同期渋滞で専科異動した成瀬こうきさんと95期
こんにちは、くららです。
先日の月組全国ツアーでの研2の一輝翔琉さんの活躍には目を見張るものがありました。
初舞台ロケットの時からセンターで目立つ活躍をされていました。

その時から「一輝さんが似ているな」と思い続けているのは、77期生成瀬こうきさんです。

一輝翔琉さんと共通点の多い成瀬こうきさん

成瀬さんは、長身(172cm)で小顔で長い手足に、高い鼻に切れ長の目。
華やかで爽やかで気品漂うビジュアル満点のスターさんでした。
初舞台の時から、とても目を惹く存在で、そのあたり一輝さんといろいろと共通しています。

当時は今ほど「スタイル良し」の生徒さんがあまりいらっしゃらなかったので、とにかくビジュアルで目立っていて、「男役をするためにいらっしゃるような新しいタイプの男役さん」と注目していました。
「将来トップスターになるに間違いない」と思っていたファンは多いと思います。

スター揃いの77期生

1991年、月組『ベルサイユのばら-オスカル編-』で初舞台を踏んだ77期生は、現在の95期生と同じように、粒ぞろいのスターさんが揃っていました。

春野寿美礼さん朝海ひかるさん安蘭けいさん花總まりさん、トップには就任されませんでしたが汐美真帆さんなど。

現在スカイステージで、「逸翁コンサート えまおゆう×成瀬こうき~帰ってきたタカラジェンヌ~Vol.88」が放送されています。

1作トップの絵麻緒ゆうさんと『追憶のバルセロナ』で同時退団されました。
今年が退団20周年とのこと。退団公演がつい先日のように思いますが、月日が経つのははやいですね。

成瀬こうきさんの経歴

初舞台後は月組に配属。入団時の成績は40人中4番。
人公演主演4回バウホール主演3回(ただしW主演や3人主演で単独主演は無し)。

月組時代は抜擢に勢いがありましたが、4期下の大和悠河さんが入って来て、「ワン・モア・タイム!」バウ公演を二人でW主演しました。

その後雪組に組替。
同期の安蘭けいさん、朝海ひかるさんと「3兄弟」と呼ばれて、雪組人気のために売り出し作戦が展開していました。
バウでのリサイタル形式のショー『The Wonder Three』(1999年)も、3人が主演でした。
安蘭さんが東上公演『ICARUSー薔薇の追憶の果てにー』で主演され、朝海さんと成瀬さんが『SAY IT AGAIN』バウW主演された時もありました。

2000年の「凱旋門」の役替わり公演で、当時研9だった朝海さんが主演し、同期の安蘭さん成瀬さんは2・3番手役でした。
新人公演主演経験が無かった朝海さんは、この役替わり公演で主演したことで「主演」という経験値を持ちました。
その後安蘭さんは星組に組替されました。

成瀬こうきさんのインタビュー記事

―― 退団はどのくらいから考え始めていたんですか?
10年目くらいで、『凱旋門』あたりですね。今すぐ退めようというのではなく、その先を考えながら、宝塚での終わりかたを考えました。ちょうど30歳だったし、人生先に進むならそろそろかなと。

その頃は同期の安蘭けいと朝海ひかると一緒にやることが多かったから、とにかく一度1人になりたいと思ったんですよ。先に安蘭けいが星組に行くことが決まって、その時に「私は?」って思ったんですけど「あなたはまだ雪組にいて2人でがんばってほしい」と言われて、でも私そんなに長くはいないかも…、と心では思っていたんです。引用宝塚プレシャス成瀬こうき

各組同期がいるため、志願して専科に

出来れば他の組に出して欲しいと思ったけれども、各組に同期がいて頑張っているので、「1人の成瀬こうきとしてがんばってみたい」と思って、専科入りを希望されたそうです。

劇団に聞きに行ったら「エーッ」と驚かれたそうですが、受理されて2001年専科へ異動。

当時の専科について
2000年6月1日付け新しい専科制度が導入されて、各組の2番手、3番手が専科に異動していました。スターの専科のことを「新専科」とファンは呼んでいました。 当時の理事長・植田紳爾の肝煎りで導入された制度です。
77期の春野寿美礼さんや朝海ひかるさんをトップスターにするための制度だったのかな、と後になって思いました。

スターが詰まっている77期の中で、成瀬さんは当時何となく自分の将来がみえてきていたのでしょうね。

専科生として出演したのは、宙組の『カステル・ミラージュ -消えない蜃気楼-』『ダンシング・スピリット!』1作だけでした。

それがフタを開けたら意外と早く退めることになったのは、もともと正塚先生の作品で絶対退めたいと思っていたところ、翌年正塚先生の作品があって、しかも大好きな雪組、というのがわかったからで。それで一気にこれかなと思ったんです。いわば鐘が鳴った感じですね。これで最終章が飾れたらそれが一番いいと思えたし、実際、望み通りにやらせていただけて、本当に幸せでした。引用宝塚プレシャス成瀬こうき

この退団公演が絵麻緒ゆうさん1作トップの雪組公演『追憶のバルセロナ』『ON THE 5th -ヴィレッジからハーレムまで-』でした。
この作品の後、朝海ひかるさんが雪組トップスターに就任されました。

当時は次期トップスターの発表がとても遅くて、宝塚大劇場での公演中は「多分朝海さんだろうな」と思いながらも、発表されていなかったと思います。
そして発表されても、いろいろとWEBの掲示板などで反発が大きかったように記憶しています。
当時はネットが普及し始めた頃なので、WEB上にいろんな掲示板がありました。
個人が掲示板をもっていて、そこで会話などしていたものです。

『追憶のバルセロナ』は2019年に宙組の全国ツアーで再演されました。
トップの絵麻緒ゆうさんの演じたフランシスコ役真風涼帆さん
成瀬こうきさんの演じたアントニオ役芹香斗亜さん
次期トップの朝海ひかるさんが演じたロベルト桜木みなとさんが演じました。

ずっと星組生だった絵麻緒さんは、専科時代に雪組に特出して、退団公演の1作前の轟悠さん最後の雪組公演から雪組生となって出演して、1作トップとして出演されて退団されました。星組ファンには雪組のトップとして退団されることも受け入り難かったと思います。

絵麻緒さんは退団会見で、「1公演だけで退団するのは残念だけれど、劇団の方針に従いました」と、はっきりご自分の意見を述べられました。
そして絵麻緒さんと一緒に1作だけトップ娘役に就任して退団した紺野まひるさんは、新人公演のヒロインを7回つとめ、その他の公演でも多くのヒロインをつとめた期待の娘役さんでした。入団当初からビジュアルの良さが何かと話題になっていました。
その後の活躍も期待されていたと思いますが、絵麻緒さんと共に退団の道を選ばれました。

成瀬さんのインタビューを読んで驚いたのは、専科生が自分の卒業公演を選べたことです。自分で志願して専科に異動されたので、ご自分の最後もご自分で選べたのでしょう。

専科に異動して1作であっさり退団されることになって、「えっ退めるの?」と私も驚きましたが、最初ファンの方々がとても動揺されたそうです。
そしてファンの方々にちゃんと理由も話して納得してもらって、最後は応援してもらったそうです。

当時は「新専科騒動」と言い、「1作だけトップ」と言い、劇団のやり方が強引な面もあったので、会見でスターたちの心のうちもストレートに表明されて、ファンにとってわかりやすいところもありました。

最近のスターさんたちは、皆さん品行方正というか人格者で、波風立つようなことを口にされません。
でも、心の中で思われていることは、20年前も現在もそんなに変わらないのかもしれません。

劇団がファンが酷く反発するようなことを、やらなくなっています。
でも「今後はわからないぞ」とも思っています。

成瀬さんの近況

2002年9月23日に宝塚歌劇団を退団された成瀬さんは、2004年、充電期間を経て、女優として活動を再開されました。
2006年11月1日に入籍して、2008年5月11日に男の子を出産され、現在はお子さんも成長されたので、活躍の場を増やしていらっしゃいます。
成瀬さんのインスタには、息子さんもたびたび登場されています。

成瀬さんは、必ず先に目標を持って、流されないで着実に足を進めていかれるタイプだそうです。
2006年のインタビューでは、仕事もしながら本名の自分も持っている「シルバータレント」が目標とこたえていらっしゃいました。

77期との共通点はスター揃いの95期

77期はトップスターが春野寿美礼さん、朝海ひかるさん、安蘭けいさんと3人輩出され、トップ娘役は花總まりさん。他にもスターさんが沢山いらっしゃいました。
「スターの期」であることに、95期と共通点を感じます。

「同期3兄弟」として売り出されて、「1人の成瀬こうきとしてがんばってみたい」と思っても、どの組でも同期が頑張っているので、どの組に行っても競合してしまうところは、現在の95期のスターと同じです。
そのため、成瀬さんは敢えて専科を希望されました。

トップスターの輩出人数について

現在95期のトップスターは3人です。
「トップスターに就任されるのかな?」という95期のスターさんも、沢山いらっしゃいます。

トップスターを一番多く輩出した期は何人なのでしょうか?

71期のトップスター4人が最多
愛華みれさん、真琴つばささん、稔幸さん、轟悠さん。

73期もトップスター4人だが…
天海祐希さん、姿月あさとさん、絵麻緒ゆうさん、匠ひびきさんの4人がトップに就任されましたが、絵麻緒さんと匠さんは「1作トップ」なので、ちょっと通常のトップスターとは違います。

現在の所、同期から4人のトップスターの輩出が最大値です。

95期は、4人のトップ輩出になるか?いやそれ以上になるか?皆が注目しています。
5組に95期のスターが詰まっているので、「ひとまず専科に」ということも一つの選択肢かもしれません。

95期では輝月ゆうまさんが専科に異動されて、引く手あまたの大活躍をされています。
今年の「宝塚GRAPH」2月号・インタビューによると、自分のようなポジションを下級生にも経験して欲しいと思うようになって「退団」も視野に入れ始めていた所、専科異動をすすめられて、現在に至っていらっしゃるそうです。最高の選択をされたと思います。

そして、今度専科の凪七瑠海さんが星組全国ツアーの主演をされます。
「専科」が何となく変わってきているように思います。

専科という選択肢もありかなと思ったりしています。

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