
こんにちは、くららです。
本日は月曜日ですが、月組『NINE』の集合日だったようです。
お待ちかねの配役が発表されました。予想外の配役で驚きました。
創作スランプに陥ったグイドが、新作の構想が浮かばず苦悩する姿を描きます。
グイドは妻のルイザから離婚を宣言され、関係修復とアイデア探しのためにヴェネツィアのスパ・リゾートを訪れますが、そこで愛人、プロデューサー、ミューズである女優、過去の女性たち、そして天国の母といった「彼を取り巻く女性たち」の幻想に翻弄されていきます。
配役について
主な配役
グイド:鳳月杏
稀代のプレイボーイでありながら、繊細でどこか母性をくすぐる、大人の包容力と色気を併せ持つ鳳月さんにピッタリの役どころ。
多くの女性たちに翻弄され、現実と幻想の迷宮で頭を抱える「ダメ男」な一面を、どうスタイリッシュかつ魅力的に演じられるか、楽しみ。
妻ルイザ:天紫珠李
グイドの才能を愛しながらも、彼の女癖の悪さに耐えかねて離婚を突きつける妻ルイザ。
妻としての誇りと深い孤独を表現した難曲があります。
その他配役
配役予想をしていましたが、輝月さん夢奈さんしか当たりませんでした。
リリアン・ラ・フルール(プロデューサー) = 輝月ゆうま(専科)
グイドに新作を撮らせようと厳しく迫る、フランス人の映画プロデューサー。ビジネスライクで強烈なエゴとカリスマ性を持つ、物語の推進力となる大人の女性です。
専科の実力派の輝月さんが、大柄でド迫力の海外映画プロデューサー(女性役)!『DayDream Dali』のクイーン・ガラを見て、この役は輝月さんしかいないと思っていました。鳳月さんとの阿吽の呼吸で、グイドを容赦なく追い詰めるコミカルかつ圧倒的なナンバー(「Folies Bergères」など)を魅せてくれるでしょう。
クラウディア役(女優)= 礼華はる
グイドの数々の名作を彩ってきた映画のミューズ(至高の主演女優)。グイドから愛され、彼を愛していますが、彼の子供っぽさに愛想を尽かしつつもある、気高く美しいトップスターです。
礼華さんがミューズの女優役に抜擢は驚きました。超高身長の礼華さんがドレスを纏い、鳳月グイドの「理想の女」として現れる姿は、指田先生らしい「現実離れした幻想的な美しさ」を具現化する最高のスパイスで、この作品のもう一つの見どころになりそう。
ママ(母) = 夢奈瑠音
天国からグイドを見守る実の母親。グイドの罪悪感や、彼が永遠に求めてやまない「無償の愛」の象徴です。
夢奈さんが母親役を務められるかな?と思っていました。夢奈さんの持つ気品とどこか中性的な優しさが、現実の女性たちに揉まれてボロボロになったグイドを包み込む「聖母」のような幻想として、舞台で描かれることでしょう。
サラギーナ(娼婦)= 桃歌雪
グイドが少年の頃に浜辺で出会った、彼に「愛(性と野生)」を教えた大柄で妖艶な娼婦。グイドのトラウマであり、原点でもある超重要キャラクターです。
月組が誇る圧倒的な歌唱力の持ち主・桃歌雪さんが、劇中屈指の爆発的ナンバー「Be Italian(イタリア人になれ)」を歌い踊られるのですね。退廃的でパワフルな、劇場の空気を一変させるパフォーマンスに期待。
カルラ(愛人)= 美渦せいか
グイドの世間知らずで一途な愛人。ルイザとは対照的に、甘えん坊でグイドに依存していますが、彼が結局自分を一番にはしてくれないことに絶望していく、切なくもひたすらエロティックな役どころ。
108期生の美渦せいかさんが大抜擢。グイドと電話越し、あるいはスパの部屋で繰り広げる、非常に艶っぽく甘い絡みの場面(「A Call from the Vatican」など)にどう体当たりで挑むのか、新星の輝きに注目です。
ステファニー・ネクロフォラス(評論家) = 朱鷺あおい
グイドの映画を容赦なく酷評する、非常にインテリで辛口な現代思想の女性映画評論家(ジャーナリスト)。
朱鷺あおいさん(109期)が演じます。知性的で冷徹、どこかサディスティックにグイドの芸術を解剖していくシャープな演技が見どころ。
リトル・グイド役(少年) = 美海そら
9歳の頃のグイド自身。現実のグイドの傍らに常に現れ、彼の無邪気さや、カトリックの厳格な教育とサラギーナ(性)の間で揺れ動いた原風景を思い出させる存在です。
小柄でダンスが美しく、芝居心のある娘役の美海そらさんが少年のピュアさと危うさを演じます。鳳月グイドとの「大人と子供の対話」は涙を誘う名場面になります。
スパの聖母(姉・妹)役 = 花妃舞音 / 乃々れいあ
月組が誇る可憐な娘役コンビ(花妃・乃々)が、退廃的な世界のなかで「白く清らかな、しかしどこか不気味な聖母」としてグイドの脳内を彩るのでしょうか?
ただの背景ではない「グイドの羅針盤」?
スパの聖母(Madonna)はグイドがカトリックの教えや純潔さ、あるいは一種の精神的救済を求める時に脳内に現れる神聖な象徴です。
対比としての美しさ
娼婦サラギーナ(桃歌雪)が「肉欲や野生」の象徴であるのに対し、花妃さん・乃々さんの「聖母」は「精神の洗練や規律」を表すのでしょう。
指田先生が得意とする耽美でどこか宗教的な香りのする演出において、可憐で芝居心のあるこの二人が、グイドの精神的な拠り所、あるいは彼を追い詰める「戒律の幻影」としてデュエットや美しいコーラスを響かせるのかな?
その他の女性たち(スパの滞在者・幻影の女性たち)
マリア(咲彩)、オルガ(静音)、レナータ(蘭叶)をはじめとする残りの魅力的な娘役さんたちは、グイドの過去の女たち、スパの客、あるいは彼の映画のアンサンブル(幻影)として、「美しい女の迷宮」の壁として舞台を埋め尽くすのでしょう。
男役4人も女性役
男役4名も、女性役でした。
翔ゆり愛(109期)、陽悠はれ(110期)、光桜紀(110期)、瑠希友杏(111期)
つまり舞台に立つ男性は、グイド役の鳳月さんとその少年役の美海そらさんだけ。
指田先生の天才的な配役の妙
男役に女性役(プロデューサー・ミューズ・母)を配したことで、単なる「一人の男と美女たち」ではなく、「グイドの脳内にある異形で、退廃的で、けれど愛さずにはいられない万華鏡のような世界」がより強調された、指田先生の天才的な手腕が光る配役だと思います。
月組の期待の娘役の花妃さんと乃々さんを「9人」の中に入れなかったことも、指田先生の意図があるのでしょう。
潤色・演出 指田珠子先生について
指田先生は、大劇場公演2作、別箱公演3作、新人公演5作担当されていますが、月組を担当するのは、今回が初めてです。
先行画像からポスターへの変化の意図は?
先行画像は、スーツをスタイリッシュに着こなし、大人の色気を放つ「華やかなプレイボーイ」だったのに、ポスターでは、一転して退廃的な横向きの構図の、新作が撮れずに追い詰められ、現実と幻想の境界線を失っていく「グイドの脳内世界」を表現しているようなものに変わりました。
横顔という「視線をこちらに合わせない構図」そのものが、彼の内向、拒絶、そして精神的な迷子状態を物語っています。
指田先生はこれまでも『VIOLETOPIA』などで、どこかノスタルジックで歪んだ、狂気を孕んだ美しさを描くのを得意としてきました。
単にプレイボーイとして格好良いトップスターを見せるだけでなく、鳳月さんが持つ「陰りのある色気」や「哀愁」「脆さ」を最大限に引き出すため、あえて退廃的なフィルターを通したビジュアルを選択されたのでしょう。ボロボロに崩れていく大人の男のセクシーさを美学として昇華させる、指田先生らしい攻めの姿勢だと思いました。
このポスター一枚で、「今回の公演は単なる明るいブロードウェイ・ミュージカルではなく、人間の深淵に迫るアート性の高い舞台になる」という指田先生からの強力な宣言のように感じました。配役からもさらに。
さてどんな作品になるでしょうか?初日は45日後の9月10日です。
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