こんにちは、くららです。
花組の『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』は、明日が千秋楽です。
梅田の初日を観劇して、「突撃レポート」を聞いて、土曜日に配信を見て、「柚香光君って凄い役者だな」と思ったので、そのことを書いていきたいと思います。
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計算しつくされた柚香光ジミー
ジミーの二枚目要素が梅田は東京よりアップ
スカイステージ突撃レポートで、柚香光くんが話していました。
Q:華やかなナンバーからはじまりますが。
酔っ払いのナンバーって楽しいね。品とちょっとした計算をする理性と。理性をとばしつつも意外と足元は計算しているよ、というちょっとした拘り。それをお客様に感じさせずに自由に舞台上で動いているように見せつつ、ちゃんとやることはやっているという、ところも楽しいですね。(笑)
Q:ハンサムなプレイボーイが凄い似合うなと感じるんですけど。
セリフでは無い所のリアクションが、ジミーはすごく多いのですけど、ちょっとしたさじ加減の違い。
偏差値をどの位にするのか。
精神年齢をどの位にするのか。
二枚目要素をどの位入れるのか。
チャランポランをどの位入れるのか。
甘ったれをどの位入れるのか。
色んなもののバランスがいろんなことに影響してきて見え方が大きく変わるので、それを試行錯誤しながら作っていった結果、東京に比べて梅田は少し二枚目エッセンスが強くなっていますね。
お客様に笑っていただくというのはすごく有難いですし、コメディという作品ですので大切にしますが。何が大事かというと、台本にあるセリフ、ブロードウェイでもあれだけ反響を起こした、原作のストーリーの筋をお客様により明確に観ていただくというのが一番大切なことですので、それをするためにき、どの匙加減がいいのか、日々原田先生とご相談しながらつくっています。
東京でのジミーは、「偏差値の低い阿保なダメ男」要素が強くて、そこで笑いをとっていたようですが、梅田では偏差値があがって「何とかしたい」と思いながらも、周囲の状況に流されてしまう優柔不断な愛すべきキャラクターでした。
梅田では、ジミーの演技のドタバタコメディ度が抑えられて、「面白く無くなった」という声も聴きましたが、その分周りがテンポ良くまわしていて、ジミーのキャラクターが生きていたように感じました。
舞台の上で、客席の反応をみながら、さじ加減を変えて表現できる柚香光は役者としての勘が優れた、巧みな演技派だなと感心しました。
この作品の魅力は、れいちゃんが話していたように、原作の奇想天外な夢のある話の展開だと思います。
観劇した時に、その面白さに感動して、多好感でいっぱいになりました。
若い方には、ご都合過ぎのお話は面白く無いのかもしれませんが、オールドな私には、最高にhappyでいっぱいでした。
(このあたり、人によって受け止め方はそれぞれですね。)
そして生の舞台の「空気感」が大事なコメディは、配信と会場での観劇では、笑いの深さが大分違います。それは仕方が無いことだと思います。
「突撃レポート」で、華優希ちゃんのこだわりは、「お食事会」シーンに鍋とお玉を持って登場する時の「ガニ股」だそう。
娘役っぽくないと言われそうですが、敢えて娘役道を崩して「ガニ股」にしている、役づくりとコメディに徹している華ちゃんも、本当に演技派の役者だと思います。
誰とでも相性の良いコンビを組める柚香光くん
「はいからさんが通る」に続いて、「柚香光・華優希」コンビの、阿吽の呼吸で芝居ができる相性の良さは、素晴らしいなと思いました。
しかし、れいちゃんは、どんな相手役さんとも、阿吽の呼吸で合わすことができるのでは無いかな?とも思えてきました。
華優希ちゃんは特別お芝居が上手なので、芝居上手なふたりは「ベストカップル」でした。
華ちゃんの退団は本当に惜しまれますが、次に組むことになる娘役さんとも、れいちゃんによって「ベストカップル」になれるのでは?と思えるのです。
れいちゃんは、恋愛関係の魅せ所を心得ていて、そのアピールする要点をしっかり把握しています。
カーテンコールでの、華優希ちゃんのエスコートと客席へのアピールの仕方に、そのあたりの才能を感じました。
少尉やジミーの演技も、そのあたりが秀でていて、ファンをときめかせてくれました。
圧倒的にビジュアルが良くて、どんな衣装もステキに着こなして、立っているだけで絵になるれいちゃん。
やりすぎのプレイボーイを見せてくれても、全く嫌味では無く、「素敵!」としかなりません。
従来の宝塚の男役さんは、比較的娘役さんに対しては硬派な演技をして、娘役さんが寄り添って「男役度」を上げています。
しかし、れいちゃんの場合は寄り添ってもらわなくても、一人で十分素敵。
隣にどんな娘役さんが立っても、素敵なカップルにして魅せてくれるような気がします。
今回も「柚香光」の男役としての新境地を見事にみせてくれました。
今後さらにどう開拓されていくのか、「役者・柚香光」が楽しみです。
みんな歌が上手になっていた!
ブロードウェイ版では、歌唱力に定評のあるキャストが演じていたミュージカルを「歌が少し弱い」と言われている花組メンバーで大丈夫かな?と思っていましたが、全く問題ありませんでした。
日頃からのレッスンの成果もあったのでしょうが、得意な音域に合わせて自然に歌唱できるよう配慮されていたように思いました。
娘役のアイリーンを演じた永久輝せあさんのソプラノ歌唱は絶品であり、男役歌唱よりも歌いやすいのかな?と思えるほどでした。
柚香光くんについては、勝手に「ファンの間で喉が弱い」と言われていましたが、お芝居の延長の歌唱は、芝居心があるので、聞かせてくれました。
音域も得意な領域で無理がなかったのでしょう。
歌唱指導の山口正義先生のお力?
歌唱指導は、山口正義さんでした。
原田先生が演出された昨年の「おかしな二人」(大地真央さん、花總まりさん主演)も、山口さんでした。
山口正義さんは、劇団四季に在団されたのち、東宝ミュージカル中心に歌唱指導で活躍されています。
宝塚の歌唱指導も随分前から時々されていて、『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』のステージ・ドアには、歌唱指導として出演されていました。
特別新しい先生ではありませんが、歌唱指導を長年続けられているので、今回のガーシュウィンの楽曲の歌い方の秘訣など心得ていらっしゃるのかなと思いました。
歌が得意な飛龍つかさくんと音くり寿さんのナンバーは、流石の聞きごたえがあり、ブロードウェイっぽい素晴らしいデュエットでした。
飛龍つかさくんは、もう牛五郎から「二の線」をやめてしまったのか、表情豊かで「三の線」が似合う、愛すべきキャラクターでした。
音くり寿さんをはじめ娘役さんたちの「山のような女優眉」は、その時代の特徴的な衣装とともに禁酒法時代を表現するのに必要だったのでしょうが、娘役さんの可愛さが半減しているように思えました。
舞台装置はお馴染みの松井るみさんでした。丸い光るお洒落な大きな鍵盤。そしてパネルが動くことで、暗転もカーテンも無いのが新鮮でした。
ひとこちゃんの入浴シーンのセットと演出もお洒落でした。ハイヒールを履いたまま入浴しているのも、ブロードウェイらしい。
ダンスの柚香光
ガーシュインの音楽にのせて、「踊る柚香光」の真骨頂の数々を魅せてくれました。
タップも、実に軽やかで粋でワクワク感が伝わってきました。
れいちゃんには、「ガーシュインの曲で踊るフレッドアステアさん」が衝撃だったそうで、そのように踊ることが目標だそうです。
今度ショーで「柚香光くんのフレッドアステア」を堪能させて欲しいなと思います。
「宝塚のフレッドアステア」というと大浦みずきさんです。
大浦みずきさんの時代から「ダンスの花組」と言われるようになりました。今回も「ダンスの花組」感満載でした。
その時代をオマージュした作品を、ぜひ柚香光くん主演で見ることができたらと願っています。
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