こんにちは、くららです。
今日は轟悠さんの最後の小劇場公演『婆娑羅の玄孫』の初日です。
まだまだこの日がやって来て欲しくなかったような、少し複雑な心境です。
轟さん、天華えまくん、極美慎くん3名のスチール写真が発売されました。
3人とも麗しい美形です!
音波みのりさんと小桜ほのかさんが出演されていますが、スチールが販売されていないので、「ヒロインはいない」という設定なのでしょう。
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不思議な世界観のポスター
『婆娑羅の玄孫』のポスターは、待てど暮らせどなかなか公開されませんでした。
やっと公開されたと思ったら、通常のポスターとは一風違う不思議な世界観のもの!
切れ長のきりりとした轟さんの流し目風にこちらを見ているのがカッコイイ!
浪人のトレードマークとも言えるボサボサに月代(頭の真ん中を剃る)を伸ばしたザンバラ髪。やはり浪人武士なのかな。
着ている着流し風のお着物は、とても豪華で、なんとなく大衆演劇風!
刀を低い位置で振り下ろして、斬っているのは人では無く、着物?
鮮やかな着れが周辺を舞っています。
公演解説に「絢爛たる江戸文化が花開いた頃」という表現がありましたが、鮮やかで華やかな江戸時代の雰囲気が漂っています。
「華やかな大衆演劇風?」と言うイメージをポスターから抱きましたが、「歌劇7月号」の対談を読むと、そのあたりのイメージは間違ってもいないように思いました。
「歌劇7月号」での対談から
「歌劇7月号」での、「作・演出」の植田紳爾先生と轟悠さんの対談をされていました。
コロナ禍の暗い時代だからこそ、スーパースターが痛快に演じる作品で、お客様の心に働きかけたいと思っていらっしゃるようです。
植田先生は、若い頃に映画館で市川右太衛門さんの「旗本退屈男」をご覧になって、右太衛門さんの立ち回りを観ている観客たちは、拍手喝さいを送っていたことを想い出されたそうです。
時代が混とんとしている頃、映画館で心を何とかして(心の栄養をもらって)、現実に戻って頑張ることができていました。今のコロナ禍にもその頃に通じるものがあって、劇場にやってきた時と、帰っていく時の観客の顔が全く変化しているような作品にしたいと思っていらっしゃるよう。
その頃の銀幕のスターは、高倉健さんや市川右太衛門さん!
今の宝塚には、轟悠というスーパースターがいた!
ということで、スーパースターの演じる醍醐味を轟さんを通してたっぷりと味合わせてくださるようです。
デジタル社会と言われていますが、どんな時代であっても、人間はアナログ。人の感情は、変わりません。
人情、思い遣り、愛などがこの作品に散りばめられていて、泣いたり笑ったりしながら、楽しめるようです。
一部は徹底的に笑ってもらって。
二部は徹底的に泣いてもらって。
という構成になっていると、植田先生。演出の目的はそれだけだそう。わかりやすい!
この作品には、「戯作」というタイトルがついています。
「戯作」とは、18世紀後半頃から江戸で興った通俗小説などの読み物の総称。
戯れに書かれたものの意味もあります。
「戯作」というのは、謙遜してつけられたのでしょうが、難しいことなど考えずに、心を開放して、泣いて笑って轟さんの演じる蔵之介の人生を痛快に楽しむ作品となっているようです。
轟さん演じる細石蔵之介について
「婆娑羅の玄孫」と呼ばれ慕われながら、江戸で長屋暮らしをしている、細石蔵之介。
轟さんの「石(いし)さん」という愛称と「大石内蔵助」を文字って「細石蔵之介」という名前
細石蔵之介は、佐々木道誉の玄孫(やしゃご)です。
佐々木道誉は、南北朝時代に寝返りを繰り返し、室町幕府で権勢を誇りました。
月組で演じられている「桜嵐記」の「もののふ」を貫きとおした、楠木正成たちとは対照的。
「婆娑羅」という言葉には、意のままに振舞っても、そこに確固たる美意識があれば、それは狼藉ではなく、「道」に通じる、という意味があるようで、室町幕府設立の立役者でありながら文化芸能に通じていた佐々木道誉は、「婆娑羅大名」と呼ばれていました。
その血を継ぐ、非凡な才脳を持ち合わせている蔵之介。
近江蒲生郡安土を治める佐々木家当主の次男として生まれた蔵之介は、母の身分が低い為家名を名乗ることが許されませんでした。
江戸で長屋暮らしをしながら、「よろず指南所」を営んでいました。
寺子屋で近隣の子供に学問や剣術を教えたり、歌道や茶道も教えたり。
将軍家の権威を後ろ盾に横暴な振る舞いをする旗本に一矢報いたりも。
長屋の人々の自慢の人気者でした。
しかし、父に捨てられたという寂寞感を時折漂わせてもいました。
そんな蔵之介のもとに、佐々木家が取り潰しになるという噂が届いて、話が動いていくようです。
汝鳥伶さん演じる小久保彦左は、「爺」と呼ぶ関係性で、二人での掛け合いがあるようです。
3歳から日本舞踊を習っているので、その集大成として、宝塚の洋楽に合わせて日本舞踊を踊る姿も、鮮やかに見せてくださるようです。
轟さんに合わせた和物の「マイ・ウェイ」のような吉田優子先生の主題歌も素敵なようです。
稽古場レポートより
温かく包容力のある「いしさん」と、みんなが慕ってお稽古が進められているようです。
江戸っ子の長屋で暮らす和気あいあいとした仲間たち。
親子役は2組だけ
・母…お花 紫 りら
・娘…お蝶 瑠璃 花夏
・父…長太 ひろ香 祐
・息子…長松 紘希 柚葉
最後のシーン、紫りらちゃん演じる「お花」が蔵之介にお礼を伝えて別れるシーンは、今までの轟さんとの思い出がよみがえってきて、現状とリンクしているので、お別れするのが辛すぎて、そのシーンが終わると号泣してしまって、ティッシュが足りないくらい涙が出てしまうそうです。しかし最後にコーラスをやっているので、泣いていられないので困っているそうです。
瑠璃花夏さんは、「忍び」の男役も挑戦していて、蔵之介に斬られるシーンもあり、その時の目の表情、使い方を轟さんに丁寧に教えてもらっているそうです。
剣の達人の蔵之介に、出演者たちは、みんな1回は斬られる殺陣があるそうです。
江戸の活気にあふれたテンポの良い場面が多く、紫りらちゃん演じるお花とひろ香祐さん演じる長太の喧嘩のシーンもあったり、江戸っ子らしい登場人物の見せ場もあるようです。
神田まつり
お鈴の音波みのりと、蔵之介がお面を持って踊る日舞のシーンが、二人そろっていて素晴らしいとか。
どの楽曲も綺麗で、七夕の歌が特に綺麗で、七夕の日に、蔵之介とお鈴が歌う歌が切なくもあり、きれいで素敵。最後は、指切りをするそうです。
しかし、お鈴役の音波みのりさんは、ヒロイン設定では無いのですね。
「麗々」を演じる小桜ほのかさんは、「真々」の稀惺かずとさんと繫がりがあるのでしょう。
小桜ほのかさんの役については、説明がありませんでしたが、多分出番が多くて、稀惺かずとくんも活躍の場があるのかな?
最後の轟さんと共演できることを、皆心から感謝して、轟さんから学びたいと、がむしゃらに頑張っているようです。
波乱万丈の人生を痛快に歩む蔵之介を、宝塚歌劇の男役を追求し続けてきた轟悠さんが、舞台上で鮮やかに息づかせてくださる作品。
初日を観劇予定なので、また戻ったら感想を書きたいと思います。
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