『壬生義士伝』初日感想 
『壬生義士伝』の初日を観劇してきました。

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涙をさそう感動作品だったが…

原作通りの「吉村貫一郎」をだいもん(望海 風斗)が熱演されたので、心に響く良作でした。
涙されている方も多かったです。

望海風斗の功績
初日から「吉村貫一郎」というやさしくて、まっすぐで、琴線に触れる人物像を創っていらっしゃるので、心が動かされました。
そしてさらに素晴らしい歌唱が加わるので。感動が増幅されます。

しづ/みよ役の真彩希帆ちゃんは、役の部分はまだ手探り状態だったかと思いますが、歌唱の部分で心に響くものが大きかったです。
「歌えるトップコンビ」は、歌を通して伝える心を持っておられるので、歌の力はスゴイと思わされました。

他の出演者については、これから日々進化して良くなっていかれるだろうと思います。

斎藤一役の朝美絢君が要になる役
吉村貫一郎と新撰組で共に生き、回想シーンにも登場する「斎藤一」
より個性的に演じられるようになると、この話が面白くなると思います。

大野次郎右衛門役の彩風咲奈君も大きな役を担っています。
だいもんと対峙するまで役を高められたら、素晴らしい存在になると思います。

鹿鳴館の大勢のメンバーのストーリーテラーが必要?

原稿用紙1200枚にも及ぶ原作を短い時間で上演するためにストーリーテラーの存在は必要だったと思います。
しかし今回は、鹿鳴館のメンバーとして最大11名出ていました。
たびたび大勢出てきて、必要以上に語ることが気になりました。
(懇切丁寧に語られなくても観客が察せられる部分もあるのにと感じました。先日星組で上演された昭和時代の「アルジェの男」は観客の想像力に作品の一部をゆだねている所がありました。それに比べて最近の作品は「説明台詞」や「心の声」が多すぎるように感じています。それも時代なのかな?)
しかもその中に個性の強い舞咲りんさん演じるビショップ夫人がいて、印象が強すぎたことはマイナスのように感じました。
せっかくの情感あふれるお芝居が、ぶつ切られるのが気になりました。

懸念していた新撰組について

第七場で華々しく新撰組が登場しました。イメージ通りの新撰組でした。

石田先生は『タカラヅカ的ではない部分の人物像をもタカラヅカ化してみようと』と試みられたようで、一人一人の個性が宝塚的ではなかった所も多々あります。

沖田総司役永久輝せあ君について
「浅田次郎氏×石田昌也 対談」で浅田次郎先生が『沖田イコール“美貌の少年剣士”、では無い』と言い切っていらっしゃったためか、髪型が今までの沖田総司とは違って、前髪がありませんでした。
でも顔立ちが良いひとこちゃんには、その髪型も似合っていました。顔立ちが悪い人には、そういう髪型は「不細工」になるかもしれません。

『その沖田を浅田先生がお書きになったイメージに近づけたくて、これまでのタカラヅカ版沖田なら絶対言わないようなセリフを言わせています。』というセリフは

「斬っちゃいましょうか」などと、キツイ言葉を簡単に言っていたことかな?

新鮮組はそれぞれキャラが立っています。
その中でも先ほど書いた斎藤一役の朝美絢君のナルシスト的なキャラが強いです。
しかし沖田総司役のひとこちゃんとは気が合うようで、総司が「はじめ君」と斎藤一のことを呼んだり。
それぞれの個性の強さがコメディぽくあらわされているところが笑いを誘ったりもしていました。

新撰組のカッコ良い殺陣!がありました。
特にだいもんの殺陣は、さらに上をいって素晴らしい。

初日を観た限りの私の勝手な感想は、だいもんの熱演によって良作になっていた、という感じです。(思い込み、偏見が強いので、おゆるしを)
日々進化していく中で、傑作になると思います。

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