圧倒的歌唱力コンビを予感『LOVE AND ALL THAT JAZZ』

こんにちは、くららです。
配信で月組『LOVE AND ALL THAT JAZZ』千秋楽を見ました。

評判通り、バウホール公演初主演とは思えない風間柚乃くんを中心とするハイクオリティな舞台に驚嘆し魅了されました!

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谷正純先生の作品について

今回のお話は実話をベースにされているそうですが、ベテランの谷正純先生は、ご都合主義的な脚本を演者たちの芝居力と勢いとパワーでねじ伏せて魅せてくれることを敢えて狙ってつくっていらっしゃるような気がしました

そこをねじ伏せて魅せるためには、厳しい谷先生の指導の下、相当な鍛錬が必要とされたと思います。その高いハードルを越えて、勢いとパワーで説得力のある舞台になっていました。

見せ場を主演コンビだけでなく、全ての出演者に振り分けるためには、時間の関係上、要所のみ見せる形になってしまうのでしょう。
コロナ禍で舞台に立てない期間が長くあったので、どれだけ多くの演者を舞台の上に立たせ魅せることができるか、演出の先生の生徒への愛でもあるのだなぁと感じています。

随所にジャズナンバーが折り込まれていて、最後にフィナーレで最高潮に盛り上がって終わる構成などは、ベテランの先生の素晴らしさ。

一番の見どころは風間くんの歌?

歌劇10月号の公演についての風間くんとの対談で谷先生は「この公演で一番の見どころは風間の歌。声量がある歌い方というよりも、物語を歌えると感じています。」と仰っていました。

台詞の量も半端なく多いですが、歌の量も驚くほど多く、譜面の厚さはどの公演の主演者にも負けない記録的なものだったのでは無いかと思います。

二幕の終盤、ルーカスが雪山で、希望を捨てずにモントリオールへと進み続けていく7分近い長いソロは圧巻でした。
ルーカスの情熱に惹き込まれて聞いていたので、7分間の長丁場だったとは、全然感じませんでした。
沢山歌った後なのに、声もよく伸び、声量もあって、歌が演技しているように心情が伝わってきました。

はじめから終わりまで、ジャズの名曲が随所に散りばめられていて、さらに吉崎先生作曲の宝塚らしいナンバーなど、どんな楽曲も聞かせてくれ、歌に深みと説得力がありました。
あまりに楽曲が多いので全てが完璧とは言えませんが、「一番の見どころは風間の歌」と谷先生が仰った課題は見事にクリアされていたと思いました。

ここまで歌える人だと知りませんでした。

ダンスシーンもとても多く、真ん中として頑張って踊られていました。
演技力と歌唱力はもう抜群なので後はダンス力でしょうが、これだけ踊れていたら十分及第点だと思います。

音楽学校時代から風間柚乃くんは「歌」の人だった

風間柚乃くんと言うと「チェ・ゲバラ」(2019年)で月城かなとさんの代役として、轟悠さんと対等に渡り合うカストロを見事に演じ務め「芝居巧者」として印象づけられていますが、音楽学校時代から、歌の実力も秀でていたことを思い出しました。

音楽学校の文化祭では、クラシックボーカルとポピュラーボーカルのソロを披露していました。
演劇の主演に聖乃あすかさんと共に抜擢され、主演者はソロ披露も。

卒業時には、声楽総合部門の優秀賞に選ばれ表彰されていました。

「ゆるりふんわりふたり。風間柚乃&優希しおん」では、「歌が得意」な風間くん、「ダンスが得意」な優希くんとお互い得意分野が違うので、アドバイスし合っていたことが話されていました。

この作品で「芝居巧者」と共に「歌唱力の人」として刻み込まれました。

北翔海莉さんから始まった圧倒的歌唱力のトップスター

北翔海莉さんは、3拍子揃った実力をもちながらも、専科で活躍されていました。努力の方だったので、歌唱力も回を重ねるごとに磨きがかかっていました。

2013年11月12月の月組『THE MERRY WIDOW』(ドラマシティ・日本青年館)での東上主演公演は、ファンの間では大好評でした。特に歌唱力が絶賛されました。SNS等にもその声は大きく反映していました。

2014年8月に「2015年スターカレンダー」メンバー入りしたことが発表され、12月9日に「次期星組トップスターに北翔海莉就任」と発表されました。

私の勝手な思いですが、北翔さんのトップ就任という道は、圧倒的な歌唱力を評価した多くのファンたちの声が少なからず影響した結果ではないかと思っています。

2015年5月11日付で星組トップとなり、相手役は歌唱力に定評のあった妃海風さんでした。
歌唱力のあるトップスターに歌唱力のあるトップ娘役という組み合わせのは、それまでありませんでしたが、北翔・妃海実力派コンビの完成度の高い舞台は大人気となりました。
3作トップをつとめて、2016年11月20日同時退団されました。

望海・真彩コンビが圧倒的歌唱力コンビとして継承

その約1年後、2017年7月24日付で雪組トップスター望海風斗さん、そしてその相手役に真彩希帆さんが就任されました。北翔・妃海歌唱力コンビの流れの延長として望海・真彩コンビが誕生したように感じました。
その二人は圧倒的歌唱力コンビとして大人気を博しました。今年の4月11日に同時退団されました。

次なる圧倒的歌唱力コンビは?

圧倒的歌唱力というと礼真琴さんですが、2019年10月14日付で星組トップスターに就任されました。
礼さんは圧倒的な歌唱力であると共に圧倒的なダンス力もお持ちなので、相手役は圧倒的なダンス力の舞空瞳さんが抜擢されました。舞空さんは歌唱力も回を重ねるごとに向上されています。

次なる圧倒的な歌唱力のトップスター候補というと、風間柚乃さんだと思います。
今回の公演で、ここまで歌の実力を発揮されたので、今後もさらに圧倒的な歌唱力を究めていかれることでしょう。

そしてヒロインのレナーテ役きよら羽龍ちゃんも、圧倒的な歌唱力を披露してくれました。
ワーグナーのソプラノでのオペラ歌唱が素晴らしかったです。
風間くんとのデュエットをはじめ吉崎先生作曲の宝塚らしい歌のシーンの数々も。
娘役さんの中でも、音くり寿さんや小桜ほのかさんに続く歌唱力と言ってもいいのかなと思います。
風間・きよらコンビで、圧倒的歌唱力コンビの歌の素晴らしさを堪能できました。

きよら羽龍ちゃんちゃんは今夏、「桜嵐記」で新公ヒロインも務めて、芝居、歌唱力の実力を発揮されました。
ショーでは、ダンサーとしても主要なシーンで既に活躍中で、3拍子揃った実力派です。

「男役10年」と言われる上、トップスター候補が詰まっている状態なので、風間柚乃トップスターが実現するのはまだまだ先だと思うので、きよら羽龍ちゃんが風間くんの相手役ということは無いでしょうが、きよら羽龍ちゃんのトップ娘役は可能性が大きいように感じました。

『LOVE AND ALL THAT JAZZ』活躍していた新人さんたち

専科の汝鳥さん、紫門さん、上級生の千海さん、佳城さん、朝霧さんは、見事な演技で若手たちの芝居を支え締めていらっしゃいました。

礼華はる(101期)
1幕では昔のルーカスの友人だったことから、執拗にルーカスを猛追する凄みのあるナチス親衛隊のゾマー少尉役。2幕では温かみのあるユダヤ人のごみ収集業者という間逆の役、どちらも個性が強く出ていて巧みでした。
ラストはカナダ市民として戦争の終結を喜ぶ明るい笑顔に、前の2役の存在感が強かっただけに、違和感を感じるほどでした。

彩音星凪(101期)
イケメンの彩音くんは、立ってるだけで目が惹かれます。踊るとさらに美しくて華があって目が離せません。
収容所での金網越しの菜々野ありちゃんとのダンスシーンも良かったです。
月城かなとさんとお顔のタイプが似ているので、『今夜、ロマンス劇場で』の新人公演主演が巡ってくることを期待しています。

蘭尚樹(100期)
天真爛漫で喜怒哀楽の激しい少年を装った思慮深い少年役とユダヤ人のゴミ回収業者の2役。どちらも巧みな演技力で流石だと思いました。

桃歌雪(100期)
1幕では歌手としてお得意の歌を披露され、2幕ではカナダの戦争未亡人としての演技が巧み。娘役の長として、とても頼もしい存在に感じました。

一星慧(102期)
親衛隊員と、人の好い看守コーギー役。
178cmの長身で朴訥さに何とも言えない味があります。

真弘 蓮(104期)
「桜嵐記」の新人公演の後醍醐天皇(本役:一樹千尋)役で印象に残っているので、フィルもペーターも「真弘くんだ」と目がいきました。キラキラ光るものを持っていますね。

一羽 萌瑠(104期)
本日で退団されるので、ピエールがセリフを言ってはける時に拍手が入っていました。
まだ研4での卒業は残念ですが、新しい道を選択されたのでしょう。
お幸せを祈っています。

一乃 凜(106期)
1幕でのソロがとても良かったです。
2幕では妹のドロシー役で印象的な役。
歌える期待の有望娘役さんですね。

風間くんは演じたら研18のベテランなのに、ご挨拶になると研8の初々しい下級生なところが可愛いと思います。

歌手として更に磨かれていくことも楽しみです。

 

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