スターは強引につくるものでは無い!柔軟性が大切
こんにちは、くららです。
今日は、珠城りょう君の会見からも、以前からも感じていた「スターは強引につくるものでは無い!」ということを書きたいと思います。

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昨年の3月15日(金)に、宝塚大劇場で月組『夢現無双-吉川英治原作より-』『クルンテープ 天使の都』の幕が上がりました。
美弥るりかさんの退団公演なのに、お芝居はタイトル通り「宮本武蔵」のお話で、佐々木小次郎役の美弥るりかさんの出番がとても少なく、美弥さんファンの大きな反感をかった後味の良くない公演となってしまいました。

宝塚大劇場で千秋楽を終え、東京宝塚劇場公演に向けて、美弥さんの出番を増やしたりの手直しがあるかと期待しましたが、されませんでした。
美弥さんのディナーショー『Flame of Love』が開催されたので、時間的に難しかったのもあるでしょう。

この時に劇団の柔軟性の無さを、とても感じました。

「大スターをつくろう」計画

『夢現無双』開幕前のスカイステージ「齋藤吉正×藤井大介」』

番組の中で齋藤先生が「大スター珠城りょう」と言われた言葉に反感をもって、、私は1年前にブログを書いていました。

大スターというのは、柚希礼音さんや明日海りおさんのように、「トップオブトップ」のスターだけが使える称号だと私は思っています。

昨年のこの舞台の開幕直前の3月12日に明日海りおさんの退団発表があり、劇団としては珠城りょう君に、「トップオブトップ」の称号を継ぐ「大スター」になって欲しかったのだと思います。
『夢現無双』の後、大作ミュージカル『I AM FROM AUSTRIA』の成功につないで、それを実現していく予定だったのでしょう。

しかし結果的に、集合日に「2番手だった美弥さんの退団発表」があって、ファンの方が気落ちしている所に、舞台の幕が開くと美弥さん演じる佐々木小次郎は通行人のような扱いで、“巌流島の決闘”もあっとう間に流れて、サヨナラ公演なのに美弥さんの魅せ場があまりありませんでした。ショーの方では配慮されていましたが。

ファンの惜別の思いを汲み取って、美弥さんに餞別の場をとことん設けて「退団の花道」を飾っていたら、少しは状況が良くなっていたと思います。

実際は全く逆で、「珠城りょうを大スターへ」のシナリオ遂行が第一優先だったので、その不満が珠城りょう君へのバッシングに向かってしまいました。
りょう君自身は絶えず美弥さんの存在をリスペクトし、大切に思われていたので、ご自分の出番が少なくなっても、美弥さんの活躍の場を喜んでいたと思います。
そういう劇団側の配慮が無かったことが、しこりを残してしまいました。

そして、りょう君が退団を決意したのは、この『夢現無双』の時。

「今まで耐えて、背負ってきたもの、少しずつ…おろしていっていいのかなって…思うようになった」

東京公演では月城かなとくんが怪我で休演となってしまった中、りょう君も体調をくずして舞台上での演出が変更になった期間もあったようですが、トップスターとして踏ん張って、体調も回復させ、元の演出に戻して無事に千秋楽を迎え、美弥さんの卒業を見送られました。

「退団会見」まで心中を語られることがありませんでしたが、『夢現無双』公演中の不穏な雰囲気は、本当に辛かったのだろうと思います。

「ファンの皆さまがいらっしゃらなければ、今、私はここにいないと思います。皆さまのお心がとても有り難く、だからこそ、いつも笑顔で舞台に立つことができました。」
この言葉に偽りは無く、辛い中でも、応援してくれるファンが心の支えになっていたのですね。スターさんがこのように思ってくださっていることは、ファン活動をされている方々のファン冥利につきますね。

「珠城りょうを大スターへ」計画が、りょう君自身に過大なプレッシャーを与えてしまって、結局、退団を決意する思いになってしまったのだと思います。
「珠城りょうを大スターへ」計画が成功していたら、りょう君は8作退団では無く、10作、11作ということもあり得たでしょう。

劇団が「大スターをつくろう」としたことが、結局頓挫してしまったのだと思います。

以前の宝塚では、「スターは劇団がつくる」ものだったのでしょうが、今の時代はそうでは無く、劇団やファンの総意で「スターがつくられていく」方がいいでしょう。
2年間のスケジュールがしっかり組まれていて、会議で人事が決定して、「時流」がすぐに反映できない仕組みのようですが、時代は柔軟さを求めていると思います。
過去のことを書いても仕方ないですが、美弥さんの人事についても柔軟性があったら、ファンの心にしこりが残ることは無かったでしょう。

「男役10年」と言われますが、やはり男役が完成形に近づくのは、10年という月日が必要なのだと思います。
そして10年経験して、自己アピール力が備わっているスターが、より魅力的なスターだと感じます。
同期にスターが多いと、よりその自己アピール力が際立っていて、95期や93期の方の魅力のような…。

珠城りょう君の実直さ

珠城りょう君はトップスター就任の時から、包み隠さず自分の心境を語っていましたが、「退団会見」でも、とても実直に語ってくれていました。

天海祐希さんに次ぐ早期トップスター就任で、絶えず天海祐希さんの名前をあげられていたことについて、

「私は比べものにならない。失礼だから、やめてくれと思っていました」と。

「珠城りょう大スター育成計画」に、りょう君自身が抵抗あったのだと感じました。

珠城りょう君から感じていたこと

『夢現無双』『クルンテープ 天使の都』の時に、「トップスターとして背負ってきたもの」を、少しずつ下ろしてもいいかなと思えるようになったと語っていましたが、
その直後の梅芸での『ON THE TOWN』を観劇した時に、私が感じた思いをこのブログに綴っていました。

終演後の突撃レポートで、りょう君がとてもリラックスした良いお顔でお話をされていました。
それまで重ねてきた経験などから、背負っていたものから開放されたのかなと感じました。引用宝塚ブログ8/10

そして、今年の2月10日、御園座の「赤と黒」のフィナーレナンバーで一人で踊っている姿を観て、「男役として締めくくりりの時期」を迎えていることを感じました。退団がそんなに遠く無いことも。そのことも、このブログに記しています。

私のような者にでも理解できるくらい、珠城りょう君はとてもわかりやすい、素直な人です。

そして自分を取り繕ったり、人に媚びたりしません。
私は誠実なその実直さが好きですが、会見での包み隠さない素直な心境を吐露されたことを、トップスターとしてマイナスに感じられる方もいらっしゃるので、受け止め方は千差万別なのだと思いました。

批判の対象になってしまいやすい

『I AM FROM AUSTRIA』上演前の特別番組「ウィーン満喫ふたり旅」で、美園さくらちゃんとウィーンを訪問して、様々なスポットを2人で巡るロケ番組がありました。
私は楽しく見ましたが、コンビ萌えが無かったために、りょう君の塩対応が批判されていて、かわいそうに思いました。

舞台の上での二人の息の合ったコンビぶりを見ていたら、不仲な訳が無く、番組内でも美園さくらちゃんが終始笑顔であったことからも、面白い部分が切り取られて放送されていただけだと思います。

コンビの在り方も、萌え売りだけでなく、サバサバした形や、いろんな形があって良いと私は思います。

トップスターとしての退団者への言葉や、ご挨拶など、切り取られた部分だけで、すぐに批判されてしまうことも、毎回気の毒に思っていました。
映像で切りとられた部分だけを見るのと、生で舞台上の一部始終を見ることは、全然違うと思います。

そして、5組は平等であるべきです。
その中で月組の演目が海外ミュージカルや大作が多く、「珠城りょうを大スターへ」計画の中での劇団の上層部の采配にすぎませんでしたが、その演目についてさえ、りょう君がバッシングを受けやすく、気の毒でした。

りょう君を疲弊させていたのは、トップスターという立場ではなく、批判をあびやすい矢面に立たせられていたことだと思います。

「退団発表」をされてから、珠城りょう君を取り巻く状況が、やさしくなっているのを感じます。

雪組の次期トップ娘役と思われていた潤花ちゃんが、宙組に組替えになったことは、突然の人事変更なのか、計画的な遂行なのかわかりません。
もしそれが、「柔軟性のある人事の采配」に変わってきているあらわれなら、喜ばしいことだと思います。

そして今、コロナ禍という想像だにしなかった、先の読めない時世になっています。
「106年続いている宝塚」を永続していくことは大変だと思いますが、応援していきたいと思います。

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