月組『GUYS AND DOLLS』観劇感想こんにちは、くららです。

月組『GUYS AND DOLLS』を観てきました。
ミラーボールが終始まわる煌びやかで華やかで、笑いの絶えない、とっても楽しくてハッピーなブロードウェイミュージカルでした。宝塚ではオリジナルな2本立てが続いていましたが、上質な海外ミュージカルは、やはりいいなと思いました。

稲葉先生による新たな台本、訳詞、演出の月組2025新バージョンは、「芝居の月組」の持ち味が生かされていて、ドタバタしていない洗練されたハッピーミュージカルに仕上がっていました。訳詞はやはり岩谷時子先生は偉大です。

10年前の北翔さん率いる星組の『GUYS AND DOLLS』と随分っ違った印象でした。組が変わると役者が変わると、そして演出が変わると、こんなにも変わるものなのですね。そこが宝塚の面白いところです。初日の幕が上がったばかりの月組の『GUYS AND DOLLS』は、「芝居の月組」によって、まだまだ進化していきそう。

今回は三井住友VISAカード協賛です。『GUYS AND DOLLS』が冠公演になるのは初めてだと思います。冠公演で予算が潤沢だったから豪華な舞台の印象をもったのかな?特に國包洋子先生の舞台装置が洒落ていて素敵でした。映像を使っての場面転換や盆のまわり方なども斬新。

月組『GUYS AND DOLLS』の特徴

ブロードウェイの街角のプロローグ

舞台上にたくさんの人たち。それぞれ様々な設定(役)になっていて、一人であったり、グループであったり、小芝居をしています。このプロローグだけでなく、ブロードウェイの街角シーンになると、その人たちの一部が舞台上にいます。お芝居のラストも。最下級生の111期生もいるので、舞台上は大渋滞。観客は目がいくつあっても全然足りません。

その中でも、目立って見えたのは、カメラマンの翔ゆり愛さん(109期)。プロローグとラスト、ステージ中央でパシャリと写真を撮っていました。

街角の人たちがはけると、暗闇の中からハットにスーツのダンディな鳳月さんが登場してきて、とっても粋にお芝居がスタートしました。鳳月さんにはスーツが神々しいほどお似合いです。

ダンスナンバーが沢山

スカイステージの「スカナビtalk」で柊さんと羽音さんが、「男役(ギャンブラー達)のナンバーが沢山あって、怒涛のナンバー続き。ナンバーとナンバーの間でお芝居が展開している感じ」と話されていました。

まさにそんな感じで、客席はカッコイイ男役さんたちのナンバーにテンションが上がります。ショーではありませんが、みなさんショーなみに踊っていらっしゃったのでは。

柊さんによると、そのナンバーも、役のバックグラウンドを考えて、膨らませながら踊っているそう。芝居の月組の真髄ですね。

二幕の下水道でのギャンブラー達の群舞が、特にカッコよかったです。

1幕の盛り上がりはハバナ

陽気な音楽が流れ、ミラーボールがまわり、舞台に金色の幕がおりて。南国風の水玉模様の衣装の男役さんと娘役さんが歓声をあげて下手と上手の扉から走ってきて、4つの通路のそれぞれの位置に止まって、踊ってくれます。ハイタッチなども。

客席まで南国の雰囲気に包まれて、ハッピーな気分に。

その方たちが舞台に上がると、スカイ(鳳月)とサラ(天紫)が下手扉から中央通路を通って舞台に。ガイドブックを片手にハバナを観光しているお芝居中なので、客席との接触は無しかな。

ハバナの舞台装置も、はじめはぐるぐる大きく回転していたものが、後では分解されて背景になっていて、お洒落でおもしろいなと思いました。

2幕の盛り上がりは伝道所での「座れ、舟が揺れる」

今までの宝塚版では、スカイが一人で「座れ、舟が揺れる」を歌っていたそうですが、本来はナイスリーの内面を語る楽曲だったということで、今回はナイスリーの礼華さん主体の歌にされたそうです。

伝道所でギャングたちが罪を告白していく中で、ナイスリー(礼華)は自分のことを「座れ、舟が揺れる」を歌いながら語っていきます。そこに、スカイ(鳳月)やネイサン(風間)、ギャンブラーたち、救世軍の人たち、警官役の佳城さん。その場にいる人たちがからんで歌います。愉快なナイスリー(礼華)が主体なので、伝道所の椅子を使いながら楽しく歌い踊ります。素晴らしい大ナンバーになっていました。

礼華さんの歌唱力の向上は公演の度に感じていましたが、力強い歌声が素晴らしく、みんなのリード役も担われていて、「歌える男役さん」に成長されたなと感動しました。そしてこのナンバーが、私は2幕の一番の盛り上がりシーンだと思いました。

そして稲葉先生が、このナンバーを礼華さん中心のものに作り替えられたこともすごいなと思いました。序列を重んじる宝塚で、歌上手なトップスター・2番手スターを差し置いて、3番手格のスターがリード役をすることは、あまりありません。

本来素晴らしい作品をつくるためには、序列など関係ないと思います。昔の宝塚は今ほど序列に縛られていなかったと記憶していますが、現在は縛られすぎているように感じていました。

ほのぼの妄想シーン(とても短いので注意)

意気投合したサラとアデレイドが未来の夫を妄想。

アデレイドの妄想…麦わら帽子を被ったネイサンが、田舎で畑作業(上手花道&せり降り)

サラの妄想…赤ちゃんを前抱っこしたスカイが、洗濯を干しながら赤ちゃんをあやす。(舞台中央せり上がり&せり降り)あやすためスカイは終始揺れていたのも可愛かったです。

このあとサラとアデレイドの二重唱も良かったです。

この妄想シーン、あっという間にせり下がっていくので、目をこらして見る必要があります。

大団円のお芝居とロケットが交錯する新演出

ロケットの始まり方も新鮮でした。

大団円でお芝居が終わっても、出演者たちが舞台にたたずんでいます。そこにロケットメンバーたちが、上手寄りの舞台奥と下手寄りの舞台奥から、2つに分かれて登場してきました。舞台上に揃うと「ガイズアンドドールズ!」「ハッピーウェディング!」と掛け声。(ネタバレですが、ネイサンとアデレイドの結婚式で終わったので)

プログラムをみると、ラジオシティミュージックホールから、「ロケッツ」が出て、祝福して踊る設定らしいです。

舞台上の方々が、役の設定のままはけていくのが、また「芝居の月組」らしいです。演出が深いですね。

フィナーレ

群舞
日常を忘れて「あぁ、楽しかったな」というハッピーミュージカルにするために、稲葉先生はスタッフの方々に、「バカバカしく作ってください」とオーダーされたそうです。(三井住友VISA演出家インタビュー)

そのバカバカしさ強く感じたのが、フィナーレの群舞の衣装。サイコロを使って賭け事に盛り上がるギャンブラーたちのお話なのに、トランプのダイヤ模様がモチーフ。男役のスーツはアシンメトリーでお洒落だけど、ちょっととぼけた感じ。一風変わった衣装でも、恰好良く素敵に着こなして踊られるのは、流石!

はじめは鳳月さん中心のナンバーから。
次に風間さん中心のナンバーに。堂々と2番手スターの風間さん。
娘役たちの先頭で踊るのは、彩みちるさん彩海せらさん。娘役の中で華奢な彩海さんは、1ミリも男役の片鱗がありません。とってもキュート!

デュエットダンス
デュエットダンスの衣装は、お洒落で煌びやかで品があって、とっても素敵です。バカバカしさ要素は群舞の衣装のみ。ご心配なく。
大階段の中央で天紫さんが踊っているところに、上から鳳月さんが降りていらして、天紫さんの手に鳳月さんがキス。鳳月さんはヘッドベルトをつけていらして、王子様風。おとぎ話の世界のような淡い雰囲気の素敵なデュエットダンスでした。

大階段と舞台だけで、銀橋は使わなかったのは、前回の花組と同じです。

新しく研2生が配属され、111期生B班が加わった83名のパレードは圧巻でした。白河りりさんの休演が残念です。東京公演までには復活できますように。

鳳月さんご挨拶

「びあ」の貸し切り公演だったので、最後に鳳月さんのご挨拶がありました。

「ハッピーミュージカルを観て、元気な気持ちで帰っていただければ」と話していらっしゃいました。

最近夏バテ気味で、宝塚大劇場までの道のりが暑すぎて、バテそうでしたが、ハッピーな舞台を観て沢山笑って元気になって帰ってくることが出来ました。ブログを書く元気も残っていました。

終演後は、上垣さん指揮の明るい追い出し演奏もありました。
追い出し演奏も、前回の花組と同じです。元気な気持ちになれます。

公演時間に注意

第一幕 1時間15分
‐幕間‐ 30分
第二幕 1時間15分

一幕が通常の90分ではなく、75分です!通常とは違います。

二幕が通常より15分早く始まるので、幕間休憩の時間を間違わないでくださいね。私勘違いしそうになりました。

長くなったので、「役についての感想」などは、次回書きたいと思います。

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