宝塚の専科について思うこと
現在上演中のバウ公演『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』では、アレキサンドル役の専科の悠真倫さんがとても重要な役どころを演じています。
ラスト近くに常軌を逸した人間の傲慢さ、愚かさを目の当たりに見せてくれます。
この役は芝居の巧みな専科の悠真倫さんが演じるからこそ、客席に訴えてくるものがありました。

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専科生の活躍が舞台の厚みを出している

今年の2月のバウ『パパ・アイ・ラブ・ユー』でも、悠真倫さんは轟悠さんと渡り合う要の役で光っていました。
轟悠さんと同僚として渡り合えるのは、専科だからこそ。
このコメディが超絶面白かったのは、コメディアンヌの悠真倫さんの存在がとても大きかったと思います。

(先月『チェ・ゲバラ』で11期下の風間柚乃君が轟悠さんの同朋として力演していましたが、またそれは別で…)

専科の未沙のえるさんについて

現在、宙組全国ツアーで、17年前の『追憶のバルセロナ』が上演されています。
17年前の記憶としては、未沙のえるさんが演じられたイアーゴーの印象が一番強く残っていました。
しかし今回観劇してみると、組長の寿つかささんが演じていらっしゃいましたが、あまり印象に残りませんでした。
17年前は「あの後どうなったのだろう」などど観劇後に気をもんだものですが、今回は気になりませんでした。
芝居が巧みな専科の方の演技は、違うのだとあらためて感じました。
寿つかささんもしっかり演じていらっしゃいました。
それを否定するわけでなく、専科の方の演技はレベルが違うという意味です。

先日の宙組「オーシャンズ11」でも、かつて星組で未沙のえるさんが演じられたソールの役を寿つかささんが演じられました。
未沙のえるさんは、星組の「オーシャンズ11」を最後に2012年2月5日に退団されました。
「ミー・アンド・マイガール」でも、パーチェスター役は未沙のえるさんというのが、宝塚ファンに一番しっくりくる配役で、その後違う方のパーチェスターを見ると、未沙のえるさん版と比べてしまいます。(比べる私が間違っていることはわかっています)

大地真央さんの同期なので良く共演されており、今年『夫婦漫才』を観劇しましたが、脇をかためる中の一人でした。
宝塚で続けてくださっていたら…と、退団から7年たっていますが、未だに残念に思います。

専科の方が出演した公演としていない公演の違い

今年「ブロードウェイ・ミュージカル」が2作品月組と雪組で続けて上演されました。
どちらも老婆が出てきます。月組は月組生で、雪組は専科で演じられました。

月組 『ON THE TOWN』
おばあちゃん【おせっかいな老婆】…… 玲実くれあ(東京)楓 ゆき(大阪)

雪組 『20世紀号に乗って』
レティシア・プリムローズ…… 京 三紗(専科)

『20世紀号に乗って』においての「レティシア・プリムローズ」の役の比重が重かったのもありますが、感想としては「京三紗さん、素晴らしい!とても良かった」と思いました。
一方月組の『ON THE TOWN』での老婆は、その他大勢の一人でしかなく、側転をしていたのは凄かったな、という印象。
もし、『ON THE TOWN』に京三紗さんが出演していらっしゃったら、印象が違ったのでは無いかと思います。

専科の現状

悠真倫さんは、2014年5月12日付けで、専科へ異動されました。
それ以降、専科に異動したのは、今年2月11日付の梨花ますみさんだけです。
(「スター専科」の異動は考えていません)

2014年以降の専科の退団者は以下の5名です。
2014年
・一原けい(元花組副組長)
2016年
・鈴奈沙也(元宙組副組長)
・美城れん
2017年
・箙かおる(元雪組組長)
2018年
・飛鳥裕(元雪組・月組組長)

14年前の専科生と2019年の専科生の比較表をつくってみました。
専科生の状況
数の多さの違いは明らかです。
今年、梨花ますみさんが加わったものの、減っていくばかりのように思います。

残念だった美城れんさんの退団
美城れん 2014年4月7日付で、専科へ異動。
     2016年11月20日、 東京宝塚劇場星組公演、同期の北翔海莉退団公演で、共に退団。

美城れんさんが、まだ専科生として在団されていたら、と思いますが、専科所属2年半で退団されたのは本当に残念でした。

専科とは

「オファーが来た時出演する」という形のようです。
とても受動的な形態で、能動的に出演を決めることはできないようです。
先の計画がたてれない、不安定さが絶えずあるように思います。

宝塚は60歳が定年で、それ以降は嘱託契約だそうです。
「宝塚で年齢のことを言うのはスミレコード」に反するので書けませんが、現在も嘱託契約の方も多いようです。

今年6月より、英真なおきさんが理事に就任されました。
喜ばしいことだと思います。
専科生としての活躍を期待するには、世の中の流れと同じで、専科に所属するメリットや待遇改善も必須なのでしよう。

タカラジェンヌは役者なので、老け役でも、どんな役でも、演じることはできています。
しかし、舞台を見せていただく客の立場からしたら、専科の方が出演すると舞台に厚みが増し、より良い舞台になると感じています。

劇団の方針としては、専科生を増やすつもりは無いのかな?と感じることもあります。
経験を積んだバイプレーヤーは、とても大切だと思うのですが。

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