年度賞から考察できる人事2025

こんにちは、くららです。
宝塚歌劇団に関して様々な賞があります。
その中で一番重みがあると感じているのは、本家宝塚歌劇団が選出し、年度ごとに発表する「年度賞」です。
前年度の舞台での功績に対して贈られます。そのため受賞年より一つ前の年度になります。

2025年に発表されるのは2024年度の年度賞です。(対象:2024年4月~2025年3月)
それぞれの賞に意味があり、また今後の人事を推察することができます。

年度賞のお知らせ時期は?

「年度賞」は、まず宝塚歌劇の機関誌で発表され、その後授賞式があり、スカイステージのニュースで10月に放送されます。

「2024年の年度賞」は、2025年「歌劇8月号」に、「2023年の年度賞」は、2024年「歌劇8月号」に掲載されました。
「2022年の年度賞」は、2023年「GRAPH8月号」に、「2021年の年度賞」は、2022年「GRAPH8月号」に掲載でした。

年度賞の内容

下記の7つの項目です。
優秀賞、努力賞、アーティスト賞、新人賞、特別賞、奨励賞、団体賞。

「特別賞」は文字通り特別な賞です。松本悠里さん轟悠さんが、2020年度特別賞を受賞されてから3年間受賞者なしです。

今年の「特別賞」は「令和のトップ オブ トップ」として8月10日に退団予定の、宝塚を牽引し大活躍された礼真琴さん。
礼真琴さんが受賞せずして誰が受賞するという重みがある特別賞。おめでとうございます。そして今までありがとうございます。

「奨励賞」は劇団のレッスンに熱心に通い、努力を重ねた生徒に贈られる賞です。
今年は4人の方が受賞されました。
美風舞良(花組・組長)、颯香凛(星組 99期)、輝ゆう(宙組 102期)、月翔きら(花組 106期)
020年度からは選出者がいませんでしたが、今年は久しぶりに選出されました。

5つの賞について説明、考察していきます。

5つの年度賞について

優秀賞

永久輝せあ(花組)、夢白あや(雪組)

トップスター、トップ娘役に、基本的に就任順に贈られます。

2024年度優秀賞:永久輝せあ夢白あや

2023年度優秀賞:彩風咲奈

2022年度優秀賞:月城かなと舞空瞳

2021年度優秀賞:柚香光礼真琴潤花

2020年度優秀賞:真風涼帆星風まどか

2019年度優秀賞:珠城りょう真彩希帆

通常「就任順」に受賞されますが、この就任順がくずれた場合「もしかして、次の年度賞までに退団される?」と思ったら、そうである場合があります。

月城かなとさんの場合

2023年は、「2022年度優秀賞」を月城かなとさんが、4か月はやくトップに就任した彩風咲奈さんより先に受賞されました。
 月城かなとさんは2024年7月7日退団。(2024年の発表時には退団)

昨年(「2023年度優秀賞」を彩風咲奈さんが受賞されました。
 彩風咲奈さんは2024年10月13日退団。(2024年の発表時に在籍)

潤花さんの場合

2022年は、潤花さんが、「2021年度優秀賞」を2年以上先に就任した舞空瞳さんより先に受賞されました。
 潤花さんは2023年6月11日退団。

優秀賞を受賞していないトップスター

今年4月27日退団された芹香斗亜さんは受賞されていません。残念なことです。

2019年に退団された紅ゆずるさんは、同時期に退団した明日海りおさんと共に「特別賞」を受賞されたので、優秀賞は受賞されていません。

トップ娘役は、優秀賞を受賞していない方も多いです。
受賞していないトップ娘役さん

花組:華優希、仙名彩世、花乃まりあ
月組:海乃美月、美園さくら
雪組:朝月希和、愛加あゆ
星組:妃海風

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気になった鳳月さんの受賞について

研19でトップに就任された鳳月杏さんは、任期が短いのではないかと予想する方もいらっしゃいます。

来年の宝塚大劇場3作目公演
宝塚:2026年4月4日〜5月17日
東京:6月6日〜7月19日 大千秋楽7月19日

この公演で鳳月さんが退団される場合は、今年優秀賞を受賞される可能性が高かったですが、受賞されませんでした。来年7月の退団は無いと思われます。

下記3人のトップスターは、トップ就任時期が近いです。「宝塚おとめ」の表紙は就任順で今年は永久輝せあさんでした。優秀賞も就任順で永久輝せあさんでした。

永久輝せあ()…2024年5月26日就任
鳳月 杏() …2024年7月8日就任
朝美 絢() …2024年10月14日就任

2026年2月22日に退団予定の夢白あやさんは、今年優秀賞を受賞されました。

努力賞

舞台で活躍した路線スターと専科の方に贈られます。

2024年度:高翔みず希(専科)、 悠真倫(専科)、瑠風輝極美慎縣千春乃さくら

2023年度: 鳳月杏(3度め)、水美舞斗(2度め)、輝月ゆうま(専科)、瀬央ゆりあ(2度め)、永久輝せあ(2度め)、夢白あや

2022年度: 一樹千尋(専科)、凪七瑠海(2度め)、 桜木みなと、暁千星、 風間柚乃、聖乃あすか

2021年度: 夏美よう(専科)、鳳月杏(2度め)、芹香斗亜(3度め)、水美舞斗、朝美絢(2度め)、天彩峰里

2020年度: 汝鳥 伶(専科)、彩風咲奈(2度め)、月城かなと(2度め)、和希そら(2度め)、永久輝せあ

2019年度:芹香斗亜(2度め)、愛月ひかる、朝美絢、朝月希和海乃美月

2018年度:凪七瑠海、瀬戸かずや、鳳月杏、月城かなと、瀬央ゆりあ、星風まどか

アーティスト賞

過去1年間、歌唱・舞踏・演技いずれかの分野で、特に秀逸な技術力あるいは芸術性を発揮した人に贈られる賞です。2019年度より新設されました。この賞は秀でた実力をみとめられるものなので、生徒さんご自身にもとても励みになると思います。

2024年度:美稀千種、 佳城葵

2023年度:彩みちる真白悠希

2022年度:小桜ほのか優希しおん

2021年度:若翔りつ風間柚乃

2020年度:寿つかさ有沙瞳

2019年度音くり寿光月るう

新人賞

受賞者は、トップスター、トップ娘役に就任する確率が高いです。【トップスター、トップ娘役を太字】

今年は風色日向さん(宙組)が受賞されました。

2024年度風色日向

2023年度:詩ちづる星空美咲華世京

2022年度:彩海せら天飛華音音彩唯

2021年度礼華はる縣千

2020年度:該当者なし

2019年度潤花瑠風輝
2018年度風間柚乃聖乃あすか舞空瞳
2017年度暁千星有沙瞳華優希
2016年度水美舞斗永久輝せあ星風まどか
2015年度月城かなと桜木みなと海乃美月
2014年度柚香光綺咲愛里
2013年度珠城りょう礼真琴咲妃みゆ

娘役さんは受賞後そんなに間をあけず、トップ娘役に就任されている場合が多いです。

【トップ娘役就任と受賞について】

星空美咲さん 受賞年の2024年5月26日就任、受賞より就任の方が先でした。
詩ちづるさん 受賞年の翌年2025年8月11日就任予定。
音彩唯さんは、2022年度に105期の中で誰よりもはやく受賞。
潤花さん、舞空瞳さん、華優希さん、星風まどかさんは、「新人賞」受賞後まもなくトップ娘役に就任されていました。朝月希和さんは「努力賞」受賞後、すぐにトップ娘役に就任。トップ娘役就任のために年度賞を受賞するという流れがありました。
しかし現在トップ娘役の夢白あやさん春乃さくらさん天紫珠李さんは、新人賞を受賞されていません。歴代受賞者をたどると、半分以上のトップ娘役が受賞していないのは、大変珍しいケースです。

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団体賞

対象年度の特定の演目や場面の出演者全員が対象となる賞です。組全体の活躍を称える賞とも言えます。受賞者たちにはとても励みになるようです。ファンも舞台の素晴らしいシーンを目にすると、「団体賞をとるのでは?」と想像したりします。

今年は二つの組が受賞されました。

雪組『ベルサイユのばら―フェルゼン編―』公演全体と出演者全員

星組『ANTHEM―アンセム―』公演全体と出演者全員

星組は4年連続で受賞しました。礼真琴さん率いる星組の強さを感じます。

2023年度
星組『RRR×TAKA”R”AZUKA〜√Bheem〜(アールアールアール バイ タカラヅカ〜ルートビーム〜)』第7場M13「ナートゥ Naatu Naatu」該当場面の出演者全員

2022年度:2組受賞
星組『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
第4場 「出撃(ジョージアンダンス)」ディミトリ(礼真琴)他ジョージア軍。

宙組『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』
第9場「無名街」(ダンスシーン)スモーキー(桜木みなと)ほかRUDE BOYS。

2021年度:2組受賞
花組『The Fascination!』第5章The Fascination Flower!〜第6章オマージュ 該当場面の出演者全員

星組『モアー・ダンディズム!』第2章ミッション 該当場面の出演者全員

2020年度:2組受賞
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花と-』第4場(A、B)月の巻 該当場面の出演者全員

雪組『シルクロード〜盗賊と宝石〜』第5章(S14〜16)中国・蒼く燃え立つ、緋き夜 該当場面の出演者全員

2019年度:2組受賞
花組『恋スルARENA』公演全体と出演者全員

雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』公演全体と出演者全員

組を色分けして表示したら、団体賞受賞に組によって偏りがあることがわかります。

過去の団体賞を受賞した組

2024年度:雪組星組
2023年度:星組
2022年度:星組
2021年度:花組星組
2020年度:月組雪組
2019年度:花組雪組
2018年度:雪組星組
2017年度:花組雪組
2016年度:花組月組
2015年度:花組月組
2014年度:花組
2013年度:月組
2012年度:宙組星組
2011年度:星組
2010年度:宙組星組
2009年度:星組宙組
2008年度:星組

海外公演を行った組には、その年度の団体賞が送られています。

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路線スターたちの受賞歴(トップスター除く)

2番手スター(2025年8月11日~)

便宜上星組は少し先走って、トップ交替後の番手にしています。ご了承ください。

聖乃あすか(100期) 2018年度新人賞。2022年度努力賞。

風間柚乃(100期)  2018年度新人賞、2021年度アーティスト賞。2022年度努力賞。

瀬央ゆりあ(95期) 2018年度、2023年度2回の努力賞。

瑠風輝(98期)   2019年度新人賞、2024年度努力賞

水美舞斗(95期)  2016年度新人賞。2021年度、2023年度2回の努力賞。

3番手以降のスター

今年は「1stフォトブック」が発売される、下記7名のスターの受賞歴をまとめてみました。

極美慎(100期) ……2024年度努力賞

縣 千(101期) ……2021年度新人賞、2024年度努力賞

鷹翔千空(101期)……なし

礼華はる(101期)……2021年度新人賞

彩海せら(102期)……2022年度新人賞

天飛華音(102期)……2022年度新人賞

風色日向(102期)……2024年度新人賞

来月「ステップ・バイ・ミー」で、バウホール公演の初主演予定の106期の華世京さんは、昨年「新人賞」を受賞されています。誰よりも順調にスター街道を進んでいることがわかります。

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