「オーシャンズ11」感想2
「オーシャンズ11」は男役さんのスーツ姿が超絶カッッコイイ(特に宙組は長身で脚が長い)だけでなく、カラッとした爽快感が味わえるエンターテイメントであることも魅力です。

公演プログラムの小池先生のご挨拶には、初演当時は東日本大震災があり、2本の舞台を抱えている最中にお母様を亡くされ、先生ご自身が苦しさや辛さから解放されたい一心で元気の出るエンターテイメントを求めて「オーシャンズ11」に臨まれたようです。

初演からの8年間で世の中がそう良くなったとは思えず、さまざまな問題は深まるばかり。
だが、ご覧になった方が落ち込んだ時に思わず「NEVER GIVE UP」や「JUMP」を口ずさんでいる、そんな作品創りを目指し、一同稽古に励んでいる

との一文がありました。

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柄にあう役とは?柄にあわない場合
初日を見ただけで、今後役が進化していく可能性も大きいので、時期早々な考えかもしれませんが、初日を見ての思いを書きます。

星風まどかちゃんの持ち味にテスは合っていない?
今までの星組夢咲ねねちゃん、花組の蘭乃はなちゃんに比べたら、断然歌が歌えて、「ディーヴァ」という、成功した女性歌手設定には最も適していました。
しかし真風ダニーの妻で、別れた後もダニーから深く愛され、「ホテル王」として成功している桜木みなとべネディクトからも愛されている、悪い男2人から愛される3角関係の頂点の一人としての「大人の女性の魅力」が舞台ではあまり感じられませんでした。
まどかちゃんより「5年前のテス」として登場した夢白あやちゃんの方が、そういう三角関係の女に合っているような。

ブロマイドやスカイステージでのダイジェスト映像では、テスの役作りの成果は伝わってきます。しかし舞台上では、役づくり以前のまどかちゃん自身が見えてしまう。

フィナーレのデュエットダンスでも、もの凄く萌え萌えなシーンが用意されていますが、あまり話題を呼んでいないような。

今の宝塚は、トップ男役と娘役を固定してしまいますが、男性的な魅力が強い真風さんには、アダルトな娘役さんの方が合うのではないかな、と思いました。
先日「真風さんは、男そのものやな」と近くの方がお話されていて、その率直な素朴な意見に思わず笑ってしまいました。
本当に今までになかった「男性的な持ち味を強く持っているスターさん」だと思っています。反面素の真風さんはとても乙女チックな所がまた素敵です。

まどかちゃんも、段々と魅力的大人の女性になっていくのだと思いますが。

桜木みなと君のべネディクトも持ち味に合っていない?
白い貴公子というイメージのずんちゃんは、顔を黒塗りして表情を大きくつくって、悪いべネディクトにチャレンジしていました。
しかし「ラスベカス一の冷酷なホテル王」というカリスマ性、暴君的な部分は、まだあまり伝わってきませんでした。

役を離れたフィナーレでのずんちゃんの笑顔が心に残りました。本来の自分に戻れてホッとしているような。

2番手級の男役さんには、こういう黒い役がふられて、そこを通して成長してトップスターになっていくものですが。
ずんちゃんがこれからどのように殻を破って成長していくか、真価を問われています。

95期の熾烈なライバル競争の中で、今の状態ではずんちゃんは頭角をあらわしていけないように思いますが、劇団側の思惑はわかりません。
ファンの思いとは違うことが多いので。

本来は「ダニー、テス、べネディクト」という三角関係が、「オーシャンズ11」を面白くする一つの要素でもありますが、ここの部分が弱いので、「ダニーとラスティー」というトップと2番手の悪友関係が見せ場となり、芹香斗亜君が光っていました。
芝居の中でも、ラスティーの歌の場面が増え、二人の掛け合いの歌「オーシャンズ10」が加わり、フィナーレの「歌唱指導」もラスティー役のキキちゃんの場となっていました。

「トップと2番手」を魅せるというのは、小池先生が始めから意図された宙組の「オーシャンズ11」だったのかもしれないな、とも思えてきました。

今日は、星組元トップスター柚希礼音さんが観劇されたそうです。
8年前の初代主演ダニーさん。
真風さんもキキちゃんも晴れ姿を見てもらって嬉しかったことでしよう。ダメ出しもあったのかな?

昨日書くのを忘れていましたが、退団者の愛白もあちゃん、べネディクトの秘書役ベスで、良い持ち味を出していました。
前回のバウ公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』で活躍していた面々も活躍ぶりを確認しました。

「ハッスルメイツ」で、甘いマスクのスゴイイケメンがいると注目していた、103期生の亜音有星君。
前回の大劇場公演では怪我で休演されましたが、今回は新人公演でベネディクト役に抜擢です。
その活躍も楽しみです。

宙組の「オーシャンズ11」は、これから日々ヒートアップして、ますます素敵になっていくでしょう。
来週の土曜日に観劇予定です。またどのように進化していたか、こちらに記しますね。
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