花組「はいからさんが通る」感想
こんにちは、くららです。
7月21日(火)に「はいからさんが通る」を観劇しました。

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いつもは観劇するとすぐにブログに感想を書いていましたが、今回はなかなか書けませんでした。
コロナのために、大劇場で観劇したくても、行けない、観れない、それぞれ事情をお持ちの方が沢山いらっしゃいます。
特にこのブログでは、「ライブ配信」で楽しむことを書き続けていました。
多くの方が「ライブ配信」で、すでに舞台を観劇されています。

脳天気に「生の舞台最高でした!」などと浮かれて書くと、嫌な気分になる方もいらっしゃるだろうなと思いました。

「はいからさんが通る」企画の大勝利

柚香光くんのお披露目公演が「はいからさんが通る」と発表があった時に、「初演がチケット難で観れなかったので、お披露目で観れる!」と私は大喜びしました。
しかしTwitterやブログなどでのご意見は「セルフ再演」という言葉で総スカンを食らっていて、再演を大喜びしている私のような存在はでした。

しかし「はいからさん」企画は大成功でしたね。

主演コンビに最高の適役

何よりも柚香光くんの持ち味に合った作品
キャトルレーヴショーウィンドウ
キャトルレーヴの花の道の所にあるショーウィンドウです。
(現在花の道側からキャトルレーヴには入れません)
公演プログラムの「見開きページの少尉」は、店頭、花の道両方のショーウィンドウに飾られていました。
このプログラムを初めて見た時に、「この写真がこの公演のコンセプト?」と書きましたが、まさにそうでした。

柚香光くんの少尉は最高の当たり役
アニメから抜け出てきた、凛々しくて美しい、女子が憧れる理想のハーフ美男子。
初演の時もビジュアルは完璧でしたが、再演ではそれに人間としての魅力がグ~ンと増しました。
トップスターという責任ある立場で人間性が磨かれ、包容力が増し、落ち着いた大人の男のやさしさと余裕が加わりました。
どこまで柚香光で、どこから少尉なのか区別がつかないほどの適役。

新人公演で一之瀬航季くんが演じますが、本役のハードルが高すぎて大変でしょう。
「はいからさんが通る」が再演というのも、これほど完璧に少尉を演じられた後は、難しいかもしれませんね。

華ちゃんの役者魂
表情が豊かで、愛らしく、お芝居が上手で、声の伸びも良く、お転婆紅緒にどんどんひきつけられていきます。
華ちゃんにとっても紅緒は適役です。
華ちゃんが舞台の上にいる占拠率はとても高く、絶えず大きく動いているので、1回当たりの体力の消耗度はトンデモナイと思うのですが、サラッと演じています。
「花組のトップ娘役」は一番批判されやすく、これだけがんばっていてもその労をねぎらわれていないので、「本当にお疲れ様」と声をかけてあげたいです。
1日2回公演になったら、さらに大変でしょう。
初演は「体当たりの演技」でしたが、今回は紅緒の心の移り変わりをわかりやすく演じている巧みさに感服しました。

《娘役としての所作が今一歩できていないことが華ちゃんの足りない所だと思いますが、今回はそのガサツさが紅緒にはピッタリなのですが、他の作品になった時に紅緒が出てしまわないようにと思います。》

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リアルなラブラブ?と思ってしまう芝居力
柴田先生の追悼番組で、男役スターをより輝かせるために娘役の演出が大切と語られていました。
それとは逆で、れいちゃんの演出が華ちゃんをより輝かせています。
華ちゃんへの優しくて温かいれいちゃんの視線が、華ちゃんをより一層輝かせています。
れいちゃんの華ちゃんに対する多幸感が、華ちゃんの娘役としての存在感をあげています。

一般に、男役さんが娘役に対してデレデレしすぎるとカッコ悪く見えてしまうことがありますが、れい君は何をやっても様になっています
れいちゃんほど、娘役さんに愛情を注いだ表現をサラッと演出できる男役さんは、なかなかいなかったと思います。

コンビとしての役作りだと思うのですが、「ガチに恋している」と本気にとらえるファンが多いのは、演技力の賜物でしょうか。
少女漫画の世界観がピッタリな、ビジュアル&芝居力の完璧なコンビだと思います。
これからもこのコンビならではの、少女漫画以外の作品がいろいろと紡ぎだされていくことを楽しみにしています。

大劇場作品という重厚さと拍手

大劇場の間口に合わせて、装置が豪華になっていることは、実際に舞台を見ないとわかりませんでした。
舞台全体に広がる伊集院のお屋敷とその中央の広い階段。そこに立つメイドさんたちの数も増えて、初演より重厚な立派な伊集院家になっていました。
関東大震災のシーンは、舞台全部を使って、とてもリアルな迫力がありました。

観客が半分のはずなのに、拍手の量はいつもと変わらない感じでした。
拍手で舞台の人たちに反応できるのは、実際に舞台を観れる時の醍醐味だとあらためて思いました。

しかし宝塚の舞台配信は、無観客ではなく、実際に観客が入った舞台を中継してくれます。
舞台上と観客の間で双方向に息づいているものを感じ取ることができます。

初日の組長さんのあいさつで、希望笑顔をみなさんにお届けできたらと仰っていました。
タカラジェンヌたちは、それらを届けようという使命感で舞台に立ってくださっているのだと思います。
そして舞台を通してそれらを受け取れる私たちは有難いことです。

疾走する出演者たちが新鮮

疾走する少尉
間口の広い舞台の上を全力で疾走する少尉のスピード感が爽やかでカッコ良かったです。

全力で走っているシーンが、メインの出演者たちそれぞれにもありました。
新生花組の若い躍動感と新しい風を感じました。
これからどんな風を吹かせてくれるのだろうという期待にも繋がりました。

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個性的な登場人物たち

はいからさんが通る幕
ポスターの背景は、小柳先生が「はいからさんが通る」全巻から特徴的な漫画の一コマ、一コマを切り抜いて貼り合わせて作られて、原作者の大和先生がとても感激されたという話を聞いていました。
大劇場の開演前の幕には、登場人物たちの漫画の一コマ、一コマが貼り付けられていて、ピンク色のポップな「はいからさんが通る」のロゴと共に、開演前からワクワク感が増しました。
キャラクターのしっかり描かれた個性的な登場人物たちが「はいからさんが通る」の魅力の一つです。
漫画と出演者が一体になっているような楽しい演出は、とても効果的だと思いました。

鬼島森吾(水美舞斗)
初演のはまり役がさらに野性的で色っぽく、スケールの大きい男役に進化していました。どこまで素敵になるのか楽しみ。

青江冬星(瀬戸かずや)
男気のある、誠実な冬星で、コメディ的な部分も面白い。
原作者の許可がおりなかったのだろうけど、数名の主要な男役さんでの役替わりも見てみたかった。

北小路環(音くり寿)
地に足をつけて生きているお嬢様像が頼もしく魅力的。
実力に見合った活躍が与えられ、それに充分こたえている。
エトワールの鈴を転がすような歌声も素晴らしく、最後の指さししながらの「はいからさんがと~お~る」にはまってしまう。

高屋敷要(永久輝せあ) 
伸びやかに演じていて、役を広げて存在感がある。
昔ながらの花組らしい雰囲気の男役さん。

藤枝蘭丸(聖乃あすか)
頼りなげな「べにおさ〜ん」の言い方が可愛い。
強烈な華があり、メイド姿も藤娘も美しい。

牛五郎(飛龍つかさ)
初演の天真みちるさんを模倣するように、振り切ってはじけている役者魂に感服。ジャンプ力がすごい。
もっともっと面白くなっていくことに期待。

芸者の吉次(朝月希和)
雪組で培った日本物の経験値を活かして、キリリッとした粋の良い芸者がピッタリ。

印念中佐(優波慧)
顔のイヤミな崩し方が役にピッタリで憎々しい。
最後の回心するところが良い。

伊集院家の女中頭 如月(鞠花ゆめ)
漫画そのままの、超当たり役。

小道具を持って階段降りする新しい趣向
メインキャストたちは、それぞれの役にちなんだ小道具を手に大階段を降りてきて、キャラが生きていて面白かったです。
竹刀片手に階段降りするトップ娘役が実に可愛い。

終わりに
「はいからさんが通る」の登場人物たちは、激動の時代の中を明るくたくましく生きていました。
4か月の休演を経て再開した宝塚の公演にふさわしい明るさを伝えてくれる作品です。
この舞台が千秋楽まで続けられて、多くの観客が夢と希望と笑顔を受け取り続けることができますように、切に祈っています。

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