
こんにちは、くららです。
月組『GUYS AND DOLLS』の観劇の感想の続きを書いていきたいと思います。
出演者たちについての私の個人的な感想です。
主要な出演者たちについて
スカイ…… 鳳月杏
現在宝塚の中で、鳳月さんほどスーツを哀愁を漂わせながら素敵に着こなすことのできる方はいらっしゃいません。
渋くてダンディで小粋で、研20の鳳月さんには究極の男役の美学が集約されていると思います。
酸いも甘いも噛み分けたニヒルな大人の男性のスカイ役は、鳳月さんにピッタリでした。包容力満点で奥深いやさしさがあり、はじめは毛嫌いしていたサラが心を開き、次第に惹かれていくことに、とても説得力がありました。
ネイサン(風間)の私生活は、アデレイドのセリフからいろいろと想像できますが、スカイ(鳳月)は女性によくもてて、女性に不自由していないというセリフにあるだけで、私生活は謎です。その謎だらけの人物を鳳月さんが演じるから、大物感がとても漂っていました。
従来の宝塚版より2か所ブロードウェイ版に準拠したことで、スカイの出番が減っていて、出番が多くはありませんが、鳳月さんの圧倒的な存在感によって、トップスターであることはゆるぎないです。
サラ…… 天紫珠李
スタイルが良いので、救世軍の赤い制服をとてもスタイリッシュに美しく着こなされていて、「生真面目な堅物サラ」というイメージと外見は違うのですが、内面はまじめで伝道に一途なサラをうまく表現されていました。
それでいて、ハバナの酔っぱらいシーンは、振り切った演技で、かわいいサラを表現されていて、その後のスカイに対する心の変化がとても伝わってきました。元男役さんなので、演技のスケールが大きく、役に幅があって、おもしろいなと思いました。
101期の天紫珠李さんの後、男役から娘役に転向する方はあまりいらっしゃいません。(退団された方を除いて)
ネイサン…… 風間柚乃
3枚目の軽妙な演技というと、風間さんの右に出る方はいらっしゃいません。前回の星組のネイサンはコメディエンヌの紅ゆずるさんでしたが、風間さんも全然負けていません。でも風間さんは演技派なので、コメディエンヌというより、役づくりをしての3枚目。間のセンスが天才的だと思います。
紅ゆずるさんのネイサンは、アデレイドとの結婚を避けて14年間待たせているような軽薄な男でしたが、今回の風間ネイサンは、大儲けができないので結果的にアデレイドとの結婚が遠のいてしまっている情けない男・憎めない男という感じ。アデレイドがネイサンを愛しているくらい、ネイサンもアデレイドにゾッコン。アデレイドとの会話から、ネイサンのやさしい人柄を感じました。
宝塚版では「ネイサンとアデレイドとのやりとり」がブロードウェイ版からカットされていた部分を、今回復活させたことで、ネイサンの愛すべき人物像がとても伝わってきました。
宝塚ではネイサン役を、2番手男役の剣幸さん、大和悠河さん、紅ゆずるさんが演じました。3人と比較すると、リアルな感じでひげを蓄えたイケおじの風間ネイサンは、アデレイドを14年待たせている年齢の説得力がありました。
髯の風間さんと言えば、フィデル・カストロ役。専科の轟悠さん主演の『チェ・ゲバラ』で、代役で髭を蓄えたフィデル・カストロ役を見事に演じられました。もう6年前の夏になります。
アデレイド(役替)……彩海せら
彩海さんは公演プログラムで、「アデレイドにはキュートで可愛らしいイメージがあったけど、そこが第一印象ではないアデレイドにしたい」と語られていました。
整ったお顔立ちで華奢なので、外見は誰よりもキュートで可愛らしいのは当然。中身のアデレイドは、14年間待ち続けているので少々拗らせていて、押し出しが強くてパワフルな姉御肌。その実、根はネイサン一筋で、ネイサンとの将来を夢見る可愛い乙女。
彩海さんが狙ったであろうアデレイドだと思いました。そして傷ついても疑心暗鬼になっても、アデレイドがどれだけネイサンに首ったけなのかも、痛いほど伝わってきました。
驚いたのは、くしゃみがとってもリアルなこと。こんなリアルなくしゃみのアデレイドは初めて見たように思いました。
男役さんだから出せるスケール感のあるアデレイドで、低音でパンチのきいた歌声も良かったです。
彩海せらさんと彩みちるさん
彩海さんと役替わりの彩みちるさんはどちらも芝居巧者だと思います。お二人とも雪組時代からお芝居が上手なことで際立っていました。その二人が時期は違いますが、雪組から「芝居の月組」に組替えしてきて、さらにお芝居に磨きがかかって、こうして役替わりでアデレイドを競演されていて、この点も、月組『GUYS AND DOLLS』の見逃せないポイントだと思います。少し後になりますが、彩アデレイドversion観劇も楽しみです。
彩みちるさん
今回彩みちるさんは、ホット・ボックス・ドールズ役。金髪のショートカットがとても似合っていて、まぶしい笑顔が印象的でした。
彩さんはパレードの階段降りで一人で降りてこられます。2番手娘役で一人降りはほとんど無いことだと思います。
有紗瞳さんが退団された星組『1789-バスティーユの恋人たち-』の階段降りを調べてみました。マリーアントワネットを演じた有紗さんは天華えまさんと二人降りでした。やはり彩さんは特別だと思いました。
彩さんほど応援されている娘役さんもなかなかいらっしゃいません。今回で退団されるのは本当に残念です。
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礼華はる売り出し作戦
ナイスリー…… 礼華はる
「ナイスリー・ナイスリー・ジョンソン」という、底抜けに明るくて人が良い、ネイサン(風間)の仲間の年下ギャンブラー。
テンションが高めで、コミカルで、話し方も独特で、くるくる変わる表情も面白い、愛されキャラのナイスリーをそのまま体現した礼華はるさんでした。素で演じているように見えますが、それが演技だったら礼華さんはすごい役者さん。
長身でスタイルが良いので、スーツがとても良く似合います。
クリーム色の光沢のあるスーツ(ポスターと同じもの)をスタイリッシュに着こなしているので、色つきスーツのギャンブラーたちの中にいても、ひときわ目立って、まるで光をあびているようでした。
前回書いた第二幕で感動した伝道所での「座れ、舟が揺れる」ナンバーは、ナイスリーから始まるナイスリー中心のナンバーと言ってよいと思います。
番手が重視される宝塚なので、宝塚版では、「座れ、舟が揺れる」はナイスリーの心情のナンバーなのに、主演のスカイのナンバーとなっていました。2025年の月組版は、ブロードウェイ版に戻されて、礼華さんか中心となって、歌って踊っています。
観劇して驚いたのが、礼華さんの大活躍でした。礼華ナイスリーに目を奪われます。
「宝塚1stフォトブック 礼華はる」は、この舞台の初日:7月26日に発売されました。
私は「礼華はる 売り出し作戦、絶好調進行中」という感じがしました。人気がうなぎのぼりに上がっていくといいですね。
長くなってしまったので、この続きは次回にします。
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