愛月ひかるさんの東上公演から感じること
こんにちは、くららです。
昨日星組の愛月ひかるさんの東上主演作品は、20年前の「マノン」が再演されると発表されました。

愛ちゃんの東上公演は、トップへの伏線なのか、それともそうでないのか?
私はなんとなく、後者の方を感じてしまいます。

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「ロミオとジュリエット」について

ポスターについて

2021年の星組の「ロミオとジュリエット」のポスターは、「礼真琴・舞空瞳」のふたり写りです。
「究極の愛の物語」なので、二人写りで当然だと思っていました。

で、今から8年前、2013年の星組の「ロミオとジュリエット」は、どうだったのだろう?と調べてみました。
2013年「ロミオとジュリエット」ポスター

しっかり「ティボルト役の紅ゆずるさん」と「死役の真風涼帆さん」が切手で入っていました。
しかし2021年版は、愛月ひかるさんも瀬央ゆりあさんも、切手でさえ掲載されていません。
2番手羽根を背負っていらっしゃいますが、劇団の売りは、柚希礼音さん時代より、さらにトップコンビ推しであることを感じます。
愛ちゃんが2番手に就任して2作目の作品です。
近いうちにトップスターに就任する予定があるなら、ポスターに切手サイズでも掲載されると思います。

役替わりについて

8年前も役替わりがありました。
紅ゆずるさんと同じ、ティボルトとベンヴォーリオの役替わりをするのは、瀬央ゆりあさんです。
真風涼帆さんと同じ、「死」とティボルトの役替わりをするのは、愛月ひかるさんです。

コロナによって人数制限があるため、【A】と【B】に別れていて、下級生の退団者は【A】日程なので、宝塚の初日と千秋楽は【A】で、東京千秋楽も【A】です。
【A】は、ティボルト・愛月ひかるで、ベンヴォーリオ・瀬央ゆりあです。
スカイステージの初日、千秋楽映像や、ブルーレイ等におさめられるのも、【A】中心でしょう。

愛月ひかるさんが2番手で、瀬央ゆりあさんが3番手なので、当然だと思います。宝塚は序列の世界なので。

次の東上公演について

今まで瀬央ゆりあさんは、別箱公演の時は、『New Wave!-星-』 バウW主演、『デビュタント』バウ初主演、『龍の宮物語』バウ主演、あるいは紅ゆずるさんもしくは轟悠さん主演の2番手を演じ続けてきました。とても優遇されているように見えます。

そのため、次回愛月ひかるさんが東上公演の主演をするのは、ふさわしいと思います。
しかし20年前の再演作品です。

今まで再演ものは、全国ツアーの定番でしたが、東上公演で小劇場作品が再演されるのは、珍しいです。

最近の、東上再演作品

3年前の1月、同じく愛月ひかるさんの東上初主演作品が、春野寿美礼さん主演の別箱公演『不滅の棘』再演でした。
この作品は、2003年に、春野寿美礼・ふづき美世のプレお披露目作品で、勢いのあった木村信司先生の大変話題になったものでした。
再演されると聞いて、とても懐かしくて、期待して足を運びました。私のような初演ファンも多くいらっしゃったのでは?
当時の愛月さんは初演の春野さんのもつカリスマ性歌唱力には及ばず、春野ファンだった私には、別の作品を見ているような物足りなさでした。初演を見ていない方には、好評だったのでは。このあたりは好みでしょう。

3年前の6月、月城かなとさんの東上初主演作品として『THE LAST PARTY』が再演されました。
この作品は、2004年に宙組で大和悠河さん、月組で大空祐飛さん主演でバウホールで2組連続上演され、高く評価されて、2006年には共に東京で再演された人気作品です。
(作・演出/植田 景子)
再演が重ねられている良質の伝説作品を月城かなとさんは、より深めた演技で好演され、高評価されていました。

「マノン」再演は異例

今度の「マノン」は、今からちょうど20年前、2001年の瀬奈じゅんさん初主演の花組バウ作品で、東上もしています。
当時の話題作ではありましたが、ヒット作品という感じではなく、この作品の再演は異例だなと私は思いました。

ヒロインを演じた彩乃かなみさんは、この作品の次の花組『ミケランジェロ』『VIVA!』の宝塚大劇場公演の出演を最後に、宙組に組替になり遠野あすかさんが花組に組替してきました。
当時から瀬奈さんと彩乃さんは仲良しで、この初主演作「マノン」が二人の花組での最初で最後のコンビ作でした。

その後、瀬奈さんは、「エリザベート」から月組に組替し、彩乃かなみさんはトッププレお披露目公演『Ernest in Love』から月組に組替して来て、2005年に月組の「瀬奈・彩乃」コンビが再スタートしました。
『マノン』が花組の「瀬奈・彩乃」作品であることには、こういう流れがあったのです。

原作は、アベ・プレヴォーの小説「マノン・レスコー」で、魔性の女にのめりこんで破滅する男の話で、悲恋ものです。
脚本・演出は中村暁先生監修が柴田侑宏先生でした。

原作の舞台はフランスですが、この公演では、スペインを舞台に、熱く激しいフラメンコに恋の炎を重ね合わせて描かれた宝塚らしい作品です。
19世紀将来を嘱望された青年貴族ロドリゴが、情熱的な女性マノンに出会い、宿命の恋に身を焦がし溺れていきます。
マノンは、情熱的で男を手玉にとる自由奔放な女性なのですが、まだ下級生で清純な娘役だった彩乃かなみさんには、少々荷が重い役でした。

2016年月組、龍真咲主演『舞音-MANON-』は、20世紀初頭の仏領インドシナ(現ベトナム)が舞台。脚本・演出は植田景子先生で、別の作品です。

蘭寿とむさんのターニングポイントになったマノンの兄レスコー役が魅力的
悪の道の水先案内人のような、ロドリゴを破滅に近づける役ながら、どこか憎めない性格の役で、当初蘭寿さんには難役だったそうですが、「男役に目覚める」ターニングポイントになったそうです。
若手の誰が、配役されるでしょうか?
月組『舞音-MANON-』では、珠城りょうさんでした。

役が多く、情熱的なスペインの音楽とダンスを通して、ショー的な魅せ場も多い作品です。
若手が活躍できる舞台になると思います。

この演目を選んだのは、愛月ひかるさん?

再演される作品は、比較的ポピュラーで佳作判定がされている、ある程度の基準をクリアしたものです。
この作品は、宝塚の作品のなかでは、少々異色です。

「マノン」という娘役のタイトルロールで、主演のロドリゴは宝塚的には、格好良い役ではありません。

北翔海莉さんの『大海賊』を選んだ発言

北翔海莉さんのプレお披露目全国ツアーは、『大海賊』でした。
『大海賊』は、北翔さんが月組の下級生の時代の作品で、新人公演で悪役エドガー役で演じて以来、芝居を好きになった思い出の深い作品だそうで、全国ツアーに自ら選んだと、以前に話されたことを聞いたことがあります。

宝塚が大好きな愛月さんが、「宝塚オタク」として、敢えてこの役にチャレンジしたいと思われたのかな?と、私は思いました。
愛ちゃんに適した役だと思います。そして自分で選んだのなら、餞別的なものを感じてしまいます。

しかし「宝塚おとめ」の愛ちゃんの「演じてみたい役」を見てみると、「『うたかたの恋』のルドルフ」と書いてありました。
昨年11月に『エル・アルコン-鷹-』でのルミナスは、久しぶりの白っぽい役も似合っていましたが、やはり愛ちゃんの魅力が発揮されるのは個性的な役だと思います。

東上公演が2作品「再演もの」が続いている愛ちゃんには、劇団の「トップスターにするぞ!」という熱意がそれほど感じられません。(私の主観かもしれません)

コロナ禍で「コスト削減」のために、再演作品が選ばれたのかもしれません。

各組スターたちの東上公演

トップスターを前にした「2番手東上作品」は、オリジナル主演スターの魅力を輝かせる作品が練りに練られて用意されます。

特に望海風斗さんは、遅咲きのスターさんだったので、2番手になってから東上公演を行いました。
2015年に『アル・カポネ』、その1年後に『ドン・ジュアン』と、熱の入った脚本で、望海さんにしか演じることのできない新しい男役像を確立されて、ファンも多く獲得されて、上り調子でトップに就任されました。

彩風咲奈さんは、2017年プレ2番手公演が『CAPTAIN NEMO』で、路線男役さんがこちらの公演に集結して、2番手の咲ちゃんを売って行こうという意気込みが感じられました。彩風さんに対しては、現在上演されている「fff」「シルクロード」でも、「次期トップとして売っていこう」という強い劇団側の意向が随所に感じられます。

昨年の瀬戸かずやさんの『マスカレード・ホテル』は、出版社ともコラボされ、書店に「アキラ」さんが並んいました。
(ただし、瀬戸さんがトップスターに就任されることは無いと思います。)

他の作品と比べて、「愛月ひかるさんのトップスターへの道を開拓していこう」という意気込みが、私には感じらません。

コロナ禍で、コスト削減も重要な課題なので、今までの宝塚の財産である古い作品を掘り起こして、現代風に素敵にアレンジして蘇らせていくことを、全国ツアー公演だけでなく、別箱公演、さらには本公演にも、広げていくのは、良いことでもあると思います。
でも、そちらに傾くと、演出の先生が育ちにくいように思います。

現在は「コロナ禍」という特別な時なので、いろいろと難しいことも多いのでしょう。

ダラダラと取り留めも無いことを書いてしまいました。
宝塚の「新体制」は、どうなるのだろう?ということへの興味は尽きません。

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