』新人公演の感想
こんにちは、くららです。
月組『I AM FROM AUSTRIA』の新人公演を観劇してきました。

やはり注目のあの人が驚きの名演でした!
さらに娘役に転向したてのあの娘も!

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エルフィー役の風間柚乃くんはやはり凄かった

私が一番注目していたエルフィーは、開幕早々舞台の上にいました。
予想だにしていなかった驚きが!客席全体にもどよめきが。
美女なのです!
ロマンスグレーの前下がりストレートボブのエルフィーが、目をみはるほどの美女!

若い方はご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、風間柚乃くんは昭和の美人女優・夏目雅子さんの姪
美しい目をはじめお顔立ちがとても似ています。
そのお顔立ちでショートボブのカツラをかぶればもれなく「美女」ということに。
約70歳設定というのは、新人公演だから「関係なし」という感じ。そこまで求めてはいけません。おばさん感はあふれていましたが、高齢さは…

そして、コメディセンスに溢れていて、一挙手一投足「コメディタッチ」でした。やり過ぎず、ほどほどに。その匙加減もお上手。
予想していたように、新人公演の出演者は自分の役を演じるのが精いっぱいで、「コメディセンス」までは求められない状況。
コメディセンスに溢れているエルフィーが、空気を自在に動かしながら、舞台をまわしている感じでした。
間の取り方が抜群で、ノリノリ具合も。天性の資質ですね。

ドスの効いた声を聴かすとこがさすが男役で、発声が良い!
声色を自由に使い分けられるのも、新人公演の学年の技ではありません。
「夜のウィーン」のシーンでは、ウィーンの男で男役で踊るシーンも。

ジョージの父親役の大楠てらくんとセリフがかぶってしまうと、
「あ~ら、ごめんなさい」と余裕の笑顔でその場さえ笑いをとっていました。
るう組長のように、ベテラン風に場をしめていました。袖への捌け方もいろいろと変化をつけていました。
おだちんエルフィーがいなかったら、もっと新人公演感のあふれる公演になっていたと思います。

新人公演のエルフィーとしては、100点満点だと思います。

新人公演担当は町田菜花先生

「宝塚ファンである女性演出家」ということで勝手に親近感を持っています。
1本物の削り方が大胆かつわかりやすかったです。

芝居に重きを置いたという感じで、楽しい歌のシーンはバッサリカットでした。
でも、山小屋でのラブシーンはしっかり増えていました。
本公演と違って、二人が自然にラブラブを演じるので、サラッと流れました。

「アデーレの履歴書」の「ブロンドの女」に蘭 尚樹、彩音星凪、瑠皇りあを登場させたり、
(観ている観客には「何コレ?」と違和感ありました、でもその違和感が楽しくもあり…)

「製菓部」は女子たちだけの担当にし、詩ちづる演じるシュティーグルを担いで運び出せないので、女の子たちが誘導する時に、エマを見て気絶したら困るから、エマを見せないようにする新しい演出があったり
随所に町田菜花先生らしさが感じられました。
雪組『壬生義士伝』の新人公演では、男役さんたちに可愛い「雪の精」をさせていましたね。

主演ジョージ役 英かおと うーちゃん

写真を見るとお顔が大きく見えますが、舞台ではとても小顔で、周りが高身長すぎたのもあるのか、172cmあるのに、長身には見えませんでした。
ジョージの父親役大楠てらくん、180cm、エマのマネージャーリチャード役礼華はるくん178cm。
他にも長身の男役さんがいっぱい。いつのまにか、月組は宙組よりも長身の組になったよう。

新人公演の中では一番の「長の期」なのに、お顔の表情がとても若々しくて、ジョージという青年像にはあっていました。
歌も耳に優しく聞きごたえもあり、お芝居も良く、りりかちゃんのセリフがわからなくなった時、「だいじょうぶ」と包容力のある言葉をかけて、上手にカバーしていました。包容力がバッチリ。

普段からダンスはお得意で、歌もお上手で、実力は十分!
でも今の段階では「華」というか、スター性が今少しかな。(あくまでも私の感想です)
素直で誠実な好青年ですが、もう少し色がつくというか、面白味があった方がいいかなと思います。
ジョージという役が元々無色透明なのかな。

ヒロイン エマ役 白河 りりちゃん

声がきれいで、美しい響きが聞きやすかったです。本役のさくらちゃんが「ハリウッド女優」の雰囲気を醸し出していますが、りりちゃんは「作らない」感じてそのまま演じていて、女優というより、瑞々しさのある女性でした。
お顔立ちがおとなしめなので、「華」については、英かおとくんに対してと同じ印象でした。お化粧で変わっていくかな。
声質が良い、歌える娘役さんなので活躍していって欲しいと思います。

娘役転向したての蘭世惠翔ちゃん 海乃美月さん演じるジョージの母役

蘭世ちゃんは、お芝居のセンスがあり、転向したてですが、全く違和感がなく、期待通り「美人ママ」を素敵に演じていました。
男役をやっていたので、強い部分には迫力があり、上手に表現されていました。
「ダルマ」姿も、筋肉のついた脚が魅力的で、チャーミングでしたが、本公演でも思いましたが、一人だけお尻が見えるようなダルマ姿で銀橋にまで出て、かわいそうな気がします。銀橋で途中からコートを羽織りますし、隠すのなら始めから露出しなければ良いのに。(このあたり男性の演出家と女性の一観客との思いは、違うのでしょう)
娘役転向の初新人公演で、この役を上手に演じることができたので、これからの娘役としての未来は明るいのではないでしょうか。

2番手リチャード 礼華 はる ぱるくん

『チェ・ゲバラ』では、ルイスを好演していましたが、今回の「迫力」と「はったり」が必要なリチャードは、ちょっと難しかったかな?と思いました。
長身のスーツ姿で、髪型も決めていて、ビジュアルは良かったのですが、インパクトがうすい。
難しい役なので、、東京公演ではそのあたりを努力されたら素晴らしくなると思います。

ヴォルフガング(鳳月 杏)[ジョージの父]役を大楠てらくん。(102期)
180cmの高身長の舞台姿は舞台で映えますが、役を演じるのが精いっぱいで、ちなつさんのようにコメディセンスで、ドカンドカンと笑いを取るという所には全く及ばず、という感じでした。
髭をつけて、きちんとお芝居して、歌って、それだけでも素晴らしいと思います。
この重要な役を102期の新人さんに振ったということからも、「コメディ部分」はあまり考慮されていない配役であることを感じます。
ちなつさんの巧みさをあらためて感じました。

パブロ(暁 千星)[アルゼンチン代表のサッカー選手]役を蘭尚樹くん。(100期)
身長が低めで体も細いので、「マッチョマッチョ」というには少々違和感がありましたが、浅黒いメークで髭もつけ、髪の毛も三つ編みで編み上げた黒人風で気合が入っていました。身体能力の良さは、ありちゃんにも負けていない感じ。
「見せ場」がバッサリカットされていたので、余計に難しかったと思いますが、彩音くん演じるフェリックスとの近づき方は、新人公演でも注目の的だったようですが、やはり本役さんとは経験値が全く違うので、最後にフェリックスがパブロにキスをするという、役設定を越えた大胆な行為で笑いをとっていました。

フェリックス(風間柚乃)[ホテルのフロント係]役を彩音星凪くん。(101期)
軽いノリの青年が上手に表現されていました。何と言っても美形男役さんなので舞台にいるだけで華があって魅力的。
本役の風間柚乃エルフィーと組むところでは、エルフィーに巧みにフォローされていたような印象を受けました。
歌が苦手だと思っていましたが、お芝居の延長での歌は、良かったです。
先にも書きましたが、フェリックスとパブロの関りで、想定外のフェリックスからパブロにキスをするというのは、台本だったのか、アドリブだったのか。
彩音星凪くんには、こういうお茶目な軽い役があっていて、イキイキとしていました。

ミス・ツヴィックル(白雪 さち花)[旅行会社の社員]の役の結愛かれんちゃんは、キュートさがバッチリ役にはまっていて、とてもイキイキと演じていて、最後のエレベーターのポーズも印象的で余韻がありました。

ヘルタ(夏月都)[エマの母]役の、天紫珠李ちゃんも、情感がこもった演技ができていて、『チェ・ゲバラ』の時より上達されたと思いました。

結愛かれんちゃん、天紫珠李ちゃんは101期ですが、月組では「ベテラン娘役」という感じで、全般に月組の娘役層は若いですね。
99期の 陽海ありさちゃんは今回で退団されるので、本公演でも警官役で活躍していますが、新人公演でも叶羽時ちゃんの[ホテルのフロント係]アンナ役で活躍していました。
こうして退団のはなむけを新人公演までしてもらえるから、みんな宝塚愛を心に刻んで卒業されるのでしょうね。陽海ありさちゃんの笑顔を沢山見て感じたことでした。

本公演では、舞台上にほとんどの月組生がいて、「目が足りない」状態ですが、新人公演は、舞台上にいる人数が限られていたので、わりとじっくり観ることができました。
大人数を大胆に使っている本公演と「芝居をみせる」ことに重きを置いている新人公演では、舞台の印象が大きく違いました。
難しい新人公演だったと思いますが、みんな良く頑張っていたと思います。
トップコンビの役を演じた二人が出演する「スカイステージトーク月組」に出席予定なので、どんなお話が聞けるか、楽しみです。

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