ザ・真ん中スター縣千と雪組新人公演
こんにちは、くららです。
雪組『夢介千両みやげ』新人公演を配信で見ました。

4月12日の宝塚大劇場での雪組新人公演は生観劇しました。
宝塚での新人公演が千秋楽に近かったので、東京でのものはその約1か月と1週間後。こんなに宝塚と東京の間が短い新人公演も珍しいです。

新人公演の配信は、前回の縣千くん主演の『CITY HUNTER』から始まりました。
縣くん主演の新人公演の配信は今回で2回目になります。
(主演の新人公演は東西で2回とも2無事に上演できました。)
さらに今年の1月のバウ初主演の『Sweet Little Rock ‘n’ Roll』も完走でき、こちらも配信もされました。

10月14日が『CITY HUNTER』の新人公演の配信日でした。
それから7か月の内に3回主演の作品がライブ配信されています!

この回数は、トップスターさんよりも多いかも。
とっても運をもっているスターです!

そして今回の配信を見ても、運だけでなく、真ん中力を持っている根っからのスターだと思いました。

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縣千くんの夢介について

宝塚での観劇の感想を書いた時に、「縣くんの夢介は男前そのままで、本役の彩風さんの夢介とは役創りが違っていて、縣くん色の夢介だった」と感想を書いていました。

「タカラヅカニュース」で新人公演の映像を見ていると、縣くんの夢介のヌボッーとした表情が映っていました。
私は双眼鏡頼りの遠い席から見たので、舞台上の表情までしっかり見えていませんでした。
私の「男前だった」という印象は間違っていたのかな?と少し反省。(ブログを書いてから後で「間違っていたかな?」と思うことはしょっちゅうです)

そんな時、ラジオの『ビバ!タカラジェンヌ』に縣くんが出演して、縣くんの考えた「夢介の演技プラン」を話されていて、合点がいきました。

縣くんの考えた「夢介プラン」

つかみは縣千
最初のせり上がって仁義を切る口上のところは、縣千として演じて、その後から夢介設定だったそうです。

初っ端のつかみの部分で「男前の縣千」として魅せられたら、そのイメージが焼き付いてしまって、その後ヌボッーとした雰囲気で夢介が演じらても、「男前の縣千」の印象は薄れませんよね。
それに目鼻立ちの整った、キリリとしたお顔はそのままなのですから。

のっそりとした、訛ったイントネーションで話されていましたが、それだけで「ぼーっとした牛のような男」のイメージには到底なりません。

縣君の考える夢介のイメージ
縣くんは原作を読んで、爺やと畑仕事をして、お腹がすいて大盛りに食べて、幸せな中で愛されて自然の中で過ごしている夢介が江戸に修行にやって来たとイメージして演じていたそうです。

そのイメージ通りの、おおらかで明るくて人が良くて、やさしい夢介が演じられていました。
田舎の人らしいぼやぼや感もあって、まわりに振り回されてしまう。

しかし縣くんのプランの中に、「ぼーっとした牛のような男」のイメージは無いように思いました。
彩風さんは、人間の器の大きさと相まってとても上手にそのあたりを表現されています。

本役の彩風さんの夢介とは、そのあたりの役創りが違う。
彩風さんや新人公演の演出の生駒先生は縣くんに自由に演じることを任せられていたのでしょう。

「自分の思った夢介をやれて、大きな経験になった」とも話されていました。

東京での新人公演も「自分の思った夢介をやる」その延長で演じられていたように思いました。

「田舎っぽい夢作」スイッチを押して演じようとしながらも、生き生きと演じていたら「縣千」がでてしまう。そんな感じに私には見えました。ご本人もそのスイッチを押し続けていなくても良い構えのような。自然体で。

そしてラスト近くの、伊勢屋の店先で悪七に対して啖呵を切るところは、冒頭の口上と同じように「男前の縣千」で格好良く演じると決めていたように思いました。本当にキリッと格好良さが決まっていましたから。

宝塚は格好良い男役を魅せるところなので、新人公演では縣くんの考える夢介プランで正解だと思います。(本公演ではそうはいきません)
新人公演で自分の思う役創りを貫けるのも大物の証拠だとも思いました。

何と言っても、縣くんはみんなの真ん中に立つ姿が、とっても似合っていました。
センターに立つと、更にキラキラが発光しているような。

今回の配信を通しても「ザ真ん中スター縣千なのだ」ということを、しっかり感じました。

106期の3人が大健闘

106期生は研3になったところです。
初舞台が9月だったので、初舞台を踏んでからまだ2年経っていません。
今回の新人公演では、その106期生が波線上の3役のうちの2役をしめていました。
そして本公演で大抜擢されている華世京くんの役を106期の霧乃あさとくんが演じていました。

お銀(朝月希和)……華純沙那(106期)

「新人公演インタビュー」を聞いて、それまでのイメージが覆りました。

舞台の上では、とってもキュートで「可愛い」という印象しかなかったのですが、とっても利発で聡明で自分の意志をしっかりもっている娘役さんだと思いました。
「お銀」という難しい役に抜擢された理由がわかったように思いました。

押しかけ女房で、嫉妬深くて、情が深いというお銀を、活舌の良い緩急つけたセリフまわしで、色気たっぷりに演じられていました。
宝塚で見た時にその上手さに驚きましたが、東京では更に磨きがかかっていました。
本役の朝月さんの模倣から、自分の個性を加味されたような、本当に芸達者。

宝塚の時は歌が今ひとつに感じましたが、配信ではとても上達されたことも感じました。
更に声が綺麗なので、娘役として有望なように思います。

総太郎(朝美 絢)……華世京(106期)

「新人公演インタビュー」の時の、貴公子的なあか抜けたビジュアルに良い意味で驚きました。もっと派手目なお顔と勝手に思い込んでいたので。
舞台化粧をするとバタクサくなってしまうのかな。
素化粧に和服の姿には、アイドル的な雰囲気が漂っていました。

まだ研3ですが、華(スター性)があって、歌もお芝居も身のこなしも本当にお上手。
宝塚の時より、3枚目に拍車がかかっていて、愛嬌が増して、男役の色気もあふれて、この進化を見ただけでも、はっきりとした将来が見えてきました。

次にはそろそろ新人公演の主演でしょうか?研3ではまだはやい?

岡っ引き走助(華世京)…霧乃あさと(106期)

本役の華世京君に負けない3拍子そろった巧みさでした。
東京の本公演では、代役のソロも上手いと評判です。

主演の縣くんは、もう新人公演のスターという域は越えています。
そして主要な役2役を研3になったばかりの新人さんが演じている今回の新人公演は、ベテラン感とフレッシュ感が入り混じった不思議な感じがありました。

その他の出演者たち

MVPは夢白あやちゃん

浜次(妃華 ゆきの)……夢白 あや(103期)
宝塚大劇場で観た時も思いましたが、「一人だけ本役さんが混じっている」という感じ。芸達者で場を支配する存在感があります。
芸者の浜次は、玄人の芸者さんそのもので、日本髪が似合っていて、『心中・恋の大和路』で遊女の梅川を演じる準備は万端かな?

三太(和希 そら)……一禾あお(102期)
新人さんの中では、もうベテランと言った感じで、歌も芝居も間もよくて、とっても安定感と安心感があります。
現代的な雰囲気があって、17才の少年に見えました。

悪七(綾 凰華)……紀城ゆりや(105期)
「新人公演インタビュー」で、やはり華のある美形男役さんだと思いました。彩海せらくんに似ているかな。
和物のお化粧が超イケメン。声も良い。
先日退団された愛海ひかるさんの妹さん。
105期文化祭主演経験者。
これから人気者になりそう。

金の字(縣 千)……聖海由侑(103期)
声が艶やかで聞き取りやすく、表情も豊かで芝居が上手。
お白洲シーンも、セリフが明瞭で高笑いもぴたっと決まった芸達者ぶりを見せてくました。

嘉平(汝鳥伶)……真友月れあ(102期)
まるで汝鳥さんが演じられているようで、役の創り込みがしっかりしていて、とても説得力がありました。

本公演では、叶ゆうりさんの周旋屋の代役中。
宝塚での新人公演の健闘が認められたのかな?

縣くんのご挨拶

縣くんは長の期の長かつ主演者なので、お一人で挨拶をされました。

私たちが過ごしてきた時間が凝縮されたこの新人公演、皆様が心待ちにして下さったこと心より感謝いたします。

このようなご時世もあってお稽古中は焦る気持ちと、お客様と同じように不安も少しありましたが、希望を持ってお稽古に励んで参りました。

仲間と積み重ねて来たことを信じて、今日という日に向けて、やってやるんだと日に日に加速する思いを抱き、心身ともに鍛えられた時間だったなと思います。

新人公演という貴重な経験をさせていただき、これからどのように自分たちがこの経験を学びとって、変えていくのか私たちの修行はまだまだ続きます。

今後得たものを力いっぱい発揮してまいりたいと思います。

皆様からの温かな愛に満ちた中、公演できましたこと本当に幸せでございます。

新人公演に対する生徒さんたちの思いを代弁してくださったように思いました。
「私たちが過ごしてきた時間が凝縮されたこの新人公演」という言葉に、新人公演の意味がこめられています。
いつ公演が中止になってしまうかわからないという不安定な状況の中でも、希望をもってお稽古を重ね、「やってやるんだ」という思いで臨まれているのですね。
雪組の新人公演が無事に開催できて、本当に良かったです。

これからどの組の公演も、また新人公演も二度と中止になることがないように切に願っています。

カーテンコールでのご挨拶

こんなにも温かく私たちに思いを寄せてくださること、本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。

新人公演ならではの緊張感と劇場いっぱいにお客様が温かく大きな愛でエールを送ってくださること、この瞬間を一生の宝物にして、これからもどのような壁にぶつかっても、この宝物を強さに変えて進んでまいりたいと思います。

タカラジェンヌの前向きな強さに励まされます。

縣千くんには、持って生まれた天性のスター性を感じます。
7か月間に3回も主演公演が配信されたことは、縣くんファンを獲得する機会になったのでは?
そういった面でも、もっているスターさんだと思います。

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