花組『青い薔薇の精/シャルム!』感想と団体のお客様について
昨日、花組大劇場公演『青い薔薇の精/シャルム!』を、初日から約2週間ぶりに観劇してきました。

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『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』感想

お芝居全般がとてもしっくり馴染んできて、初日に感じた唐突感は全くありませんでした。
「おとぎ話」がより「おとぎ話」になった感じです。一人ひとりの舞台上での佇まい方が自然になっていました。
舞台は生きている」ことをとても感じました。またしばらくたって観劇すると、さらに素敵に仕上がっていることでしょう。
こういう所も宝塚の魅力の一つです。その陰には明日海さんをはじめ花組生の「良い作品を届けよう」っという絶えまない努力も。

芝居の花組
何よりも、明日海さん演じるエリュ華優希ちゃん演じるシャーロットのお芝居が、より深まっていると思いました。
50年後のシャーロットとエリュが再会するシーンで、車いすの華ちゃんのひざに、明日海さんが駆け寄ってすがりついて泣くところ、二人の思いが響いてきます。
魂でお芝居をするお二人。一作だけのコンビですが、一作だけでもお芝居で組めて良かったと思います。
明日海さんの心の芝居に、心でこたえる華ちゃん。
そして柚香光くんも、心のお芝居が出来る人。
「明日海さんの芝居心」をれいくんも華ちゃんも受け継いで、「芝居の花組」としても、今後盛り立てていってくれることでしょう。
お芝居での華ちゃんの歌、心がこもっていて本当に良くなっていました。れいくんも。

白薔薇のほのかちゃん(聖乃 あすか)のロイヤル感、美しさは絶品で、明日海さんの美の伝承者と言えるでしょう。新人公演が楽しみ。

『シャルム!』の感想

水美舞斗くんと城妃美伶ちゃんは、今回二人で組んでいることが多いです。
その中でも一番好きなのは、「舞踏会」のところで銀橋で歌う、マイティ・しろきみペアのところ。
優しい王子さまのようなマイティに守られながら、幸せいっぱいのしろきみちゃんの高音の美しい歌声とマイティの抱擁感にあふれるナイトぶりが素敵です。

一人だけ赤紫の軍服マント姿のみりおさん。他の人たちがゴールド、シルバー系の衣装なので、その赤がとても映えて、一際美しくて、カッコイイ。
等身バランスが良いので、どんなお衣装も素敵に着こなされ、一際キラキラ感にあふれて、スター中のスターだと本当に思います。

白い衣装で、組子たちに見守られて幸せいっぱいに笑顔で踊り歌うみりおさん。
花組生全員がセンターから花道までうめて、みりおさんに向かって列をなしている光景は圧巻で、みんなのみりおさんに対する思いが詰まっていて、涙がさそわれます。

れいくんのレジスタンス
柚香光くんの銃を持って踊り、歌うレジスタンスの場面がカッコイイ。
途中、華ちゃんがやってきた時の、驚きや動揺、心配、絶望感が手に取るように伝わってきます。
顔の表現や身体の動き、仕草だけで心情を伝えることが巧み。
初日の華ちゃんが撃たれた時の嘆きの声に違和感がありましたが、普通になっていました。

大階段の黒燕尾
それぞれの振りのところが、初日はまとまりが無さ過ぎでしたが、今回はそれぞれが違うふりをしても全体的にまとまっていました。調整されたのでしょう。
そして明日海さんがいらっしゃる前に、それぞれが手のひらを見つめて、上着の内側にそっとしまう振りがあります。
明日海さんとの思い出を、お一人ひとり胸に大切にしまいこんでいるような感じです。
その思い出は、短い振りの中では表現できない程の深いものだろうなぁと感じます。

みりおさんの渾身のケ・サラ
心のこもった感謝がつたわってきます。包み込むようなやさしさがあり、その温かい心に包まれて涙が出てきます。すすりなきが多く聞こえてきます。

ケサラ ケサラ ケサラ
僕たちの 人生は
希望の歌を うたいながら
明日を信じて 生きよう

みりおさんのとても好きな曲だそうで、オペラユニット・THE LEGEND(ザ・レジェンド)さんの日本語訳詞が使われています。
今後「ケ・サラ」を聞くと、みりおさんを思い出しそうです。

大劇場内「プログラム」の販売に長い列

大劇場改札内のプログラムの販売の所に長蛇の列ができていました。ここまでの長さは今まで見たことがありませんでした。
明日海さんの「Special Poetrait」
前回の星組もプログラムにもついていましたが、花組プログラムにも同様、終わりの部分に「Special Poetrait」がついています。
花組公の場合は、明日海りお仕様。
『BEAUTIFUL GARDEN 』で“ETERNAL GARDEN”を歌った時の薄紫の衣装を着ていらっしゃいます。
1ページ目は、美しすぎて、品格と優しさいあふれたお顔の大写し。
次のページは、モノクロのゴージャスなジャケット姿の明日海さんの数々のポートレイト。
そして最後のページは、先ほどの薄紫の衣装姿で見開き2ページ。最初の笑顔がとても素敵。
そしてその2ページに明日海りおさんからのからファンへの感謝の気持ちが綴られています。

開演前にここを読んでしまうと、「惜別感」でいっぱいになってしまうので、ご注意を。

チケット難公演なのに団体のお客様?

花組公演は、立ち見券さえ早くに待ち行列に並ばないと購入できない、「チケット難」公演です。
観たいのに見れなくて、涙をのんでいるファンの方は沢山。

お芝居が終わった幕間のロビーで「よう寝たわぁ」という、男性のお言葉を聞いてしまいました。
その方がご家族といらしていたのか、団体でいらしていたのかは、わかりません。
男の方には「メルヘン」は興味がない分野かもしれません。
寝てしまうという方も中にはいらっしゃるでしょう。

団体のお客様だったら
明日海りおさんのような、トップ オブ トップさんの退団公演が、超絶のチケット難公演になることは、予想できると思います。
ファンにとっては、何にも代えられない貴重な公演
団体でいらっしゃる方には、その貴重さは全くわからないでしょう。それも当然です。

一人でも観たいファンのために、団体のお客様をとらないようにして下さり、本当に観たいファンにチケットをまわしてくださったら、と思います。

経営全体の安定のためには、ファンより、団体のお客様優先になるのでしょう。
どうしようもないことだとわかっていても、残念だな、と思ったことでした。

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