『殉情』のヒロインと花組の娘役状況
こんにちは、くららです。
本日は花組バウ・ワークショップ『殉情』のヒロインが発表されました。

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『殉情』のヒロインについて

佐助  帆純 まひろ(99期)
春琴  朝葉 ことの(103期)

佐助  一之瀬 航季(100期)
春琴  美羽 愛(104期)

ヒロインは朝葉(アサノハ)ことのちゃん美羽愛ちゃん。主演者とは共に4学年違い。

美羽愛ちゃんは、新人公演のヒロインに既に2度抜擢されています。「はいからさんが通る」は、新人公演は中止になってしまいましたが、カウント数は多分2回。
愛ちゃんは音楽学校時代に朝美絢くんにお手紙を送ったご縁から、あーさの「ファーストフォトブック」のモデルに3年前に抜擢されて以来、104期の娘役の中でも多くの活躍の場が与えられている娘役さんです。

それに対して、朝葉ことのちゃんは実力派だとファンに認識されつつも、大きな抜擢が無かったので、今回の抜擢を喜んでいるファンが多いですね。
私も良かったなと思いました。

春琴は、大阪の方言である船場言葉を流ちょうに話すことも重要です。
美羽愛ちゃんは大阪府豊中市出身、朝葉ことのちゃんは東京都出身。
ことのちゃんには方言のハンディがありますが、耳が良さそうなので巧みにこなされそう。

『殉情』の春琴の役とは?

原作は谷崎潤一郎『春琴抄』です。

ヒロインの春琴は、薬問屋の盲目のとってもわがままな性格のお嬢さん。気性が荒く意地悪で、とても難しい人。
丁稚の佐助が、そんな春琴に献身的に仕えていく物語で、マゾヒズムを超越した本質的な耽美主義の作品と言われています。

石田先生の『殉情』は、春琴と佐助の人生に興味を持った若いカップルに、郷土史研究家が説明する形で進んでいきます。

春琴は、宝塚らしい可憐な娘役とはちょっと違った、演技力がとても必要な役だと思います。
それは今から40年前の月組公演からわかります。

40年前の今では信じられない「トップお披露目公演」

大地真央さんの相手役は、黒木瞳さんだと誰もが認識していますよね。

二人のトップお披露目公演は、1982年の「情熱のバルセロナ」でした。
現在宝塚大劇場で星組が上演中の『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』では、中詰めの最初に極美慎くんがせりあがって来て、「情熱のバルセロナ」の主題歌を歌っています。

その公演の併演は、原作が『春琴抄』の「愛限りなく」でした。
佐助大地さん春琴春風ひとみさんが演じられました。黒木瞳さんでは無かったのです。

「えっ、どういうこと?」と思われた方も多いのでは?
今では、トップお披露目公演で、主演の男役さんが別のヒロインの娘役さんと組むなんて考えられません。
当時は「情熱のバルセロナ」のみトップお披露目公演という位置づけだったようです。

黒木さんは研2で「情熱のバルセロナ」のトップ娘役に抜擢されたので、併演の「愛限りなく」のヒロインを演じるには荷が重すぎたのでしょう。

その一つ前の榛名由梨さん月組本公演最後の「あしびきの山の雫に」で黒木さんは石川郎女役を演じ、ショーでも役がついていました。
その次のバウ公演「シブーレット」では、大地さんの相手役のシブーレットを演じていたので、新しく月組トップスターに就任する大地さんの相手役は黒木さんとみんな認識していました。(榛名さんはこのバウ公演を最後に専科へ異動)

春風ひとみさんは黒木さんの2期先輩で研4でしたが、実力派娘役さんでした。
現在もミュージカルなどで活躍されています。

宝塚での原作『春琴抄』作品の経緯

絵麻緒ゆう(現在えまおゆう)さんが星組時代に、はじめて石田先生の脚本演出の『殉情』を演じられました。(今回と同じもの)

初演は、1995年星組のバウホール公演で、春琴は月影瞳さんでした。

そして2002年、絵麻緒さんが雪組新トップコンビ披露公演としてバウホールで再演されました。
春琴は紺野まひるさんでした。

『殉情』は、絵麻緒さんの代表作だと言われています。

2008年、宙組バウ・ワークショップとして『殉情』がバウホールで演じられました。

佐助:早霧せいな、 春琴:和音美桜
佐助:蓮水ゆうや 、 春琴:すみれ乃麗

映画の『春琴抄』について

舞台は宝塚の1982年の「愛限りなく」が最初でしたが、映画化は1935年からされています。
一番最初のものはも『春琴抄 お琴と佐助』で、春琴:田中絹代 、佐助:高田浩吉。時代を感じますね

1976年『春琴抄』春琴:山口百恵、佐助:三浦友和。私世代には懐かしいです。

ドラマもいろいろと上演されていたようです。

宝塚では佐助が主役ですが、宝塚以外ではおおむね春琴が主役です。

朝葉ことのちゃんについて

「プリ×プリティータイム」

2019年、柚香光くんが二番手時代に「タカラヅカニュース」の「プリ×プリティータイム」にプリンスとして出演されて、103期朝葉ことのちゃん詩希すみれちゃん二葉ゆゆちゃんの3人がプリンセスでした。

れいくんの娘役さんの心を優しく包みこむ、まるでカウンセラーのようなエスコートぶりがとても印象的でした。

・ことのちゃんへのれいくんの言葉が素敵
柚香:『「はいからさんが通る」の女中役でお茶をもって捌けていくだけのお芝居なのに「芸歴30年か」と思うほど素晴らしく、本当に魅力のあるお芝居をする人は、通行だけでも心をもっていかれるのだ、と言う芝居の威力さえ感じ、学ばせてもらいました。』

お芝居のセンスがある「芝居の人」なのですね。

水美舞斗さんスペシャルライブ『Aqua Bella !!』2021年1月

水美さんのライブに、帆純まひろくん侑輝大弥くん朝葉ことのちゃん二葉ゆゆちゃんが出演されていました。
「A whole new world」で水美さんとことのちゃんがデュエットしていました。
「You raise me up」のことのちゃんのちゃんの歌がとっても上手で、感動しました。

私は配信でこのライブを見ましたが、下記のように感想を書いていました。

朝葉ことのちゃん(103期)は、歌って踊れる実力派娘役さんだと知りました。元々お芝居が上手だなとも感じていました。
花組は娘役さん不足と言われたりしていますが、ことのちゃんはもっともっと活躍の場を与えられるべき人です。でもヒロインタイプの娘役さんでは無いかな。引用くららの宝塚ブログ

朝葉ことのちゃんは、103期の音楽学校首席入学でした。

若手の歌上手さんやホープ男役さんが出演していた、スカイステージの「うたごころ。」の22回に、同期の希波らいとくんと出演して、美しい歌声を聞かせてくれていました。

103期の三人娘、「朝葉ことの、詩希すみれ、二葉ゆゆ」は、花娘らしい雰囲気があります。
詩希すみれちゃんは、花組の娘役代表として「さよなら皆様」の新録音に参加されていました。

「さよなら皆様」の若手歌手

花組  詩希すみれ(103期)
月組  きよら羽龍(104期)
雪組  有栖妃華(102期)
星組  都優奈(102期)
宙組  朝木陽彩(104期)

他の組の娘役さんたちは、歌でとっても活躍されていますが、詩希すみれちゃんは花組で「歌の人」として歌が沢山振られてはいません。勿体ないなと思います。

103期の琴美くららちゃんは、今まで大きな抜擢はありませんでした。
この春に「ファーストフォトブック永久輝せあ」にモデルとして抜擢され、続いて永久輝さん主演の『冬霞の巴里』ではイネス役で印象に残りました。

花組では104期の娘役さんを積極的に抜擢している印象がありましたが、103期の娘役さんも満遍なく抜擢している感じもします。

花組の娘役さん状況

残念なことに、若草萌香ちゃん(99期)と音くり寿ちゃん(100期)が、今度の本公演で退団されてしまいます。

『巡礼の年』以降も在籍する花組の娘役さん

・美風舞良組長
・星風まどか(100期)トップ娘役

・華雅りりか(94期)、春妃うらら(97期)、凛乃しづか(99期)

・糸月雪羽(100期)、咲乃深音(101期)、鈴美梛なつ紀(102期)、三空凜花(102期)

103期
朝葉ことの詩希すみれ二葉ゆゆ琴美くらら

104期
都姫ここ愛蘭みこ美羽愛美里玲菜

105期
星空美咲稀奈ゆい湖華詩初音夢

106期
湖春ひめ花、美遥あゆ、真澄ゆかり

107期
七彩はづき、静乃めぐみ、咲良さき

103期以降の娘役さんを色分けしてみました。
新人公演ヒロイン経験のある娘役さんは赤色
何か抜擢された記憶がある娘役さんはオレンジ色

ダントツで星空美咲ちゃんが抜擢されていて、続くのが美羽愛ちゃん
今度の新人公演でも、ヒロインは星空美咲ちゃん、娘役2の音くり寿ちゃんの役は美羽愛ちゃんです。

歌唱力について
「歌唱力が大切」と言われる中、星空美咲ちゃんの歌唱力は抜群ですが、美羽愛ちゃんは 『元禄バロックロック』の宝塚の新人公演を見た限りでは、歌だけが残念な気がしました。
たまたまその日が喉の調子が悪かったのかもしれません。

歌唱力という点では、花組には歌える娘役さんが沢山いらっしゃいますが、それが決め手では無いのだなと思いました。

そして多くの娘役さんが、何らかの抜擢を受けています。
突出した二人の娘役さんを除いて、それぞれに活躍の場が与えられていて、全体主義的な感じもします。

朝葉ことのちゃんと美羽愛ちゃんの春琴は、全く違うタイプの春琴になりそうな気がして、楽しみです。
バウホール公演て言うと、なかなかチケットが手に入らなくて諦めることが多かったですが、帆純 くん主演公演も一之瀬くん主演公演も配信があると思うので、楽しみに待ちたいと思います。
その前に、友の会の抽選にもかけたいです。

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